現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > フェラーリF1代表、ハンガリーでのサインツJr.とピットの”無線での議論”は「正しいことだった」

ここから本文です

フェラーリF1代表、ハンガリーでのサインツJr.とピットの”無線での議論”は「正しいことだった」

掲載
フェラーリF1代表、ハンガリーでのサインツJr.とピットの”無線での議論”は「正しいことだった」

 フェラーリのカルロス・サインツJr.は、F1ハンガリーGPの決勝レース中、ピットインを指示する無線に反論し、当時履いていたタイヤで走行を続けることを選択するというシーンがあった。これについて同チームの代表であるマッティア・ビノットは、チームとドライバーの間の意思疎通に問題があるわけではなく、正しいコミュニケーションの形であると語った。

 サインツJr.はハンガリーGPの予選Q3でクラッシュ。15番グリッドから決勝レースをスタートすることになった。しかしスタート直後に起きた混乱をかいくぐり、一気に6番手まで浮上することに成功した。

■不運続きのレッドブルF1……2戦連続でメルセデスに”撃墜”されるも「運勢は変わるはず」

 サインツJr.はこれにより、ウイリアムズのニコラス・ラティフィ、そしてアルファタウリの角田裕毅を追いかける展開となった。しかしなかなか前に出ることができず、他のマシンが前を行くマシンをアンダーカットするため早めにピットインをし始めたのを見て、チームはサインツJr.に対して無線で、ピットインするよう指示を出した。

 ただサインツJr.はこの指示に反対。自分には十分なペースがあるとして、走り続ける必要があると主張したのだ。

 結局前を行く角田が、22周を走り切ったところでピットイン。ラティフィは翌23周でピットに入ったが、先にタイヤを交換した角田が、コース上では抜きあぐねていたラティフィをアンダーカットして前に出ることに成功した。

 しかしサインツJr.は、ミディアムタイヤのままで走行を続けることを選択。かなりの距離を走行済みのタイヤではあったものの、前にマシンがいなくなったサインツJr.は一気にペースを上げ、角田やラティフィよりも速いペースで走った。

 結局サインツJr.がタイヤを交換したのは32周目を終えた時。そしてコースに戻ると、角田は約8秒後方……つまり角田とラティフィの2台をオーバーカットしたのだ。

 その後、コース上ではルイス・ハミルトン(メルセデス)に抜かれはしたものの、4番手でチェッカーを受けた。ただレース後にセバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)がレース結果から除外という裁定を受けたため、サインツJr.は3位に繰り上がっている。

 フェラーリのビノット代表は、サインツJr.がピットからの指示に疑問を呈したことを心配していないかと尋ねられると、戦略についてはチーム内で「不適切な判断」はなかったと語り、チームとドライバーが無線で意見を言い合ったのは良いことだったと語った。

「これは、我々が共に到達した結論だ。無線でオープンにやり取りし、正しい結論に達しているということを確認するのは、我々のアプローチの方法なんだ」

 そうビノット代表は語る。

「我々は常に、良い戦略を持っていたと思う。でもそれは、ストラテジストだけの成果ではない。実際にマシンに乗っているドライバーの貢献と、コース周辺の状況をしっかりと理解することによるものなんだ」

「最終的には、今回の決断はストラテジストによって行なわれた。だから、誤った判断だったとは私は思わない。ドライバーがまだ良いフィーリングがあるということを伝え、シミュレーションや評価を見直し、そしてそれ(ピットストップを先送りにすること)は正しい選択であると結論付けたのだ」

「チーム全体として、このコミュニケーションがうまく機能していることに満足している。そのことは、チームが正しく機能しているということを示しているんだ」

 サインツJr.も、今回のような無線での議論は、フェラーリを学び、そして理解していく上での「自然な一歩」の一部であると感じていると語った。

「今回のことは、僕の学習プロセスと、チームの理解の自然な進歩だと思う」

「当時チームは、僕がふたりをオーバーカットできるほど速いとは思っていなかったと思う。そして僕は、さらに周回を重ねることを、チームに伝えることに熱心だった。僕はとても速く走れると思っていたからね」

「スティントを引き伸ばすことで、僕らは正しい選択をしたと思う。チームは僕の意見に同意してくれたしね。そして僕はとても良いペースで走り、ふたりをオーバーカットすることができた。チームと共に学び続けることができて、とても満足している」

「チームとのレースを積み重ねていく度に、僕らは強くなり、お互いのことをよく理解していくことができるはずだ。そうすれば、より高いレベルでの仕事が楽にできるようになっていく」

こんな記事も読まれています

もしや未来のレジェンドか!?!? 次世代電気自動車「Honda0(ゼロ)シリーズ」が衝撃 しかもほぼそのまま市販モデルになるってマジか
もしや未来のレジェンドか!?!? 次世代電気自動車「Honda0(ゼロ)シリーズ」が衝撃 しかもほぼそのまま市販モデルになるってマジか
ベストカーWeb
ガルウイングにした本当の理由は? AMG初の独自開発「SLS AMG」はメルセデス・ベンツ「300SL」の再来でした
ガルウイングにした本当の理由は? AMG初の独自開発「SLS AMG」はメルセデス・ベンツ「300SL」の再来でした
Auto Messe Web
RB、アイウェアブランド『HUGO Eyewear』とのパートナーシップ締結を発表
RB、アイウェアブランド『HUGO Eyewear』とのパートナーシップ締結を発表
AUTOSPORT web
「見た目」にビビなら買い! 日産ジューク・ハイブリッドへ試乗 内装とデジタル技術をアップデート
「見た目」にビビなら買い! 日産ジューク・ハイブリッドへ試乗 内装とデジタル技術をアップデート
AUTOCAR JAPAN
フォーミュラEが面白い! 日産とシェルの関係や過去のシーズンを知って、今期後半をもっと楽しもう
フォーミュラEが面白い! 日産とシェルの関係や過去のシーズンを知って、今期後半をもっと楽しもう
Auto Messe Web
アストンマーティン代表、ストロールへの裁定は厳しいと語る「しっかりと理解されないまま判定が下された」/F1第5戦
アストンマーティン代表、ストロールへの裁定は厳しいと語る「しっかりと理解されないまま判定が下された」/F1第5戦
AUTOSPORT web
ヨシムラSERTが転倒後に追い上げ優勝、3ART綿貫も3位。TSR、Étoileは無念のリタイア/EWC第1戦ル・マン24時間
ヨシムラSERTが転倒後に追い上げ優勝、3ART綿貫も3位。TSR、Étoileは無念のリタイア/EWC第1戦ル・マン24時間
AUTOSPORT web
ホンダの「V8スポーツカー」!? 500馬力超えの「FRマシン」! “NSX後継機”目された「HSV-010」とは
ホンダの「V8スポーツカー」!? 500馬力超えの「FRマシン」! “NSX後継機”目された「HSV-010」とは
くるまのニュース
アルファ・ロメオ 車名に "ケチ" つけた政治家へ苦言「名前より雇用守る努力をせよ」 中国企業に危機感
アルファ・ロメオ 車名に "ケチ" つけた政治家へ苦言「名前より雇用守る努力をせよ」 中国企業に危機感
AUTOCAR JAPAN
「彼は僕を見てさえいなかった」リカルド、接触時のストロールのオンボード映像を見て激怒/F1第5戦
「彼は僕を見てさえいなかった」リカルド、接触時のストロールのオンボード映像を見て激怒/F1第5戦
AUTOSPORT web
ハースのヒュルケンベルグが10位「最大限の結果を出した。重要な1点」小松代表は「完璧なレース」と喜ぶ/F1中国GP
ハースのヒュルケンベルグが10位「最大限の結果を出した。重要な1点」小松代表は「完璧なレース」と喜ぶ/F1中国GP
AUTOSPORT web
アロンソ「セーフティカーで戦略変更も、良いレースに。1周でいいからトップを走りたかったけどね」/F1中国GP
アロンソ「セーフティカーで戦略変更も、良いレースに。1周でいいからトップを走りたかったけどね」/F1中国GP
AUTOSPORT web
乗って納得の「ロープライス実力派」 ホンダWR-Vは背伸びしない、等身大のパートナー
乗って納得の「ロープライス実力派」 ホンダWR-Vは背伸びしない、等身大のパートナー
AUTOCAR JAPAN
ハミルトン「極端なセットアップ変更が、かつてないレベルのアンダーステアを引き起こした」メルセデス/F1中国GP
ハミルトン「極端なセットアップ変更が、かつてないレベルのアンダーステアを引き起こした」メルセデス/F1中国GP
AUTOSPORT web
経験を信じたWRTとリスクを避けたマンタイ。雨中のタイヤ選択がLMGT3上位の明暗分ける/WECイモラ
経験を信じたWRTとリスクを避けたマンタイ。雨中のタイヤ選択がLMGT3上位の明暗分ける/WECイモラ
AUTOSPORT web
レクサスが新たな「小さな高級車」展示! 全長4.2m級でも上質さ健在!? 「LBX」の実車見たユーザーの反響は? in 菅生
レクサスが新たな「小さな高級車」展示! 全長4.2m級でも上質さ健在!? 「LBX」の実車見たユーザーの反響は? in 菅生
くるまのニュース
【カーコーティング技術を住宅設備に】総合家庭用品メーカー「レック」と「KeePer技研」が共同企画した家庭用水まわりコーティング剤が販売開始
【カーコーティング技術を住宅設備に】総合家庭用品メーカー「レック」と「KeePer技研」が共同企画した家庭用水まわりコーティング剤が販売開始
driver@web
先行ピットインを決めたディクソンが逆転勝利。初参戦プルシェールは11位完走/インディカー第2戦
先行ピットインを決めたディクソンが逆転勝利。初参戦プルシェールは11位完走/インディカー第2戦
AUTOSPORT web

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

470.0572.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

47.6575.9万円

中古車を検索
Q3の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

470.0572.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

47.6575.9万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村