ホンダ車のフロントガラスに付けられている、小さな三角形のマークをご存知だろうか。ドライバーの視線より少し上の高さに、左右が向かい合うようにつけられており、2010年以降に発売されたほとんどのホンダ車にある。
この三角マークは単なるデザインではなく、ある重要な狙いがあって装着されている。
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文:吉川賢一
写真:HONDA、エムスリープロダクション
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視線の動きを矯正する役割がある
2008年に発売された「フリード」に初採用されて以降、順次他のホンダ車にも採用が始まった、フロントガラスの三角マーク。もちろん、先日発表となった、新型ヴェゼルにも装着されている。
この三角マーク、一辺が4~5ミリの二等辺三角形をしており、フロントウィンドウの縁にある黒部分と同じく、セラミック製だ。言われないと気が付かないほどの小ぶりなサイズだが、大きな役割を担っている。
2020年2月に登場したフィットのインテリアの写真 こうしてみるとわからないが…
ドライバーの視線より少し上の高さに、左右が向かい合うようにして、三角形マークが付けられている
拡大するとこんな感じの三角形
ホンダは、車 1台がやっと通れる幅 3メートルの道路を車で左折する際、運転手の視線がどのように動くか 1,000件以上のデータを集めて分析した。
その結果、上手なドライバーは視線の水平移動が多く、未熟なドライバーは視線が上下左右に乱れていることを発見。そこから、無意識のうちに視線の動きを補正させるアイテムとして、「三角マーク」を考案したのだ。
こちらはN-BOX 随分高い位置につけられているが、きちんとした意味がある
接触事故を大幅に減らす効果が
ホンダによると、年齢も性別も体格も異なる社員 30人を動員し、道幅 3メートルの狭い左折路を軽自動車で 1人 12周してもらい、出口側から見たフロントバンパーと壁の距離を測ったところ、三角マーク無しだと 壁までのバラつきが多かったのが、マークを入れたらバラつきが 120ミリ以上減少したそうだ。
ホンダは、この三角マークがあると、視線の乱れ(視線の縦方向の乱高下)が抑えられ、車幅が把握しやすくなり、結果、狭い路地などでの接触事故を大幅に減らす効果がある、としている。海外も含めたすべてのホンダ車に、三角マークをつけることにしているようだ。
意識しなければ、一生気がつかないかもしれないアイテムだが、無意識のうちにも効果が出ているとは、なんとも驚きだ。
2008年に登場したフリード このクルマに三角マークが初採用されて以降、順次他のクルマにも採用が始まった
<余話>ホンダ車にある「隠れマーク」
実は、一部のホンダ車には、ほかにも「マーク」が隠されている。ホンダのNシリーズの一部には、某テーマパークの「隠れ○ッキー」ならぬ、「隠れN(エヌ)」が、クルマのあちこちにつけられている。
「ホンダ車に乗ってくれるオーナーに少しでも楽しんでもらいたい」と願うホンダの想いからきている「遊び」だという。場所は詳しく明かせないが、黒セラ(フロントウィンドウ縁についている黒い部分)に隠されていることが多い。ちなみにN-WGNには 4つ、N-ONEには 8つもあるそうだ。
新型N-ONEのヘッドライト このなかにひとつ「N」が隠されている
筆者も、ホンダ車の取材の際には必ず探すようにしている。先日、新型ヴェゼルにも「隠しヴェゼル」があることを、ホンダ担当者からこっそり教えてもらった。一つはカンタンだったが、もう一つは非常に困難な場所にあった。ぜひとも探してみていただきたい。
ハイテクデバイスに頼らないところがすごい
今や、コーナーセンサーやアラウンドビューモニターなど、ハイテク機器が当たり前になってきたが、そうしたデバイスに頼ることなく考案された三角マークは、ホンダエンジニアたちの知恵の結晶だ。
この三角マークがついていることに気が付いていなかったホンダ車ユーザーの方、ぜひご自身のクルマにあるか、確認してみてほしい。「そういえば以前よりも道幅が狭い所での運転がしやすくなったかも」ということがもしあれば、それは「ホンダ車だからこその恩恵」かもしれない。
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取説に書いてあるだけだと、大半の人が知らない可能性も・・・