現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 本当に危険なのはどっちだ!? 一般道とサーキットを走り続けたプロが出した結論 一般道に潜む危険の正体とは!?

ここから本文です

本当に危険なのはどっちだ!? 一般道とサーキットを走り続けたプロが出した結論 一般道に潜む危険の正体とは!?

掲載 48
本当に危険なのはどっちだ!? 一般道とサーキットを走り続けたプロが出した結論 一般道に潜む危険の正体とは!?

 想像もできないようなスピードで走るサーキットに比べれば、一般道は安全で事故のリスクもない。そのように信じている人も多いかもしれないが、長年クルマとレースの両方に向き合ってきたプロからすると、この認識は必ずしも正しくない。むしろ予測不能なリスクが最も集中しているのは一般道である。中谷明彦氏が実体験をもとに、その理由を掘り下げる。

文:中谷明彦/画像:ホンダ、ポルシェ、三菱、ベストカーWeb編集部ほか

【画像ギャラリー】スタリオン、ポルシェ911、スカイライン、CB250T…… どれもサーキットではなく一般道で事故に遭った!? 実体験が語る「予測不能なリスク」!(14枚)

むしろ一般道の方がキケン!?

 「一般道は安全で、サーキットは危険」と多くの人はそう考えるかもしれない。しかし、長年クルマと向き合い、レースと一般道の両方を走ってきた立場から言うと、この認識は必ずしも正しくない。むしろ、最も多くの危険が潜んでいるのは一般道である。

 私は18歳で運転免許を取得して以来、大きな人身事故や物損事故を自ら起こしたことはない。一方で、被害者として事故に巻き込まれた経験は決して少なくない。それは、約40年前の大学生時代に遡る。

 当時、私はホンダ CB250 HAWKで通学していた。250ccのオートバイである。現在とは異なり、監視カメラやドライブレコーダーが普及していない時代で、交通の安全意識はドライバーやライダー個々の判断に委ねられていた。

 都内の渋滞した片側三車線の国道で、2輪車が左端をすり抜けて進む光景はごく日常的なものだった。当時としては道路交通法的にグレーゾーンで、取り締まられることはほとんど無かった。

 ある日、道路左端を走行して交差点に差しかかかり、青信号を確認し、その流れのまま交差点へ進入した瞬間、渋滞列の間から突然クルマが右折してきた。

 いわゆる「右直事故」である。相手は、渋滞しているから安全だと判断し、左端を走行する2輪車の存在を想定していなかったという。だが道交法的には直進車に優先権がある。フルブレーキをかけたが間に合わず、前輪が車体側面に衝突。私はクルマの反対側まで跳ね飛ばされてしまった。

自分の運転ミスでなくとも事故は起きる

 幸いにも負傷は軽い脳震盪で済んだが、この一件は、一般道に潜む「予測不能な危険」を強烈に意識させる出来事だった。この事故を機に、通学手段をオートバイからクルマへと切り替えた。

 しかし、クルマに替えたからといって危険が消えるわけではない。夜間に青信号で交差点を抜けた直後、前方が渋滞しており、その最後尾で停止した瞬間、後方から強い衝撃を受けた。追突事故である。

 当時、父親から借りて乗っていた日産 スカイライン1800GLは、トランクが原形を留めないほど潰れ、前方の車にもぶつかる3台が絡む事故となった。追突事故は、自分がどれほど注意していても防ぎようのないケースが多い。

 その後も、1992年に新車で購入したポルシェ 911(964型)カレラ2が、納車された直後にディーラー前の赤信号停車中で追突されるという経験をした。さらに数年後には、首都高速で落下物を避ける減速渋滞の中、ポルシェ 911ターボが後方不注意の車両に追突されている。

 これらはいずれも、自身の操作ミスによるものではない。一般道では、他者の判断ミスが直接自分のリスクになる。これがプロドライバー同士が競うサーキットレースとの決定的な違いである。

一般道の方が予測不可能!?

 レースでは接触事故も起こるが、多くの場合予測可能だ。勇気をもって引き際を判断すれば回避できるシーンがほとんどなのだ。

 1986年、三菱 スタリオンGSRを駆り、東名高速を鈴鹿サーキットへ向かっていた際の出来事も忘れられない。追い越し車線で大型トラックを追い抜こうとした瞬間、車列の中から一台が突然車線変更してきた。

 咄嗟の回避操作により車両は直線ドリフト状態となり、中央分離帯のガードレールが視界前方を左から右へと流れていく。反対車線への飛び出し、あるいはガードレールへの激突、横転、大破を覚悟したが、フルカウンターとスロットル操作で辛うじて制御を取り戻でせた。

 その直後、背後には大型観光バスが迫っていた。そのバスも、ブレーキを激しくロックさせ、タイヤスモークをあげて迫ってきていた。もし衝突していれば、結果は想像に難くない。

一般道はジェントルに! 思いっきり走るならサーキットへ!

 この時、4輪に装着していた175サイズのスノータイヤが、高速安定性を著しく損ねていたことも事実であり、車両条件と環境要因が重なった典型的な危険例だった。こうした経験を重ねる中で、逆説的に「サーキットは安全だ」という認識が自分の中でカタチ作られていった。

 対向車も歩行者も存在せず、万が一の際には即座にレスキューが入る。参加するドライバーのスキル水準も揃っており、相対速度差が小さい。結果として、致命的な事故に至る可能性は一般道より低い。

 一般道では、速度を上げれば情報処理量が増え、判断ミスのリスクも跳ね上がる。しかも、どれだけ急いでも到着時間はせいぜい数分しか変わらないだろう。そのわずかな満足のために、大きな危険を背負う合理性はない。

 だからこそ、多くのレーシングドライバーは普段、一般道では決してスピードを出さない。速さによる危険性を知っているからこそ、一般道では抑制的になる。思い切り走りたいなら、当然場所を選ぶべきだ。一般道ではジェントルに、クルマの性能や限界を試すならサーキットで。

 それが、長く高性能車を楽しむための、最も確実な方法と言える。

文:ベストカーWeb ベストカーWeb
【キャンペーン】お得に給油!第1・3金土日はガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録&特定情報の入力)

こんな記事も読まれています

最高出力170psのハイパフォーマンス・クロスオーバー!! ドゥカティ「ムルティストラーダV4パイクスピーク」新カラーで登場
最高出力170psのハイパフォーマンス・クロスオーバー!! ドゥカティ「ムルティストラーダV4パイクスピーク」新カラーで登場
バイクのニュース
なぜEVは「走らない時間」に価値を持つのか? 25万台が秘める電力! 駐車しているクルマに何が起きているのか――次世代の活用法とは
なぜEVは「走らない時間」に価値を持つのか? 25万台が秘める電力! 駐車しているクルマに何が起きているのか――次世代の活用法とは
Merkmal
アルファロメオ、ミドルサイズSUV『トナーレ』にも専用加飾の限定車“Sport Speciale”を設定
アルファロメオ、ミドルサイズSUV『トナーレ』にも専用加飾の限定車“Sport Speciale”を設定
AUTOSPORT web
悔しい敗戦からわずか1週間。チェイス・ブリスコが選手権首位圧倒の今季2勝目/NASCAR第31戦
悔しい敗戦からわずか1週間。チェイス・ブリスコが選手権首位圧倒の今季2勝目/NASCAR第31戦
AUTOSPORT web
厚み30ミリの薄型フラップで純正フォルムを昇華。ハイエースのワイドボディに宿る疾走感
厚み30ミリの薄型フラップで純正フォルムを昇華。ハイエースのワイドボディに宿る疾走感
Auto Messe Web
ついにSuicaが「2万円の壁」突破へ 「新たなコード決済サービス」が10月20日から開始! 残高の受け渡しも可能に
ついにSuicaが「2万円の壁」突破へ 「新たなコード決済サービス」が10月20日から開始! 残高の受け渡しも可能に
乗りものニュース
『ジムニーノマド』を角目にカスタム、「90sアメリカンSUV仕様」発表へ…東京オートサロン2027
『ジムニーノマド』を角目にカスタム、「90sアメリカンSUV仕様」発表へ…東京オートサロン2027
レスポンス
アクティブのビルドアライン「ステンレスブレーキホースキット」に GSX-8S/R/TT用ほか新製品が登場
アクティブのビルドアライン「ステンレスブレーキホースキット」に GSX-8S/R/TT用ほか新製品が登場
バイクブロス
スズキの軽EV「eスカイ」、国内EV最安の212万円から 11月16日に発売
スズキの軽EV「eスカイ」、国内EV最安の212万円から 11月16日に発売
日刊自動車新聞
GMC・タイフーン風スズキ「ジムニーノマド」初公開 シーエルリンクが「90s アメリカン SUV 仕様」を開発
GMC・タイフーン風スズキ「ジムニーノマド」初公開 シーエルリンクが「90s アメリカン SUV 仕様」を開発
くるまのニュース
共感型AIからロータリーエンジンまで!マツダがジャパンモビリティショービズウィーク2026で描く新たな移動体験
共感型AIからロータリーエンジンまで!マツダがジャパンモビリティショービズウィーク2026で描く新たな移動体験
月刊自家用車WEB
WHILL、電動車椅子の最軽量モデル「Model C Lite」出展へ…国際福祉機器展2026
WHILL、電動車椅子の最軽量モデル「Model C Lite」出展へ…国際福祉機器展2026
レスポンス
2026年度上期の新車販売ランキング、N-BOXが5年連続トップ マイナーチェンジでスペーシア引き離す
2026年度上期の新車販売ランキング、N-BOXが5年連続トップ マイナーチェンジでスペーシア引き離す
日刊自動車新聞
日産「新型エルグランド」 発売3ヶ月弱で受注1万台突破 「アルファード/ヴェルファイア」からの乗り換えも 最新の販売状況は?
日産「新型エルグランド」 発売3ヶ月弱で受注1万台突破 「アルファード/ヴェルファイア」からの乗り換えも 最新の販売状況は?
くるまのニュース
名前も見た目も「ブッ飛びすぎ」1000台限定だった“旧車風パジェロ”とは 「猫であり、子犬です」?
名前も見た目も「ブッ飛びすぎ」1000台限定だった“旧車風パジェロ”とは 「猫であり、子犬です」?
乗りものニュース
キャデラックは初の雨レース。ペレス「競争力はあったが、SCでアドバンテージを失った」リタイアのボッタスはミスを謝罪
キャデラックは初の雨レース。ペレス「競争力はあったが、SCでアドバンテージを失った」リタイアのボッタスはミスを謝罪
AUTOSPORT web
新型スズキe SKY、ついに登場!──GQ新着カー
新型スズキe SKY、ついに登場!──GQ新着カー
GQ JAPAN
外国メーカー車の2026年度上期販売、テスラが大半の「その他」が2位に浮上
外国メーカー車の2026年度上期販売、テスラが大半の「その他」が2位に浮上
日刊自動車新聞

みんなのコメント

48件
  • DMP81Z_DW7
    サーキットコースは高速で走ることを前提に作られていて、当然、交差点がなく、歩行者も自転車も走っていません。
    何より、同等レベルの技能を持ったドライバー同士が走っています。
    一般道路よりも何倍も安全です。
  • ppp********
    一般道は免許取り立てから免許返納せなアカンやろっていう人がいて、モラルが低い、ルールを忘れている人もいるから、一般道の方が危険因子だらけで危ないと思います。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

302 . 5万円 ~ 311 . 5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

156 . 2万円 ~ 378 . 0万円

中古車を検索
三菱 スタリオンの買取価格・査定相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

302 . 5万円 ~ 311 . 5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

156 . 2万円 ~ 378 . 0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村