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開幕直前だから知っておきたい、最新の勢力図!フォーミュラE 2025東京E-Prixプレビュー

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開幕直前だから知っておきたい、最新の勢力図!フォーミュラE 2025東京E-Prixプレビュー

2025年5月17日から18日にかけて、再び東京の街がサーキットに変わる。昨2024年、国内で初めて開催され話題を呼んだフォーミュラEの東京E-Prixは、さらにスケールアップし、シリーズ初となるダブルヘッダーとして臨海副都心に戻ってくる。

タイトル争いの行方を占う、東京の2日間
レースが開催されるのは昨年同様、東京ビッグサイト周辺の市街地を活用した特設コース。前回のレイアウトはすでにドライバーたちから「現代的かつ挑戦的」と高く評価されていた。そんななか、今年は一部のセクションが調整され、より高速かつテクニカルなバランスが求められる構造へと進化。フラットな舗装路ながら起伏があり、鋭角なヘアピン、目測を誤れば壁と接触するハードなレイアウトとなっている。

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そして何より注目すべきは、今年の東京大会が2日間にわたるダブルヘッダー形式で行われることだ。これは同選手権において、日本が重要な開催地であることを示しているのではないだろうか。しかし、ダブルヘッダーはドライバーやチームにとってミスが許されない厳しい戦いでもある。

初戦で接触やトラブルに見舞われれば、翌日のレースに響いてくる。それがフリー走行であればなおさらだ。

この東京での連戦は、選手権の行方を大きく左右する可能性を秘めている。とりわけ目覚ましい活躍を見せているのが、日産のオリバー・ローランドだ。第2戦メキシコを制し、第4戦ジェッダでも勝利。さらには第6戦モナコでも勝ち星を挙げ、ここまで3勝をマークしている。

特筆すべきはその安定感であり、エネルギー回生、アタックモード、ピットブーストといった戦術的要素を、高い精度でこなしている印象だ。すでにランキング2位に対して48ポイント差をつけているローランドだが、今大会の結果次第では、タイトル争いで大きなアドバンテージを得ることになる。

また、昨年果たせなかったチームの母国優勝を狙えるチャンス。日本のファンの前で君が代を流したいところだ。

ポルシェ、ウェーレインの巻き返しにも期待
そのローランドに一矢報いたいのがポルシェのアントニオ・フェリックス・ダ・コスタとパスカル・ウェーレイン。ダ・コスタは表彰台3回と4位が1回、ウェーレインは1勝を含む表彰台を2回獲得している。

速さのあるポルシェ勢だが、ダ・コスタはリタイア2回、ウェーレインも表彰台を獲得したレース以外は上位でフィニッシュすることができていない。この好不調の波がローランドとのポイント差となって表れているわけだが、順位変動の激しいフォーミュラEにおいて、ローランドの高水準な安定感は頭一つ抜けていると言っていいだろう。

このタイトル争いの他にも注目したいのが、第7戦モナコで見事に復活の優勝を飾ったセバスチャン・ブエミだ。ブエミは初年度から参戦しており、2015-16年のチャンピオンである。このシリーズで多くの優勝を飾ってきたが、近年は成績に陰りが見えつつあった。

復活を期して臨んだ今シーズンだったが、開幕戦で7位を獲得して以降ノーポイントが続いた。しかし、第7戦モナコで6年ぶりの勝利を挙げ復活を遂げて見せたのだ。この勝利で通算14勝目となり、獲得ポイントもシリーズ史上初の通算1000ポイントに到達。フォーミュラEを黎明期から盛り上げてきたベテランが東京でも魅せてくれるかもしれない。

商業的にも活発な動きを見せている
また、今季から参戦した新興チーム「ローラ・ヤマハABT」にも注目が集まっている。

かつてF1やル・マンで名を馳せたローラが、日本のヤマハとタッグを組んで今季から同シリーズに参戦。初年度ということもあり苦戦が続いているが、第5戦マイアミでは、ルーカス・ディ・グラッシがチームにとって初となる2位表彰台をもたらしている。ブエミやディ・グラッシといったチャンピオン経験者の躍進もシリーズを面白くしている大きな要因だ。

さらには、俳優のイドリス・エルバが支援する「CUPRA KIRO」も今季から新体制に。新しいオーナーを迎え、ポルシェとテクニカルパートナーシップを結んだ同チームは、ハリウッドのメジャースタジオでもあるマーベルと提携するなど商業的にも活発な動きを見せている。

新体制初年度は、マーケティングの強みをトラック上のパフォーマンスに反映させること。レース結果がついてくれば、これまでにない影響力を持つチームになると見られている。

レースウィークの東京ビッグサイトは、もはやサーキットというより都市型フェスティバルと言っていいだろう。会場では電動モビリティの展示やテクノロジー体験、音楽イベントなどが同時開催され、訪れる人々が楽しめる催しが用意されている。

とくに今年は、ヤマハが次世代モビリティを初披露する場ともなっており、産業・文化・スポーツの境界を超えるプロジェクトの発信地としての側面もある。

実験的なカテゴリーとして生まれたフォーミュラEは、今や技術、文化、都市生活を結びつけるハブとなった。2年目の東京E-Prixは昨年以上の熱気に包まれるのではないだろうか。

[ アルバム : 開幕直前!フォーミュラE 2025東京E-Prixプレビュー はオリジナルサイトでご覧ください ]

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