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どうなる自動車業界? 2022年4月の新車販売を分析 「原材料価格」「原油価格」「円安」に懸念の声

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どうなる自動車業界? 2022年4月の新車販売を分析 「原材料価格」「原油価格」「円安」に懸念の声

2ケタのマイナス、今月も

執筆:Naojiro Onuki(大貫直次郎)

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世界的な半導体の供給不足に加えて、中国における新型コロナウイルスの感染急拡大によるパーツ調達の支障が発生し、多くのブランドで生産現場に影響が出ている日本の自動車業界。

2022年4月の国内新車販売台数は、その苦境が数値となって表れた。

登録車の新車販売台数は、前年同月比15.0%減(17万8761台)と8か月連続のマイナス。

また、軽自動車の国内新車販売台数も、同13.4%減(12万859台)と11か月連続でのマイナスを記録する。

結果として、トータルでの国内新車販売台数は同14.3%減(29万9620台)と10か月連続で前年実績を下回った(自販連/全軽自協の速報値)。

マイナス幅は、2021年9月の同32.2%減をピークに縮小していたものの、2022年1月に入って同14.2%減と再拡大し、2月は同17.9%減を記録。

3月は同16.3%減とやや縮小し、今月も2%ほど改善したが、それでも1月を少し上回るマイナス幅となった。

登録車は3社がプラス 軽は?

登録車の4月のブランド別新車販売台数では、ノートなどの販売が好調な日産が前年同月比10.6%増(1万7523台)。

フォレスターなどの売り上げが伸びたスバルが同6.2%増(5736台)、ロッキーの販売が堅調なダイハツが同0.4%増(2618台)とプラスを成し遂げる。

それ以外のブランドは、パーツの供給不足による生産の一時停止が響き、トヨタは同15.9%減(9万7091台)、ホンダは同28.3%減(1万4871台)、スズキは同41.0%減(5942台)、マツダは同18.8%減(5531台)、レクサスは同30.3%減(3071台)、三菱自は同12.9%減(2089台)と低迷した。

軽自動車の4月のブランド別新車販売台数では、全社が前年実績を割り込む。

そのなかで、前年同月比7.0%の一ケタ減に抑えて4万2474台を販売したダイハツが、2か月ぶりのシェアトップに返り咲く。

前月首位のスズキは、同17.1%減(3万6141台)と苦戦して第2位に陥落した。

また、ホンダは同16.7%減(2万2554台)を記録。そして、日産は同16.1%減(1万481台)、三菱自は同6.9%減(2424台)にとどまる。

一方、OEM供給を受けるブランドは、トヨタが同27.6%減(2958台)、マツダが同6.5%減(2232台)、スバルが同1.2%減(1590台)と低調に推移した。

今後の展望は? 関係者の声

4月の新車販売に関して業界団体の関係者は、「4月は長期化する半導体の供給不足に加えて、中国の新型コロナウイルスの感染拡大によって上海などが事実上のロックダウンとなり、パーツの調達に支障が出て、各ブランドが生産調整を余儀なくされた」

「その結果、新型車や人気車の需要に対応できず、最終的に新車販売の前年割れの継続につながった。また、日野自動車のエンジン不正による一部車種の型式認証の取り消しもあって、貨物車の販売台数も減少した」と指摘する。

今後については、「新型車を中心に受注は依然として底堅く、販売店への来客やオンラインによる商談も順調に推移している。5月以降も受注を伸ばしそうなニューモデルが相次いで発売される予定なので、前年実績超えを果たす可能性は十分にある。アセアンの各地域や中国の長春などで部品生産を再開したことも朗報」

「半導体などパーツの供給不足による各ブランドの生産調整は今後もしばらく続く見込みだが、サプライチェーンの混乱は徐々にだが改善しつつある」

「一方で懸念材料としては、ウクライナ情勢に伴う原材料価格の急高騰、原油価格の高止まり、そして円安の進行などが挙げられる。人気車の受注残を本格的に解消できるだけの生産体制の実現は、もう少し先になりそう」と予測した。

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