■S30Zと似たカタチをしたラグジュアリーGT、S130Z
伝説的な名車となった初代S30と比べ、どことなく影が薄い印象のある2代目S130型フェアレディZ…当時人気の刑事ドラマ、「西部警察」でTバールーフ仕様をベースにガルウイング化した「スーパーZ」のベースと言えば、ああそうかと思うくらい?
【推し車】心の中で走り続ける懐かしの名車・希少車たち vol.4 メーカー編その2
MOBY編集部がAIに聞いた、「30~50代のクルマ好きが気になる名車」にも一応ノミネートされているとはいえ、初代S30より重ったるそうで、3代目Z31よりパワフルとも言えないS130Zに、スーパーZ以上の好印象はなかなか持ちにくいかもしれません。
もっともそれは当然で、Z31型後期から鮮明となる「ラグジュアリーGT路線」が、S130の時から既定路線だったからなのですが。
■プアマンズポルシェのイメージを受け継ぐスポーティGTへ
1969年にデビューするや、想定された主要市場である北米では「Z(ズィー)カー」として大ヒットを記録、安価ながら当時のポルシェ911にも負けないパフォーマンス、高い実用性を両立可能な3ドアファストバックボディ、そして何よりカッコイイデザインが魅力です。
ただし、生産を終える1978年までの間にはマスキー法と呼ばれる厳しい排ガス規制に直面しており、排ガス浄化装置のためパワーダウンやレスポンス悪化という悪影響を逃れるべく、海外では当初の2.4リッターから2.6、2.8リッターへと排気量を拡大。
さらに衝突安全基準の強化で大型の5マイルバンパーの装着も余儀なくされ、発売当初の軽快なスポーツカーというコンセプトの維持は、容易ではありませんでした。
しかし、北米でユーザーへリサーチしたところ、Zカーそのものがブランド化していて次期型は必ずしもスポーツカーとしての性能を追求する必要はなく、むしろZカーのイメージを残した、より快適性や実用性の高いスポーティGTが求められた…とされています。
その結果、1978年にモデルチェンジした2代目S130型は、デザインこそ初代S30型のキープコンセプトながら一回り大きくなり、車内空間の拡大、パワステやエアコンの装備などによる快適性の向上が優先され、「スポーツカー」から「スポーティなGT」となったのです。
■空力性能の向上や、ターボ車、Tバールーフ車の設定
全体的なデザインは初代S30型のキープコンセプトですが、初代では「Gノーズ」と呼ばれたフロントバンパー先端までのエアロノーズが標準となり、ボンネットはバンパーまで延長され、空力的にもリファインされてフロント部の揚力を減少、空気抵抗も低減しました。
居住性向上のため一回り大きく、重くなったボディは輸出型だと2.8リッター直6(ダットサン280Z)、日本本国仕様では2リッターと2.8リッター、いずれも直6のL型エンジン。
途中から2.8リッター車は電子制御インジェクションが「EGI」から「ECCS」へと変わって出力向上し、その代わりセドリック/グロリアやブルーバード、スカイラインで採用したL20ETターボエンジンの採用は1982年まで先送りとなっています。
海外仕様2.8リッターターボ車は、わずか180馬力の最高出力でも当時は破格…というより、「大排気量ターボ」そのものが、「大排気量並のパワーを出す環境に優しい小排気量ターボ」という建前に反したからか、当時の運輸省が国内で認可しなかったのは残念。
ボディのラインナップは開放感を求める北米からの要望により、新たにTバールーフ車を設定、保険が高額になるフルオープンに対し、クローズドクーペ同様の保険で済むTバールーフ車は、「西部警察」でガルウイング化された「スーパーZ」のベースにもなりました。
■マンハッタンカラーなど、雰囲気重視のZだったS130
S130Zでもっとも印象に残るのは、TバールーフやスーパーZ、NACAダクトと呼ばれたボンネットのエアダクトよりも、ボンネットからフロント/サイドウィンドウ回りまでをシルバーで塗り分けた「マンハッタンカラー」かもしれません。
通常のボディカラーでは初代に比べて重ったるい印象があったのに、このマンハッタンカラーに限ってはむしろ軽快で速そうなスポーツカーと思わせるのに成功、S130のイメージカラー的に紹介されることが多いような気がします。
ダットサン フェアレディの後を継ぐスポーツカーとして人気だった初代S30Zに対し、その雰囲気を残したスポーティーGTに変質した2代目S130Zですが、日本でも4人乗るのに十分なスペースを確保できただけあり、2シーターより2by2の方が人気と言われました。
※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。
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