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安心はお金で買う時代! 狙撃や攻撃からVIPを守る「世界最高レベルの防弾性能」を誇る特別なBMW「7シリーズ」とは?

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安心はお金で買う時代! 狙撃や攻撃からVIPを守る「世界最高レベルの防弾性能」を誇る特別なBMW「7シリーズ」とは?

防弾仕様に“改造”するのではなく正規モデルとして販売

 2023年に広島で開催された先進7か国首脳会議(G7サミット)。その会議の内容とともに印象的だったのが、BMWの日本法人が特別に貸し出したという防弾仕様の先代「7シリーズ」です。

【画像】「えっ!…」BMWが発売中! 防弾仕様の「7シリーズ」と「i7」を写真で見る(15枚)

 各国首脳はアメリカのバイデン大統領を除き、全員がこの7シリーズに乗車。ニュースなどに映し出されるその姿を見て、「日本で開催されるのに、なぜBMWなのか?」と疑問を覚えた人も多いのではないでしょうか?

 一般の人にはほぼ縁のない防弾仕様車ですが、常に命の危険を感じながら行動している世界のVIPたちからは注目を集めているようです。

 世の中にはテロ、誘拐、暴漢、抗争などさまざまなリスクがありますからね。いまやボディガードと同じように、VIPには身近な存在なのかもしれません。

 日本市場では、専門の業者が市販車を改造した防弾仕様車が見られますが、海外では純正車種として正規にラインナップしている自動車メーカーもあります。

 そのひとつが、広島でのG7サミットで注目を集めたBMW。つい先日、新型7シリーズ」をベースとする防弾仕様車を発表したばかりです。

 新型7シリーズのマイルドハイブリッド仕様とEV(電気自動車)の「i7」に導入された防弾仕様車は、“VR9”とよばれるもの。“VR~”とは防弾性能のレベルを示すもので、数値が大きければ大きいほど防弾能力が高いそうです。

 ちなみにBMWは、3年前にFCV(水素燃料電池車)をベースとする「iX5 ハイドロジェン プロテクションVR6」を披露しており、防弾仕様車の世界でも、エンジン車、FCV、EVと多彩なパワートレインを展開しています。

 最新の7シリーズならびにi7の防弾仕様車は、完成車を防弾仕様に仕上げるのではなく、いわゆる“カタログモデル”の開発プロセスから考案されたのだとか。

 新たに“BMWプロテクション・コア”と呼ばれるアーキテクチャーを採用しており、構造全体にはアーマースチール(熱間成形鋼合金)がおごられています。そして、ドア、フロアパネルなどが装甲され、ガラスには防弾ガラスが用いられています。

 また、オプションでフレッシュ・エア供給システム、自動および手動の放水機能つき消火器、回転警告灯、無線、公務時用のフラッグポールなど、あらゆる用途に合わせてカスタマイズできます。

 特に、爆発物から最大限に要人を保護すべく設計された特殊な装甲はルーフとアンダーボディの両方に使用されており、例えば、爆薬を使ったドローン攻撃や手榴弾の爆発時に飛び散る破片からも乗員を守ることができるそうです。

 また、7シリーズ防弾仕様車のセキュリティ装備のリストには、標準でセルフシーリング燃料タンクも含まれています。これは特殊なケーシングによって銃弾が燃料タンクに命中したとしても弾痕がふさがり、燃料の損失を防ぐことができるのだそうです。

 明確な記載はありませんが、i7では駆動用バッテリーも厳重に保護されていると思います。

見た目ではベースモデルとの違いは分かりにくいが……

 BMWは防弾仕様車にとすることで7シリーズとi7の重量が増えるのを抑えることに成功し、攻撃から逃れるためのハンドリング性能や俊敏性も優秀だとうたっています。

 セキュリティの観点からやむを得ないのでしょうが、車両重量がどのくらいなのかは明らかにされていません。個人的には走りや乗り心地が気になってしょうがありません。ドイツまで行けば試乗させてもらえるのでしょうか?

 7シリーズの方は48Vマイルドハイブリッドシステムを組み合わせた4.4リッターV8ツインターボエンジンを搭載し、最高出力は530hp、最大トルクは750Nmをマークします。また、xDriveインテリジェント4輪駆動システムが、必要に応じて4輪に駆動力を配分。それらにより0-100km/h加速は6.6秒、最高速は210km/hに達するそうです。防弾仕様車って本当に重たいですから、この数値はお見事です。

 一方、i7の方はBMWブランドのEVで最もパワフルな「i7 M70 xDrive」のドライブシステムに採用された多数のコンポーネントが流用されています。ふたつの電気モーターを組み合わせることで最大出力は544ps、最大トルクは745Nmを発生。4本のタイヤを駆動し、0-100km/h加速は9.0秒、最高速度は160km/hを誇ります。一般的に瞬発力の優れたEVながらこの防弾仕様でが見劣りするのは、やはり重くなった車両重量が影響しているのでしょう。

 7シリーズ、i7ともに20インチの軽量合金ホイールを履き、ミシュラン製の専用タイヤを装着しています。BMWによると乗り心地もよく、接地面積が広いためトラクションと走行安定性に優れているといいます。

 また、ホイールリムにはランフラットリングが装着されており、空気圧が完全に失われた場合でも80km/hで走り続けることができるそうです。

 BMWのプレスリリースを見てちょっと笑ってしまったのは、「外観から防弾仕様車であることがほとんど分からない」という一文です。この手の防弾仕様車、窓ガラスを見れば一目瞭然。特にサイドウインドウ回りの黒い“縁”部分が非防弾車と比べて分厚くなっています。

 本当は、このようなクルマに乗る必要がない世界というのが理想なのでしょうが……安心はお金で買う時代になったようです。

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みんなのコメント

2件
  • べんつ、べーエムじゃなくても
    日本人はセンチュリー、プレジレントでいい。
  • 日本の一般人には必要ないだろ?(笑)
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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