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ヤリス、ノートの猛攻でどうなる? トヨタ・ホンダ・日産の小型車合戦! 王者の座は誰の手に

掲載 更新 53
ヤリス、ノートの猛攻でどうなる? トヨタ・ホンダ・日産の小型車合戦! 王者の座は誰の手に

■トヨタ対ホンダのコンパクトカー対決となった2020年

 2020年は、国産コンパクトカーを代表する3車種がフルモデルチェンジを遂げた節目となる年でした。
 
 トヨタ「ヤリス(旧ヴィッツ)」、ホンダ「フィット」、日産「ノート」が新しくなったことで、コンパクトカー市場にどのような影響があったのでしょうか。

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 2020年2月10日にヤリスがそれまでの日本での車名となるヴィッツから海外車名と統一される形で発売。その4日後となる2月14日には長年の間ヴィッツのライバルとして販売台数を競い合っていたホンダ「フィット」が4代目となり発売されました。

 そして、ヤリスとフィットから遅れること10か月後の12月24日にはノートがハイブリッド専用車(e-POWER)となり発売されます。

 日本自動車販売協会連合会の発表によると、ヤリスとフィットが発売された翌月である2020年3月それぞれの販売台数は、ヤリスが1万3164台、フィットが1万4845台でした。

 ヤリスは、パワートレインにガソリン車(1リッター/1.5リッター)、ハイブリッド車(1.5リッター+モーター)、トランスミッションではガソリン車(6速MT/CVT)、ハイブリッド車(電気式無断変速機)が選択可能です。

 また、駆動方式ではそれぞれに2WD/4WD(ハイブリッド車はE-Four)を設定し、グレード展開はガソリン車が4種類、ハイブリッド車が3種類となっています。

 対して、フィットのパワートレインはガソリン車(1.3リッター)、ハイブリッド車(1.5リッター+2モーター)、トランスミッションはガソリン車が無段変速オートマチック(トルクコンバーター付)、ハイブリッド車(電気式無段変速機)、駆動方式はそれぞれ2WD/4WDを設定しています。

 なお、フィットはグレードではなくタイプとして異なる特徴を持つガソリン車、ハイブリッド車それぞれに5種類を用意。

 フィットのタイプは、シンプルな「ベーシック」を基本として、生活に馴染むデザインと快適性を備えた「ホーム」、アクティブに過ごしたいユーザーのための「ネス」、週末の外出などエンジョイライフに応える「クロスター」、そして、上質さを備えたスタイリッシュな「リュクス」です。

 3月時点の販売状況について、ホンダ販売店のスタッフはこう話します。

「発売当初の受注状況は非常に好調で、約1か月で3万台の受注台数があったと記憶しています。

 5タイプのなかではとくにハイブリッドのe:HEV HOMEが売れ筋でした。

 担当したお客さまのなかには、ヴィッツやトヨタ『アクア』からの乗り換えされるお客さまも多くいらっしゃいました」

 翌4月にはヤリスが1万119台、フィットが8977台と逆転し、5月はヤリスが1万388台、フィットが7235台と差が開いてきます。

 5月以降は、ヤリスがフィットとの差を4000台から5000台でリードしているなか、8月31日にコンパクトSUV「ヤリスクロス」、9月4日にはスポーティモデル「GRヤリス」が公表される販売台数にヤリスとして加わりました。

 これにより、9月の販売台数はヤリスが2万2066台、フィットが8992台とダブルスコアになるまで差が開いています。

 9月の販売状況について、トヨタ販売店のスタッフは次のように話します。

「ヤリスを検討していた人や、同じコンパクトSUVの『C-HR』を検討していた人が、最終的にヤリスクロスを契約するということが多くありました。

 シンプルでスタイリッシュなデザインなエクステリアや、安全装備も充実しているという点から、お客さまからのヤリス人気の声は非常に多かったように思います」

 その後、12月になるまで両車種とも逓減していきますが、最後までヤリスのリードは崩れません。

 振り返ってみると、フィットがヤリスをリードしていたのは3月のみということになります。

 2020年8月31日のヤリスクロスの追加により売り上げが伸長した背景には、アウトドア嗜好のユーザーや、視点が高いほうが安心して運転できるという層を取り込めたと考えられます。

 また、フィットのグレードのひとつであるクロスターは、フェンダーアーチなどの専用加飾を追加した3ナンバーのクロスオーバー風であることに対し、ヤリスクロスはヤリスとプラットフォームは同じもののボディ構造が大きくことなり、全長240mm、全幅70mm拡大しているため、別車種としてユーザーから認識されていたことも販売面で異なる部分です。

 ヤリスは同じ名前であっても、万人受けのコンパクトカー、趣味性の高いコンパクトSUV、スパルタンなスポーツカーという3つの異なる種類のクルマを、異なるアプローチで開発し、生み出したといえます。

 また、2001年から2019年までのフィットと、ヤリスと名を変える前の「ヴィッツ」の年間販売台数の動向をさかのぼってみると、通算19年中ヴィッツが5勝、フィットが14勝となっています。

 歴史的に見てヴィッツは、フィットに辛酸をなめさせられてきた背景があるといえ、フィットとのライバル関係においては、ヤリスへのフルモデルチェンジは成功だったといえるでしょう。

■ノートも加わりコンパクトカー戦国時代に突入する2021年

 2020年の1年間を見ても、激戦状態といえるコンパクトカー市場ですが、2020年12月末には日産から3代目となるノートが発売となりました。

 ノートは、3代目モデルから日産独自のシリーズ式ハイブリッド機構である「e-POWER」のみで2WD/4WDが設定されます。

 2代目ノートでは、ガソリン車とe-POWER車の2枚看板でしたが、3代目がe-POWER車のみとなったことで、コンパクトカーのなかでの独自性がさらに増しました。

 そんな独自のハイブリッドシステムe-POWERが注目を集めているノートですが、e-POWER専用車種になったことでの弊害もあるようです。

 e-POWER搭載車は、他社のハイブリッド車と同等の価格帯となり、従来のガソリン車と比べると高額に設定されます。

 ノートのエントリーグレード「S(2WD)」では202万9500円、最上級グレードとなる「X FOUR(4WD)」が244万5300円です。

 それに比べ、ヤリスのガソリン車は、139万5000円から212万4000円、フィットのガソリン車は155万7600円から218万6800円となっており、コンパクトカー同士で比較する消費者の目には、ノートは高額に映るといえるでしょう。

 一方で、ノートの4WD仕様は2021年1月時点で発売されておらず、発売は2020年度内(2021年3月までに)とアナウンス。

 4WD仕様の特徴として、4輪電子制御による操舵性の向上、後輪の回生制御による燃費向上など性能面でも大幅にメリットがあることから、ヤリスやフィットの4WD(E-Four)とは差別化が図られています。

 また、上級派生車として「ノート・オーラ」が登場するといわれ、噂では3ナンバーサイズのプレミアムコンパクトカーとなるようで、フィットの最上級タイプ「リュクス」の直接的なライバルとなりそうです。

 日産の販売店スタッフは、ノートについて以下のように話します。

「ノートは、販売するモデルがe-POWERモデルのみとなってしまったことにより、お客さまからすると全体的に若干の割高感を感じているようです。

 価格面だけで見ると、他社コンパクトカーと比べるとどうしても高額になってしまいます。

 ですが、ガソリン代を含めた全体的なコストを見ると、維持費の面では安価ですので、お客さまに説明する際は全体的な目線をおすすめしています」

 また2021年の傾向については、次のように話しています。

「4WD仕様が登場することで独自性の強いセールスポイントが多く、しっかりと説明すれば金額にも納得いただいて契約するケースが多いので、2021年も好調に推移すると考えています。

 上級車派生車であるオーラの詳細は販売店まで降りてきていませんし、問い合わせについてもとくにありませんが、5ナンバーから3ナンバーへと拡大するという話ですので、コンパクトカーの枠を超えて販売台数を伸ばせる可能性があると思っています」

※ ※ ※

 ヤリスは、2020年を通してまったく異なるコンパクトSUVのヤリスクロスや、3ドアのスポーティモデルとなるGRヤリスを追加し、ヤリスシリーズとして展開しています。

 フィットは、発売当初から5モデル展開で攻勢をかけており、ノートが4WD仕様、そして上級車派生車を追加する予定です。

 2021年は、安価なガソリン車の設定が無いノートが、ヤリスやフィットに対してどのような攻勢をかけるのかが注目されます。

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みんなのコメント

53件
  • ノートについては、マスコミが相当煽っているものの、その販売や人気がヒットしているという証拠、実績データについては、実はまだ全く存在していない。

    特に、販売店向け登録と信者による即時購入需要が終了した後の人気度については全く未知である。

    日産には直近、キックス発売後に、それが大人気となっているというブラフを流した前科もある。
  • ノートは他と同等にした時の価格がかなり高くなるし、フィットとヤリスは燃費、室内空間、荷室などで前より差別化が明確になってるからもはや猛攻とか王座で比べる次元ではなくなってきてる気がする
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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