メーカーから登場した「正統派チューン」も!
夏といえば怪談の季節。21世紀になっても、世の中には科学では説明しきれない摩訶不思議なことがまだまだあるのは否定できない。
貼るだけで走りが変わる「トヨタのアルミテープ」貼る場所と効果を実車で確認した!
優秀なエンジニアが最先端の自動車工学に基づいて作り出すクルマの場合、オカルト的なものとは無縁な気もするが、効果と根拠がイマイチ理解出来ない! という製品はいくつかある。
その代表的なものをいくつかピックアップしてみよう。
エアロスタビライジングフィン
トヨタの86やハイエース、アクアやプリウスのヘッドライトやテールランプ、ドアミラーやアンダーカバー等に設けられた小さな突起状のエアロパーツ。
F1で蓄積された空力技術を結実させたフィンによって、気流に小さな渦を発生させて車体を左右から押さえつけ、操縦安定性を確保するという触れ込みだ。
大海原を時速100km以上のスピードで泳ぎまくる「カジキ」のプロポーションにヒントを得て、カジキの胴幅÷体長の比率=0.14を模したフィンを」をボディ側面前後の適切な位置に複数装着することで、操安性の向上が見られたとのこと。
ボディの側面などに突起を設けて乱気流を発生させ、全体的な空気抵抗をよくする「乱流翼」は、「タービュレーター」「ボルテックスジェネレーター」と呼ばれレーシングカーでもおなじみの空力アイテム。
エアロスタビライジングフィンもこうした「乱流翼」の一種であり、モノは小さくても効果は折り紙付きといっていい。
アルミテープチューン(トヨタ純正 テープ モールディング)
バンパーなどに貼るだけで、クルマの操縦安定性やバランスを向上させるアルミテープチューン。ある意味これぞ「正統派 オカルトチューン」といえるシロモノだが、あのトヨタが効果を認め、ノア&ヴォクシー、プロボックス、サクシード、86などにも正式採用にも採用して大いに話題になった。
怪しいアフターパーツメーカーの製品ならともかく、世界のトヨタが純正採用したとなるとオカルト度はグーンと低くなる。
このアルミテープは導電性テープで、樹脂のバンパーなどに貼ると、空気とふれあう部分の帯電が起こり難くなり、空気の剥離領域が小さくなって、ボディに沿ってきれいに空気が流れるようになるという。
試した人によると、60km/hぐらいから違いが現れ、風切り音が小さくなったり、直進性がよくなったり、走りがなめらかになったと感じられたとのこと。
一見怪しいグッズだが、信憑性は意外に高い!? 一枚500円程度で購入できるので、気になる人は試してみてはどうだろうか。
SEVはレース関係者の間でも意見が真っ二つ!
GRエアロスタビライジングボディコート
3つ目はますます怪しい空力操安アイテムで、ボディ表面に塗るだけで空気の流れを整流し、ボディ形状が本来持っている空力特性を一層発揮させるというスプレー式のボディコート。
理屈は前述のトヨタ純正「放電用アルミテープ」と同じで、スプレーをボディに塗布することで、ボディに帯電した静電気を除去して、空力特性をアップする。いわば『液体アルミテープ』と思えばいい。
普通に考えればトンデモグッズに分類されるが、これもトヨタが「GRエアロスタビライジングボディコート」という商品名で売り出していて、効果には自信があるらしい。
企業秘密の帯電防止剤の入った“帯電防止コーティング剤”で、GRガレージや全国のトヨタ販売店で入手可能。1度塗布すると、効果は約1カ月持続し、コンパクトカーなら1本で6~7台分塗る容量がある(価格は1本3980円)。
SEV
この手の話となると避けては通れないのがSEV!
SEVとは「物質を活性化させる装置」と説明されている。SEVは微弱なエネルギーを発する天然鉱石と数十種類以上の金属を組み合わせて電子を発生させ、この電子が対象物を活性化させる云々とあるが……。
エンジン、ミッション、ブレーキ、ラジエター、さらにはダッシュボードの上に貼るだけで「クルマだけでなく車内全体を快適な移動空間に」というモノまでラインアップ!
さらに自動車だけでなく、人体、空気、水など対象物を問わず効果があると謳っている。
レース関係者にもその効果について訊いてみたことがあるが、「効果なんてあるわけないだろ」という人と、「(理屈はよくわからないが)たしかに貼ると違いが出る」と、意見がわかれた。
一番気になるのは、TRDとトヨタ GR Garageから、SEVとのコラボ製品が発売されていること!
信じる信じないは貴方次第だ。
燃費が向上する磁石 etc.
燃料ホース、吸気ダクト、インタークーラーホースなどに巻き付けると、燃費が向上し、パワーやレスポンスがアップするといった磁石やそれに似たグッズもたくさん見かけたが、2008年に公正取引委員会が、商品の燃費向上に合理的な裏付けがなかったとして、自動車の燃費向上などを標ぼうする商品の製造販売・卸売業19社に対し、排除命令(不当な表示の禁止など)を出したことがあった。
いろいろ新しいテクノロジーが生まれても、世の中からそうした効果不明のオカルトパーツがなくなることはないだろう。
怪しいパーツを試してみるのもひとつの楽しみかもしれないが、よくよく吟味して納得できる製品だけをチョイスするようにしよう。
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