現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 各自動車メーカーを襲うトランプ関税の影響は数千億円規模! 決算発表会見からダメージを探る!!

ここから本文です

各自動車メーカーを襲うトランプ関税の影響は数千億円規模! 決算発表会見からダメージを探る!!

掲載 11
各自動車メーカーを襲うトランプ関税の影響は数千億円規模! 決算発表会見からダメージを探る!!

 この記事をまとめると

■自動車メーカー各社が通気決算会見でトランプ関税の影響について発言した

けっきょくアメリカ国民が高いクルマを買うハメに! アメリカの国力アップを狙ったトランプ関税のわかりやすい行く末

■トヨタの営業利益減は9955億円でホンダは6500億円減

■スバルやマツダも現地生産を拡大する見込み

 トランプ関税の影響が大きい自動車メーカー

 連日メディアを賑わしている、トランプ関税のニュース。日米間通商交渉なので、その内情を詳しく知ることは、たとえ大手自動車メーカーであっても難しい。その上で、自動車メーカー各社がトランプ関税の影響について正式な場で発言したのが、5月に行われた各社の通期決算会見だ。

 まず、最大手のトヨタだが、今期(2025年4月~2026年3月)の営業収益(売上高)は4633億円増えて48兆5000億円を見込む。営業利益は9955億円減って3兆8000億円とした。

 その影響のひとつが、トランプ関税。ただし、「政府間の交渉を続行中」として、今後なんらかの変化が起こることを盛り込んだ。

 結果的に、4月と5月の2カ月分の影響を1800億円として、通期の影響の発表を差し控えた。もし、この月あたり900億円の影響が通期で続けば、しめて1兆円レベルに達する。

 トヨタはこれまで、北米向けの生産体制をアメリカやカナダで拡充してきたが、それでも絶対的な販売台数が多いことから、トランプ関税の影響はこうした大きな額となるのは致しかたない。

 また、トランプ関税の影響とひとことでいっても、内容はさまざまある。

 その点についてホンダが決算報告で示した数字が興味深い。通期では関税の影響を6500億円として、その内訳も公開したのだ。四輪完成車として3000億円、四輪車の部品関連や原材料で2200億円、そのほかにも多様な要素での影響が考えられるとした。

 一方で、トヨタやホンダに比べて事業規模が小さいスバルは、グローバル販売の約7割を北米市場に頼っており、トランプ関税の影響は極めて大きい。通期見通しについて、グローバルでの生産台数と連結販売台数を90万台とするも、トランプ関税の影響は現状では定量化できないとして、営業利益について未定とした。

 アメリカ現地工場では、年間34万~35万台を生産しているが、今後はフォレスターなど日本から輸出を減らして現地生産に切り替える。

 仮にトランプ関税への対応策を講じない場合、その影響は年間で3700億円程度に達するとしている。

 そのほか、北米向けの主力モデルを日本から輸出しているマツダも、今後はトヨタとの現地合弁工場などを通じて現地生産数を拡大することが検討されるだろう。

 いずれにしても、トランプ関税は、完成車・自動車部品・原材料などさまざまな分野を巻き込んでおり、日米貿易交渉を進捗を見ながら、自動車メーカー各社は臨機応変な対応を迫られることになる。

文:WEB CARTOP 桃田健史
【キャンペーン】第2・4金土日は7円/L引き!ガソリン・軽油をお得に給油!(要マイカー登録&特定情報の入力)

こんな記事も読まれています

ホンダはなぜ「大型EV」を捨てたのか? 北米「11万台の壁」と25%関税――三重苦からの再編戦略とは
ホンダはなぜ「大型EV」を捨てたのか? 北米「11万台の壁」と25%関税――三重苦からの再編戦略とは
Merkmal
いまや世界の巨人同士!! かつてトヨタは「小さなテスラ」と提携していたが何を生んだのか?
いまや世界の巨人同士!! かつてトヨタは「小さなテスラ」と提携していたが何を生んだのか?
WEB CARTOP
日産・ホンダは再び手を組むのか? 米国での「ピックアップOEM供給」が示す「脱・自前主義」という経済合理性
日産・ホンダは再び手を組むのか? 米国での「ピックアップOEM供給」が示す「脱・自前主義」という経済合理性
Merkmal
日産とホンダ、日産の米国生産車をホンダへ供給で協議 ピックアップトラックを検討
日産とホンダ、日産の米国生産車をホンダへ供給で協議 ピックアップトラックを検討
日刊自動車新聞
関税25%が迫る! 日本車メーカーが迫られる岐路──「米国集中」か「多極化」か? 直面する構造的ジレンマを考える
関税25%が迫る! 日本車メーカーが迫られる岐路──「米国集中」か「多極化」か? 直面する構造的ジレンマを考える
Merkmal
日本車巻き返しのチャンス!? 中国車の輸出が急減速か?
日本車巻き返しのチャンス!? 中国車の輸出が急減速か?
ベストカーWeb
日産、ホンダ車を米工場で生産、基盤ソフトの共通化も[新聞ウォッチ]
日産、ホンダ車を米工場で生産、基盤ソフトの共通化も[新聞ウォッチ]
レスポンス
軽は王者N-BOXに新型ムーヴが肉薄! 登録車はヤリスにカロクロにとトヨタ1強状態【6月の新車販売ランキング分析】
軽は王者N-BOXに新型ムーヴが肉薄! 登録車はヤリスにカロクロにとトヨタ1強状態【6月の新車販売ランキング分析】
WEB CARTOP
日本が遅れているから海外を頼った……の見方は間違い! トヨタとウェイモが自動運転分野で手を組んだワケ
日本が遅れているから海外を頼った……の見方は間違い! トヨタとウェイモが自動運転分野で手を組んだワケ
WEB CARTOP
BYDとヒョンデに続く日本進出メーカーはベトナムのビンファストか? 軽規格化できる小型EV「VF3」という気になる存在
BYDとヒョンデに続く日本進出メーカーはベトナムのビンファストか? 軽規格化できる小型EV「VF3」という気になる存在
WEB CARTOP
ベトナムの売れ筋車ワンツーはビンファストとヒョンデ! それでも憧れのクルマはトヨタ・三菱・マツダ!!
ベトナムの売れ筋車ワンツーはビンファストとヒョンデ! それでも憧れのクルマはトヨタ・三菱・マツダ!!
WEB CARTOP
ここにきて電動車&SUVのキャラが浸透して盛り上がりを見せる「三菱」! この勢いに乗って「EVで復活してほしい車種」を考えてみた
ここにきて電動車&SUVのキャラが浸透して盛り上がりを見せる「三菱」! この勢いに乗って「EVで復活してほしい車種」を考えてみた
WEB CARTOP
トラックは「エンジンブロー」さえも普通のトラブル! 直すか載せ替えるかで使うのが当たり前の世界だった
トラックは「エンジンブロー」さえも普通のトラブル! 直すか載せ替えるかで使うのが当たり前の世界だった
WEB CARTOP
世界中で強いトヨタだがアジアでは三菱の勢いがヤバい! エクスパンダー&エクスフォースのヒットでベトナムでも大人気
世界中で強いトヨタだがアジアでは三菱の勢いがヤバい! エクスパンダー&エクスフォースのヒットでベトナムでも大人気
WEB CARTOP
「もう洗いたくないよ……」 いま新車ディーラーメカニックの「洗車」を理由にした離職が増えている!
「もう洗いたくないよ……」 いま新車ディーラーメカニックの「洗車」を理由にした離職が増えている!
WEB CARTOP
ルノー、新型SUV『ボレアル』発表…世界70か国以上に投入へ
ルノー、新型SUV『ボレアル』発表…世界70か国以上に投入へ
レスポンス
「中古車が高くて買えない」 輸出1.5兆円市場の功罪──需給の再設計は可能か?
「中古車が高くて買えない」 輸出1.5兆円市場の功罪──需給の再設計は可能か?
Merkmal
日産が新型「エルグランド」&「パトロール」発売へ!? 「軽・小型車・ミニバン」しか売れてない“現状”から脱却か?「魅力的な新型車」投入で業績回復に期待大!
日産が新型「エルグランド」&「パトロール」発売へ!? 「軽・小型車・ミニバン」しか売れてない“現状”から脱却か?「魅力的な新型車」投入で業績回復に期待大!
くるまのニュース

みんなのコメント

11件
  • 信虎
    20%くらいなら値上げしてもうれるよ!値上げしたらいい。現時点で、アメリカで売られてるトヨタ車は同車格のヨーロッパ車より20%以上安いから。
    他のメーカーは調べてない。
  • あるたぼ
    日産は?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村