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最後尾から2位。ポルシェの表彰台獲得は「嬉しいサプライズ」とエストーレ/ル・マン24時間

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最後尾から2位。ポルシェの表彰台獲得は「嬉しいサプライズ」とエストーレ/ル・マン24時間

 ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ(PPM)のドライバーであるケビン・エストーレは、自身がドライブした6号車ポルシェ963が6月14~15日に行われた『第93回ル・マン24時間レース』で総合2位に入ったことを「うれしいサプライズ」と評した。彼はレースの大部分でフェラーリの表彰台独占を阻止できるかどうか、チームの能力に懐疑的だったと認めた。

 エストーレ、ローレンス・ファントール、マット・キャンベルの3人は、WEC世界耐久選手権の2025年シーズン第4戦として行われた24時間レースで、優勝したロバート・クビサ/イェ・イーフェイ/フィル・ハンソン組83号車フェラーリ499P(AFコルセ)に次ぐ総合2位でフィニッシュし、昨年と一昨年のウイナーである51号車と50号車の499Pペア(フェラーリAFコルセ)を上回った。

トップ4台が30秒以内の歴史的大接戦! クビサ組フェラーリ499Pが第93回ル・マン24時間を制す


■戦略ミスを指摘

 ジュリアン・アンドラウアーがステアリングを握るPPMの5号車ポルシェ963がフロントロウを独占した2台のキャデラックVシリーズ.Rをかわし、レースの最序盤でトップに立ったものの、レースが進むにつれてポルシェワークスの3台(4号車、5号車、6号車)の中でフェラーリに挑めるのは、エストーレたちの6号車だけであることが明らかになった。

 特筆すべきは、ファントールがレース中盤に総合トップに立った後、今大会で唯一のセーフティカー(SC)がレースをリセットしたことだ。

 3台の499Pはレースの終盤6時間までワン・ツー・スリー体制を築いて走行していたが、ポルシェ6号車はこれを切り崩して表彰台を獲得した。エストーレは、この成績はチームにとって「誇らしい」ことだと語った。

「レースの間はずっと、フェラーリのワン・ツー・スリー・フィニッシュになるものと思っていた。だから2位という結果はうれしい驚きだ」とエストーレ。

「彼らの間に立てたことを誇りに思う。なぜなら、彼らは速かったからだ。3台とも僕たちのクルマよりスピードがあった。それでも、僕たちは最終的にそれを成し遂げた」

 レース終盤、表彰台争いの勝敗を分けたのは何だったのかと問われると、彼は次のように答えた。「そうだね……彼らには問題があったと思う」

「フェラーリはおそらく、戦略を間違えたのだと思う。僕らはダブルスティントを選択して猛烈にプッシュした」

「一方、彼らはトリプルスティントの戦略をとった。おそらくトラックポジションを狙ったのだろう。けれど、最終的にはタイヤのデグラデーション(劣化)が予想以上に大きかったのだと思う」


■1周で7ポジションアップ!

 PPMのマネージングディレクターであるジョナサン・ディウグイドは、今季2025年のレースを「かなり慌ただしかった」と表現しつつも、ポルシェ963の信頼性を称賛した。

「レースには、勝てると思ったステージもあれば、最下位になると思ったステージ、そして表彰台に上がれると思ったステージもあった」とディウグイドは語った。

「それらは気温に左右された。一日を通して状況は変化していたんだ」

「しかし重要なのは、我々のマシンが一日中完璧に走っていたということだ」

「技術的トラブルで後退したり、ピットレーンやガレージで時間を過ごす必要が生じたケースは一度もなかった。ドライバーたちはほとんどの場面で良い仕事をしてくれた」

「とくに6号車のクルーは、ミスもペナルティもコースアウトも一切なかった。それが最後まで上位争いを繰り広げられる位置につけていた理由だ」

 エストーレ/ファントール/キャンベル組の6号車は、水曜日の予選1回目で最低重量違反により失格となったため、ハイパーカーグリッドの最後尾から決勝レースをスタートした。

 しかし21番グリッドからスタートしたエストーレは、レースの初期段階から驚異的な追い上げを見せ、とくにオープニングラップでは7つのポジションアップに成功。開始1時間で総合5番手まで6号車の順位を押し上げた。

「楽しかったよ!」とエストーレはレースのスタートを振り返った。

「実際、本当に楽しかった。マシンのフィーリングは良く、もしかしたらマシンの上に小さな“天使”が乗っていたのかもしれないね。それが毎回、良い勢いを与えてくれたのだと思う」

「トラフィックの中で、つねに正しい判断ができた。右サイドに行くべきときには右サイドに行った。レースではときどき、こんなふうに小さな魔法が起こる。表彰台に立ててうれしいよ」

[オートスポーツweb 2025年06月16日]

文:AUTOSPORT web
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みんなのコメント

3件
  • ニュートン
    日本でお馴染みのロッテラー選手はいなくなってしまいましたが、ポルシェ6号車は一番応援しているチームです。伝統あるポルシェワークスドライバーの現在のエース格であるケビン・エストレ選手は、速さと確実さにおいて各ワークスのエースの中でもスペシャルな存在だと思います。トヨタの小林可夢偉選手も同様に特別な速さを持ったドライバーだと思うのですが、近年ややミスが目立つのはチーム代表の重責もあるのでしょうか。いずれにしてもチーム戦略、それを確実にミスなく実行に移す3人のドライバーにポルシェワークスの伝統(と責任)を感じました。
  • そにー製パスタ
    2位は本当にお見事。
    あの走りに耐えた963のマシンポテンシャルとマルチマチックのシャシーも素晴らしいです。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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