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とてつもないSUVあらわる──新型アウディRS Q8試乗記

掲載 更新 7
とてつもないSUVあらわる──新型アウディRS Q8試乗記

アウディのSUV「Q8」のハイパフォーマンス・ヴァージョン「RS Q8」に小川フミオが試乗した。印象はいかに?

どんな速度域でもすばらしい

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アウディ「RS Q8」はひとことで言って、とてつもないSUVだ。全長5m超、全高1.7mのビッグサイズでありながら、スーパースポーツカーのように走る。23インチと驚異的な大径タイヤを履きこなした足まわりにも、感心させられた。特別なクルマに乗りたい、というひとにはコレ、である。

RS Q8は、アウディにすこしでも詳しいかたならご察しのとおり、大型SUV、アウディQ8をベースに、アウディのハイパフォーマンスモデルを手がけるAudi Sport GmbHが開発したスポーツモデル。標準モデルの「Q8 55TFSI quattro」の340psの3.0リッターV型6気筒ガソリンターボに対して、600psの4.0リッターV型8気筒ガソリンターボを載せる。

アウディスポーツは、シャシーやボディに徹底的に手を入れ剛性を向上させるとともに、専用の「RSアダプティブエアサスペンション」やセルフロッキングディファレンシャルを組み込んだフルタイム4WDシステムを搭載し、外装も内装も、標準モデルとは大きく一線を画した仕上がりにしている。

標準モデルのQ8は、スポーティな雰囲気を持った大型サイズ(全長4995mm)のSUV。こちらもなかなか魅力的なスタイリングであるものの、はっきりいって、初めて乗ったときは、足まわりがいまひとつビシッとしていなくて、とばしても、あまり気持ちのいいクルマではなかった。

そのことをおぼえていただけに、昨年11月28日に発売されたRS Q8に乗ったところ、驚いた。クルマづくりの考えかたが大きく転換してしまったような、どんな速度域でもすばらしい楽しさを感じさせるモデルだったからだ。

ポルシェ911を思い出す

アウディの昨今のSUVの出来はとてもよくて、「Q3」も「Q5」も「Q7」も、どれにも好感をもっているものの、「Q8」だけは、正直どうなんだろう? と、思っていた。しかしいま私は、もっとも好ましいアウディとして、RS Q8をリストの最上位に置きたいぐらいだ。

最大の美点は、441kW(600ps)の最高出力と800Nmの最大トルクを持つ3996ccV型8気筒ガソリンターボ・エンジン。発進時などにトルクをおぎなってスムーズに走らせるために電気モーターが補助するマイルドハイブリッドシステムが組み合わされている。このパワートレインの魅力を、ぞんぶんに味わいつくせるように、シャシーもサスペンションもステアリングも、すべてがみごとに調整されている。

もちろん、一般道で、すべてを味わうなんて無理。でも追い越しや、ちょっとしたコーナリングでも、乗るひとを楽しませる(というか昂ぶらせる)ために開発されたともいうべきRS Q8の内容に触れられる。たとえ50km/hだろうと、興奮してしまうのだ。すぐれたスポーツカーとはそういうもので、SUVのくせにRS Q8もやはり、同様の特徴をそなえているのだ。

その核にあるのは、ステアリング・フィールだ。動かしたときのボディの反応がすばやい。すこし切ると、それなりに、ボディが微妙に動いてくれる。もちろん、コーナリングなどでは、ドライバ−の意思に忠実に正確なラインがとれる。

ステアリングホイールを少し動かすと、クルマがそれに応えてくれるように動く感覚は、ポルシェ「911」を思い出したほど。

価格は1869万円

グループ内の他社とのあいだでハンドリングの味つけとか、ソフトウェアのノウハウをどれだけ共有しているかわからない。

とはいえ、一般道を走って、神経質ではないものの、いわゆる“ダイレクト感”の強いステアリング・フィールを体験して、「ドライブがなんて楽しいクルマなんだ!」と、私は911をドライブしたときとおなじような感動的な気分になったのだ。

超がつくぐらい大径の23インチタイヤは迫力である。幅295に対して扁平率は30%。タイヤ径は乗り心地を左右するというのが、自動車の定説であるものの、RS Q8では、意外なほど、この大径の影響を受けていない。

自動車専用道でもいやな突き上げを受けることはなかったし、ステアリング・ホイールが重くなることもない。うまく調整されている。こういうところが、”いいクルマ”の美点だ。

クルマは”素”がいいもの、つまりなるべくシンプルで、かつ軽量で、それで運転を楽しませるうように作ってくれたものが最高! という意見にも賛同するものの、ハイテクを使いこなしたRS Q8の出来ばえは、いまのクルマづくりのひとつの極北で、これはこれで、いたく感心した。

スポーツカーなみの内容を、ボディスタイルはよく表現している。なめらかな面をもつクルマが昨今は多いなかにあって、キャラクターラインを多用し、触れたら手が切れそうなエッジが各所にある。アウトソールのデカすぎないスポーツシューズといったかんじか。ホテルの駐車場でも気恥ずかしくないていどのエレガンスは残っている。

昨今のアウディのRSシリーズはたいへん出来がいい。なかでも、やはりというか「Q」シリーズというSUVのラインナップがとくに人気が高いという。RS Q8は、興味を抱く富裕層に充分応えられる内容といえる。ちなみにQ7でRSモデルを作っていないのは、3列シートの機能性が大事なセリングポイントなので、パーソナル感が強いRSモデル化がしにくい、というマーケティング的な判断だそう。

となると、大型のスポーツSUVに興味をもつひとなら、やっぱりこのクルマ、となるはずだ。価格は1869万円だ。

文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.)

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みんなのコメント

7件
  • ウルスの半額、お買い得です。
  • ウルスと二分して異車種を作ったのは失敗だったね。
    上位メーカーが欲しくても変えないミドルクラス専用メーカーアウディ。

    乗り比べてもわかるがアウディは非常にマイルドで中年でも乗れる味付け。
    汚ッサン専用メーカー。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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