■ACCで180km/hまで設定できるって本当?
いまでは多くのクルマに搭載されているACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)は、定速走行・車間距離制御装置の略で、レーダーなどで前方を監視し、設定したスピードをキープしたり、先行車がいた場合には一定の距離を保つ装置です。
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自動車メーカーによって名称は異なりますが、近年、多くのクルマに採用されるようになりました。
ACCは運転時のストレスを減らすだけでなく、追突事故の防止にもなる便利な機能ですが、設定速度を180km/hまでセットできるクルマもあります。
高速道路の制限速度を大きく超えて設定できるのはなぜなのでしょうか。
ACCの速度を180km/hまで設定できる車種としてマツダ「CX-8」があります。マツダでは「MRCC(マツダレーダークルーズコントロール)」と呼んでいますが、販売店は次のようにいいます。
「CX-8以外のモデルでも年次改良の機会に作動領域について『0km/hから高速領域」までとしているので、速度リミッターが効く180km/hまで出せるクルマであればMRCCを設定することが可能です。
従来、MRCCの作動範囲は115km/hまでとしていましたが、新東名のように制限速度が120km/hまで引き上げられた高速道路が出てきたことからそれに対応したものと思います」
そのほかのメーカーではどうなのでしょうか。
トヨタの販売店に聞いてみたところ、「トヨタでは2017年7月にデビューした『カムリ』からACC(トヨタでは「レーダークルーズコントロール」)の作動領域を180km/hにしています。
新東名などでの最高速度アップに合わせたものと聞いていますが、輸入車については従来から速度規制はなかったので、むしろ国際標準になったといえるのではないでしょうか」
※ ※ ※
もちろん、ACCが180km/hまで対応しているということと、実際に180km/hまで出していいかということはまったく別の問題です。
その理屈でいえば、そもそも自動車メーカーが180km/hも出せるようなクルマを作って販売していること自体が問題だということになってしまいます。
■かつては115km/h前後まで設定可能だった理由は?
国産車では180km/hまで対応するようになったACCの速度設定ですが、従来はACC以前からあるクルーズコントロールも含めてほとんどの速度設定が115km/h前後とされていました。
この速度規制については法律で決まっているものではなく、あくまで国内自動車メーカー間の自主規制によるものです。
すでにかつての高速道路の制限速度である100km/hを超えて設定できるようになっていたのは、スピードメーターの誤差を考慮していたからです。
スピードメーターは、実際の速度よりも速い数値を表示するように設定されていたり、タイヤの摩耗や空気圧の低下によってタイヤ1周の距離が変化することから、誤差が生じるのは避けられません。
2007年1月1日以降製造されたクルマについては、車検検査においてもスピードメーターが40km/hを表示しているときに、実速度が30.9km/hから42.55km/hの範囲内に収まっていればよいとされています。
それ以前に製造されたクルマについては、スピードメーターが40km/hのときに実速度が30.9km/hから44.4km/hの範囲内に収まっていればよいとされているなど、かなりの誤差が認められているのです。
つまりスピードメーターでは115km/hを示していても、実際の速度は100km/h前後ということもあるため、その誤差を勘案してACCの設定速度を115km/h前後に自主規制していました。
もちろん、これは国内に限っての話なので、速度無制限のアウトバーンがあるドイツ車のように輸入車については従来からACCに速度規制は設定されていません。
2016年3月に警察庁が高速道路の制限速度を120km/hまでに引き上げることを認める方針を打ち出しています。
2020年12月22日には、新東名の静岡区間(御殿場JCTから浜松いなさJCT)の全面6車線化と同時に最高速度が120km/hまで引き上げられるなど、本格的な高速道路120km/h時代を迎えています。
この動きに合わせるように国産メーカー各社もACCの速度設定の自主規制をやめていったということなのでしょう。
※ ※ ※
ACCはドライバーのストレスを減らし、渋滞や事故を減らすのにとても効果があるとされていますが、過信は禁物です。
ACCの自主規制はなくなりましたが、クルマの運転に対して最終的に責任を負うのはドライバー自身です。交通の流れをしっかり読み、安全運転を心がけましょう。
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みんなのコメント
無い速度なので一生使うことが無い設定速度。