現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 走りながらワイヤレスで充電できるEVバスが大阪万博で運行中! 夢の技術はどんな仕組み?

ここから本文です

走りながらワイヤレスで充電できるEVバスが大阪万博で運行中! 夢の技術はどんな仕組み?

掲載 8
走りながらワイヤレスで充電できるEVバスが大阪万博で運行中! 夢の技術はどんな仕組み?

 この記事をまとめると

■大阪・関西万博の会場内にてEVバスが稼働している

日本のバス市場を狙う中国EVメーカー! 素早くダウサイジングの動きをつかんで「中型BEVバス」攻勢を強めている

■走行中給電機能を装備しており路面に埋めたコイルから電力を得ている

■走行中給電機能は自動運転レベル4との相性がいい

 万博の会場にて夢のEVバスが稼働中

 大阪・関西万博「EXPO2025」が注目度を高めている。開幕前は批判的な報道も多く、開幕直後も運営の問題が指摘されることもあったが、万博ならではのエクスペリエンスが来場者からは高く評価されているという。

 そんな大阪万博には、モビリティの未来を体感するイベントという側面もある。たとえば、来場者が利用する移動用バスはEVであるのはもちろん、走行中給電機能を備えている。

 EVの運用において課題とされているのが充電時間であり、バッテリー搭載量によって航続距離が制限されること。しかし、路面に埋め込んだ装置などから給電を受けることができれば、航続距離の問題はクリアされるし、搭載するバッテリーも最小限で済むためコストダウンが期待できる。まさにEVにおける夢のテクノロジーが走行中給電機能なのだ。

 万博の会場内外を走行しているEVバスが採用している仕組みは、電磁誘導のコイル式。路面と車体の双方にコイルが設けられ、路面の給電コイルに電気を流すことで車体側のコイルに送電されるというものだ。これは、スマートフォンのワイヤレス充電(Qi方式)と同じ仕組みだ。

 ただし、走行中のワイヤレス充電ではクルマの側が移動するため、大量の給電コイルを道路の下に埋め込んでおく必要がある。車体が動くために、ひとつひとつのコイルからクルマに送り込める電力はわずかではあるが、それが連続することで車体としては走行に十分な電力供給を受けることができるというわけだ。

 一見すると、道路にコイルが埋め込まれていることはわからないため、魔法のように思えるが、大容量の非接触充電システムを大量に埋め込んでいると理解すれば、走行中給電という仕組みは非常に大がかりであることが理解できるだろう。

 それなりの初期コストはかかるし、メンテナンスも必要となる。ただし、車体側のバッテリーを最小限にすることができることはコストダウン要因となりえる。バスのようにルートが決まっており、なおかつ車体の台数も多い公共交通との相性はよいといえる。

 また、会場を走るEVバスには自動運転テクノロジーも採用されているが、走行中給電システムは自動運転とのマッチングにも優れている。とくに決まったルートを無人で走る自動運転レベル4との相性は抜群といえる。

 自然と走行エリアが制限されるし、万が一ルートを外れても給電が止まるために車両は停止することになるからだ。

 その意味では未来の自動運転バスは、走行中給電を前提とした交通機関になる可能性は十分にある。もっとも、道路に給電コイルを埋め込むコストに見合うだけの利用者が見込めるエリア(おそらく都市部に限定される)でなければビジネスとして成立させるのは難しいかもしれないが。

 未来の公共交通をイメージさせる走行中給電EVバスが運用されているという点を見ても、大阪万博はクルマ好きも注目すべきイベントといえそうだ。

文:WEB CARTOP 山本晋也

関連タグ

【キャンペーン】第2・4金土日は7円/L引き!ガソリン・軽油をお得に給油!(要マイカー登録&特定情報の入力)

こんな記事も読まれています

前の停留所を出ました……ってなんでわかる? 路線バスの場所がわかる仕組みとは
前の停留所を出ました……ってなんでわかる? 路線バスの場所がわかる仕組みとは
WEB CARTOP
大阪万博でも結局実現せず! 空飛ぶクルマに世の中がいまいち本気にならないワケ
大阪万博でも結局実現せず! 空飛ぶクルマに世の中がいまいち本気にならないワケ
WEB CARTOP
京急の自動運転バスに乗車してみた! 実用化には程遠いレベル2だが注目点はアリ!!
京急の自動運転バスに乗車してみた! 実用化には程遠いレベル2だが注目点はアリ!!
WEB CARTOP
難易度の高い「高速の合流」まで行う! 新東名で行われた「自動運転トラック」の実験結果が注目必至
難易度の高い「高速の合流」まで行う! 新東名で行われた「自動運転トラック」の実験結果が注目必至
WEB CARTOP
香港で自動運転のバス同士がクラッシュ! 単純なシチュエーションでの事故が物語る自動運転の難しさ
香港で自動運転のバス同士がクラッシュ! 単純なシチュエーションでの事故が物語る自動運転の難しさ
WEB CARTOP
6人が1台に乗れればもっとタクシー需要は増える! タクシーがムリなら日本版ライドシェアにミニバン車両の導入を!!
6人が1台に乗れればもっとタクシー需要は増える! タクシーがムリなら日本版ライドシェアにミニバン車両の導入を!!
WEB CARTOP
アジアでも超特殊なベトナムのクルマ事情! 絶好調の中国車が弱く「ビンファスト」の存在感がスゴイ
アジアでも超特殊なベトナムのクルマ事情! 絶好調の中国車が弱く「ビンファスト」の存在感がスゴイ
WEB CARTOP
国内最長クラス!全線37kmの自動運転バスが実現 「渋沢栄一ゆかりの地」を周遊
国内最長クラス!全線37kmの自動運転バスが実現 「渋沢栄一ゆかりの地」を周遊
乗りものニュース
いまバーカウンターにプライベート空間までもつ「超豪華バス」が大人気! 価格で勝負しない戦略がヒットの要因
いまバーカウンターにプライベート空間までもつ「超豪華バス」が大人気! 価格で勝負しない戦略がヒットの要因
WEB CARTOP
ベトナムの販売台数トップはまさかの地元メーカー「ビンファスト」! ただしバスにタクシーにライドシェア車両で稼いだ数字
ベトナムの販売台数トップはまさかの地元メーカー「ビンファスト」! ただしバスにタクシーにライドシェア車両で稼いだ数字
WEB CARTOP
三菱グランディスがコンパクトSUVとして電撃復活! 電動パワートレインを備え欧州市場で販売予定
三菱グランディスがコンパクトSUVとして電撃復活! 電動パワートレインを備え欧州市場で販売予定
WEB CARTOP
ホンダが「大阪」にソフト開発拠点500人体制――なぜ“うめきた”に「第2の心臓部」を置くのか?
ホンダが「大阪」にソフト開発拠点500人体制――なぜ“うめきた”に「第2の心臓部」を置くのか?
Merkmal
ベトナムの首都で街行くクルマを定点観測! 日本車だと定番トヨタはもちろん「三菱」「マツダ」の勢いがスゴイ!!
ベトナムの首都で街行くクルマを定点観測! 日本車だと定番トヨタはもちろん「三菱」「マツダ」の勢いがスゴイ!!
WEB CARTOP
これからの車載アンテナは“透明”が常識!? ヨコオが開発した『見えないアンテナ』の衝撃
これからの車載アンテナは“透明”が常識!? ヨコオが開発した『見えないアンテナ』の衝撃
ベストカーWeb
アウディもフォードもF1に参戦! 2026年のF1は何が起こるのか?
アウディもフォードもF1に参戦! 2026年のF1は何が起こるのか?
WEB CARTOP
最上級は1000万円超え!? トヨタの「最強高級ミニバン」が凄い! 「画期的なシステム」特徴は? 「アルヴェルPHEV」発売から半年の現状は
最上級は1000万円超え!? トヨタの「最強高級ミニバン」が凄い! 「画期的なシステム」特徴は? 「アルヴェルPHEV」発売から半年の現状は
くるまのニュース
アルプス越えのロングランで圧巻の実用性を実証!メルセデス・ベンツ「VLE」が実証した電動ミニバンの実力。~
アルプス越えのロングランで圧巻の実用性を実証!メルセデス・ベンツ「VLE」が実証した電動ミニバンの実力。~
Webモーターマガジン
いまサクラもeKクロスEVも売れている! かつて三菱が挑戦したi-MiEVはもっと評価されてもいいクルマだった
いまサクラもeKクロスEVも売れている! かつて三菱が挑戦したi-MiEVはもっと評価されてもいいクルマだった
THE EV TIMES

みんなのコメント

8件
  • tse********
    おー、懐かしいですね。
    私の祖父が子供の頃は町中でも走っていました。
    当時は空中から給電していましたが。
  • セクシーハムスター
    どこが夢の技術なんだろう?
    伝送効率が99%で
    送受電コイルに銅を使わなくてすむなら“夢の技術”だけどさ
    某社の超急速充電だって、コスト無視したらどこの国でも出来ることなんだよなぁ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村