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強さを増す走りの輝き 6代目 フォルクスワーゲン・ポロ GTI(2) 乗り心地は格上サルーンを凌駕

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強さを増す走りの輝き 6代目 フォルクスワーゲン・ポロ GTI(2) 乗り心地は格上サルーンを凌駕

不満ない207ps ギア比がショートなら一層の興奮

フォルクスワーゲン・ゴルフ GTIと同じ、EA888型 2.0L 4気筒ターボエンジンを積むポロ GTI。0-100km/h加速は、6.5秒でこなす。小変更後の2021年からは207psを発揮し、不満ない速さを披露する。

【画像】強さを増す走りの輝き 6代目 VWポロ GTI サイズの近いホットハッチ ゴルフ GTIも 全106枚

ただし、7速デュアルクラッチAT(DSG)のギア比はロング気味。最大トルクの32.5kg-mは1500rpmから湧出するため、グングン速度を乗せていくが、よりショートなら一層の興奮を誘えそうだ。6速MTなら、もっと。

エンジンは滑らかに回転し、6000rpmまではエネルギーが淀みなく放出される。反面、それ以上引っ張っても、ノイズの増大に対してパワーが追いつかない印象。こもったように抑揚の小さい排気音も、もう少し聴き応えが増すとうれしい。

7速DSGはマニュアル・モードでも、6500rpmのレッドラインより250rpmほど手前で自動的にシフトアップしてしまう。アクセルペダルを踏み込むと、自動的にキックダウンもする。ホットハッチとして、筆者は少しおせっかいに思えた。

格上サルーンを凌駕する乗り心地 回頭性は軽快

フォルクスワーゲンは、あえてシャシーをハードにしすぎなかった。高速道路を流してみると、一部の格上サルーンを凌駕するほど、しなやかな乗り心地を叶えている。郊外の道を積極的に走らせても、その流暢さは失わない。

感心するほどの落ち着きがありつつ、回頭性は軽快。フロントタイヤはグリップ力に優れ、スタビリティも高く、カーブへ臆せず突っ込める。ボディロールは小さく、アクセルとブレーキのペダルの加減で、テールを僅かに流すことも可能だ。

ホットハッチとして、ステアリングはもう少し重くても良いかもしれない。サスペンションは若干引き締めて、上下動の動きを制限しても良いだろう。大きなうねりのある区間では、バンプストッパーに当たる場面もある。

限界の8割くらいが特に満たされる

英国の自動車試験場、ミルブルックのハンドリング・コースでは、強い輝きを見せた。洗練度の高いサスペンションとコンチネンタル・タイヤとの組み合わせで、パチパチと弾けるのではなく、キラキラと落ち着いた様子で。

スタビリティ・コントロールを完全にはオフにできないものの、きついカーブでもシャシーの挙動は手に取るように理解できる。限界の8割くらいで飛ばしている時が、最もドライバーを満たしてくれる。リミテッドスリップ・デフがないのが惜しい。

燃費は、カタログ値で14.1km/L。動力性能を考えれば、悪くはない数字ではある。

装備は充実し、アダプティブ・クルーズコントロールや前後のパーキングセンサーが標準。バックカメラや車線維持支援機能も備わり、英国での価格は3万740ポンド(約599万円)から。新しいミニ・ジョン・クーパー・ワークスより、僅かに安い。

2025年まで生き延びたことを祝いたい

登場から8年目を迎える、ポロ GTI。発売当初は、該当クラスで最も興奮を誘うモデルではなかったものの、ライバルが1台、1台と消えていく中で、その輝きは明らかに強さを増している。2025年まで生き延びたことを、お祝いしたい気持ちになる。

路面を問わず流暢に駆け抜けられ、このクラスとしては上質感にも優れる。シンプルでコンパクトなホットハッチへ関心をお持ちなら、可能な内に入手してみてはいかがだろう。古き良き楽しさが、ここにはある。

◯:従来以上に魅力的なドライバーズカー 日常環境での洗練性 優れた実用性
△:もう少しカリスマ性が欲しい 限界領域で切れ味が鈍る操縦性 MTを選べない

フォルクスワーゲン・ポロ GTI(英国仕様)のスペック

英国価格:3万740ポンド(約599万円)
全長:4071mm(標準ポロ)
全幅:1751mm(標準ポロ)
全高:1435mm(標準ポロ)
最高速度:241km/h
0-100km/h加速:6.5秒
燃費:14.1-14.7km/L
CO2排出量:154-161g/km
車両重量:1286kg
パワートレイン:直列4気筒1984cc ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:207ps/4600-6000rpm
最大トルク:32.5kg-m/1500-4500rpm
ギアボックス:7速デュアルクラッチ・オートマティック

文:AUTOCAR JAPAN AUTOCAR JAPAN
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