ベストカー本誌の過去記事から名企画・歴史的記事をご紹介する「ベストカーアーカイブ」。今回は空を飛ぶこと「も」できたり、海中に「も」潜れるクルマたちをプレイバック!(本稿は「ベストカー」2014年4月10日号に掲載した記事の再録版となります)
文:編集部、フォッケウルフ
究極の贅沢! 水中「も」潜れる!? 線路「も」走れる!!? 作り上げた情熱に最敬礼したい「も」できるクルマたち【ベストカーアーカイブス2014】
【画像ギャラリー】水に浮く!? 水中に潜る!!? お前ただの戦車やん!!! 作り上げた情熱に最敬礼したい「も」できるクルマたち(21枚)
■水に浮くこと「も」できるクルマ
ガラスエリアが広く、サイドの太陽と鶴が日本らしさを表現
スライドドアでおシャレ感も漂う
すべて手を使う操作系は近未来的
水に浮くクルマなんて確かに凄い! が、まず言っておきたいのは、浮くのはあくまでエマージェンシー機能ということ。
元スズキの開発者、鶴巻日出夫氏が立ち上げた企業、(株)FOMMが先月お披露目したのが写真のFOMMコンセプトOne(試作車)。インホイールモーターのEVで、全長2495mm、全幅1295mmと世界最小クラスの4人乗りだ。宇宙船をイメージしたカプセル型デザインが斬新。
カセット式バッテリーを使用するタイプで、市街地走行モードなら航続距離は約100kmとシティコミュータとしてなら充分。
さて、ここまで書いて「2015年9月からタイで量産&発売開始」と言ったらガックリ! という方も多いだろう。が、水害が多いタイでまず発売することに意味があり、冒頭の水害時に浮くということにつながる。
「タイでは日本で家を購入する感覚で大半の人がローンでクルマを買います。覚悟のうえで買ったクルマが水害で廃車にならないためにも浮くようにしました」とはFOMMの方。
ボディ全体が耐水害機能を兼ね備えており、万が一水に流された場合、ジェット水流発生装置により水面を移動することもできるそうだ。これはあくまでエマージェンシー機能で水陸両用車ではないので、すすんで水に浸からないでくださいね、タイのオーナーさん(ちなみに日本発売は未定)。
●DATA:全長2495×全幅1295×全高1550mm/重量:460kg/FFインホイールモーター最高出力:5kW×2/航続距離:約100km/4人乗り/希望販売価格:約100万円
■気分はJ・ボンド。潜水潜行「も」できるクルマ
潜ること「も」しちゃってます。映画のワンシーンではありませんよ
「男のロマンのためならカネなんて惜しくない!」といったかどうかは不明だが、スイス「リンスピード社」のフランク・リンデルクネヒト社長は映画『007』に登場した「潜水艦にもなるロータス・エスプリ」に衝撃を受け、自分もそれを作ることを決意。
結果として約1億6000万円を投じて潜水可能な水陸両用車「スキューバ(sQuba)」を完成させた。
ベースは007と同じロータスで(こっちはエリーゼ)、地上では電気モーターにより最高速度120km/hを達成。そして潜水時、乗員はスキューバダイビング用のマスクなどを装着し、備え付けのタンクから酸素を吸入しつつ海中に突撃する(ちょっと面倒臭いか)。
車両後部にある2基のプロペラと、フロント左右側面にあるジェットドライブで推進し、水上を6km/h、水中は3km/hで進める。最大深度は10mらしい。
ボンドカーと異なり密閉型でないが、海中でヤバくなった時はオープンタイプのほうが脱出しやすいから、こっちがいいよね!(文/フォッケウルフ)
●DATA:乾燥重量920kg/動力源/54kWの電気モーター/水上は時速6km/水中は時速3km/最大深度約10m
■これぞ人類の悲願。空「も」飛べるクルマ
離陸前
コンセプトは「通勤飛行機」。贅沢すぎる
「空も飛べるクルマ」の歴史は意外と古く、1947年にはアメリカの「コンベア118型」がテスト飛行に成功し、1952年には「エアロカー」が特許を出願し、後に市販もされている。
で、最近も空飛ぶクルマ業界は静かに盛り上がっていて、極めつきは“通勤飛行機”というコンセプトの「トランジション」だ。
アメリカの名門マサチューセッツ工科大学(MIT)を卒業したパイロットたちが設立したテラフージア社が開発製造しているもので、飛行場で離陸した後は約180km/hで700km以上の連続飛行が可能。
着陸後は最速105km/hのクルマとしてフツーに走行可。地上走行時に邪魔になる翼はわずか30秒で格納可能だ。ちなみに地上での燃費は12.4km/Lらしい(意外といいかも)。
そして、垂直離着陸が可能なPHEV仕様も現在開発中。MIT、すげぇ!(文/フォッケウルフ)
●DATA:最高速度:105km/h/最高飛行速度:約180km/h/最大航続可能距離:約790km/価格:約2850万円
■車内に台所「も」付いているクルマ
これがトヨタアーバンサポーターで、スズキキャリイもある
シンクなどもしっかり備わる
走るだけでなく車内で料理「も」できるクルマがキッチンカーと呼ばれる車両。イベント会場などで見かけるが、食いしん坊にはたまらない存在。
料理好きなら一度はこの車内で腕を振るってみたいものだが、キッチンカーのレンタルもあるというからその気になればすぐにでも実現可能だ。
例えば「ロイヤルケータリング」(東京都国分寺市)では写真のトヨタアーバンサポーターを1日3万円からレンタル。オプションとして五徳1500円、業務用炊飯器2000円などもある。
車内にはテーブル型冷蔵庫や2槽シンクなどが充実し、まさに台所「も」付いているクルマといえる。これ一台を借りて広場でみんなでワイワイやると楽しそうじゃないですか、ね!
●DATA:2槽シンク、冷蔵庫など/レンタル元:ロイヤルケータリング
■寝ること「も」できる、お洒落な軽キャンパー
エブリイには見えない軽キャンパー
お次は泊まること「も」できるクルマ。ご紹介するのは今や大人気の軽自動車ベースのキャンパー。小さい軽でもしっかり眠れて泊まれるのです。
ワーゲンバス仕様のカスタムモデルで知られる「キャルステージ」(大阪府堺市)おすすめの軽キャンパーが写真のモデル。
1947年から発売していたシトロエン「Hバン」をモチーフにしたクルマでポップアップルーフ付き。ベース車両は現行エブリイで、車両代別のカスタム費用は190万円前後。「キャンピング仕様の場合は、その都度お客様の要望に合わせた内容で製作しますよ」とキャルステージの方。
「あぁ~、寝てみたい」と思った方はウェブを見るべし。
●DATA:ベース車両:現行エブリイ/予算や用途に合わせて製作/販売元:キャルステージ
■車両好きは涙するにちがいない。線路「も」走れるクルマ
フロント部にある金属車輪でレール上を走る
クルマ好きと鉄道好きが泣いて喜びそうなクルマである。線路も走れるクルマといえばベンツウニモグの軌陸車がおなじみだが、あちらは専用の車輪を付けた場合は線路上しか走ることができない。
が、JR北海道が試験的営業運行をしていた「DMV(デュアル・モード・ヴィークル)」は、道路とレールを双方向に走ることができるという、まるでルパン三世のチンクエチェントのような(?)夢の乗りものだ。
道路走行モードからレール走行モードへの切り替え時間はわずか10~15秒という早ワザだ。動力源はディーゼルエンジンで、ゴムタイヤと金属車輪の両方を備え、道路走行時は金属車輪を持ち上げてゴムタイヤのみを使う。
運行期間中は累計2000人以上の乗客を乗せたが、2008年11月で試験的営業運行はひとまず終了。残念!(文/フォッケウルフ)
●DATA:全長7.35×全幅2×全高2.6m/総重量:約6.2t/最高速度:70km/h/定員:16名/価格:約2000万円
■戦ってよし。戦車に「も」なるクルマ
この8輪で高速道路をガンガン走れるのが特徴。ちなみに副武装は12.7mm銃機関銃M2
「戦車」の定義は曖昧な部分もあるが、基本的には無限軌道(いわゆるキャタピラ)は必須。ということで、陸上自衛隊が2016年から配備する予定の「機動戦闘車」は戦車ではない。キャタピラじゃなくてタイヤですから。
しかしこれはもう「実質戦車」と呼んでもなんら間違いない強烈な兵器だ。主砲は、現在でも使われている74式戦車と同じ105mmライフル砲。これは、10式戦車に置き換えられつつある74式戦車の弾薬を流用するためらしい。
「クルマ」という部分でも目を引く。最高出力570psの直4ディーゼルターボにより、最高速度は100km/h。その気になれば東名高速とかを巡航できるスピードを有しており、重量的にも高速道路も走れる設計。ほぼ戦車なのに走りに長けている!(文/フォッケウルフ)
●DATA:全長8.45×全幅2.98×全高2.87m/重量:約26t/エンジン:直4水冷ディーゼルターボ/最高出力:570ps/2100rpm/乗員数:4名/主武装:52口径105mmライフル砲
■「走る社長室」!? 執務室に「も」なるゴージャスなクルマ
4人乗りミニバンなのが贅沢(写真は基準車)
くつろぎの執務室なのだ
平社員もそれなりに忙しいが、世の社長や重役の方も何かと忙しい(たぶんね)。移動しながら執務ができる空間がほしい、そんなお偉方に朗報!
(2014年)1月にビッグマイナーチェンジした日産エルグランド、オーテックバージョンのエグゼクティブ向けの特別仕様車「VIP」はまさに走る執務室だ。
なにせ8人乗ってもゆったりなのに4人乗りという部分が贅沢。写真を見てもおわかりのとおり、2列目エリアは広大このうえなし。特製のテーブルはパソコンが扱いやすい設計になっており、社長サンもこれで満足。会社経営もグッドグッド!!
●DATA:「エルグランドVIP2列仕様」ベース車グレード:350ハイウェイスタープレミアム/価格756万円(2WD)
■こちらはいつでも水上「も」走る。水陸両用バス「Sky Duck」(スカイダック)
操縦室から外を見た風景は船みたい。
上のFOMMが非常時に「水に浮く」のなら、こちらは「いつでも水に浮いて水面を走る」水陸両用バスだ。各地の観光地などで水陸両用バスは走っているが、紹介するこれは東京スカイツリー近くも(陸上を)走る「Sky Duck」。
車両はアメリカのCAMI社製で、全長約12m、乗車定員34名というサイズ。ハイライトは水しぶきをあげる入水時で、遊園地のアトラクション以上の迫力という声も上がるほど! 一度お試しあれ。
【番外コラム】風呂に「も」浸かれるクルマたち。ほっこり2連発!
●なが~いミニ、リア部分を開けるとそこはジャグジー
全長約6mまでストレッチしたミニXXL。リア部分のルーフを取り外すと、そこには下写真のようにジャグジー
停車時のみの使用になりますが……
そういえばあったなぁ、という風呂に「も」浸かれるクルマが写真のミニXXL。小さいミニをストレッチさせた、いわばミニのリムジン。これはPR用に作られたモデルで、6輪車にも目がいくがもっと注目はリア部分。そこのルーフトップを取り外すと……、あ~らジャグジーがあるじゃありませんか! 実にユニークでビッグな発想。もうミニとは言わせません。なんてね。
●これぞ「走る家」。名物はやはりジャグジーだったりする
ボディのサイド面を開けるとガレージになっており、中にクルマがあるのがわかる
ジャグジー。うほー
超デカいキャンピングカーなのだが、規模がハンパじゃない。なにせ車内にはクルマを収納できるガレージや、ソファ&テーブルがセットされたリビングルームまである。ドイツ製の「FUTURIA SPORTS+SPA」というクルマで、車内にはジャグジーもある。約6700万円というお値段らしいが、家を買ったと思えば安いか(冷静に考えると安くないよな~)。
(写真、内容はすべて『ベストカー』本誌掲載時のものですが、必要に応じて注釈等を加えている場合があります)
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