デザインの力を実感! シトロエンらしいエスプリが素晴らしい
歴代シトロエンC3は、欧州市場の最激戦区で戦う使命を託されたゆえか、個性派揃いのシトロエンの中ではオーソドックスなルックスでまとめられていた。ところが現行3rdモデルは、ガラリと雰囲気を変えた。人気のC4カクタスに似たデザインモチーフを用い、個性派に転じたのだ。
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シルエットは従来のC3と同様の実用的な2BOXハッチバックだが、ボンネットは高く、ホイールアーチに太いモールを採り入れ、「エアバンプ」と呼ばれるサイドプロテクターを採用。全体としてSUV風のルックスに仕立てた。日産ジュークやロールスロイス・ファントムが採用する「だまし目」マスク(ヘッドライトを上段ではなく中段に配置)がよく似合っている。
インテリアは実用車らしいシンプルさをモダンにアレンジ。マテリアルそのものは樹脂を主体にしており、決して上質とはいえない。しかしそれを「デザインの力」でカバーした。ディテールまでデザイナーの目が行き届いている。フランス車の美点である。
もちろん実用性はハイレベル。フランス人は合理主義だから、機能をおろそかにするデザインは認めない。心地よいシートや使いやすいスイッチ類はその典型だ。そのほかでもユーザーが触れる機会の多い部分、ドアノブやシフトノブ、エアコン吹き出し口はデザインと使い勝手の両立にこだわっている。
絶妙な乗り心地。加速は軽快。大人が似合う実力派
パッケージングは前席優先。後席空間も狭くはないし、大人4名でのロングツーリングは苦にならない。だが、フロントシートのほうが特等席と感じる。C3はトールワゴンでもミニバンでもなく純然たるスモールカーである。むやみに後席を広くして機動力を失いたくなかったのだろう。ボディサイズは全長×全幅×全高3995×1750×1495mm。見た目の印象より小さくまとめた。
パワーユニットは「ピュアテック」と呼ぶ 1.2リッター直3ターボ(110ps/205Nm)と6速ATの組み合わせ。驚いたのは力強い加速性能だ。車重は1160kgだが、それを感じさせない軽快な味わいがある。ATの変速はダイレクト。少し高めの着座位置やダッシュボード回りのポップなデザインが、楽しい雰囲気をかもし出す。
乗り心地は素晴らしい。ハンドリングをはじめ、かなりダイレクトな動きをみせるにもかかわらず、動作の終盤にはスーッと力が緩む感覚がある。余韻としては鋭さよりも滑らかさのほうがより強く残る。「さすがシトロエン」と自然に顔がほころんだ。
C3は、雰囲気と走りの両方で「ブランドの独自性」を発揮する。ポップな存在だが、大人が似合う実力派だ。
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みんなのコメント
200万円台ね。
WRC観てる人にもオススメ。