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警察の取締りに「ノルマ」は本当にあるのか? 元警察官が明かす交通取締事情

警察の取締りに「ノルマ」は本当にあるのか? 元警察官が明かす交通取締事情

警察の交通取締りを受けた人の中には、こんなことを言う人が少なくありません。「ノルマのために検挙しやすい違反ばかり取り締まっているんだろ?」と。

また、過去に執筆した記事に対して「ノルマを達成するための取締りだ」「ノルマについても言及しろ!」という声も多数見かけました。
どうやら、警察はノルマために交通取締りをしているのか疑問があるようですが、勘違いをしている部分もあるように見受けられます。

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そこで当記事では、交番勤務や刑事をしてきた私の経験にもとづいて、警察内に「ノルマ」は本当にあるのか、交通取締りについて話していきたいと思います。

警察内にノルマは存在しないが「目標」はある

一般的に「ノルマ」は必ず達成しなければならない作業量や成績といった意味があるわけですが、警察官の交通取締りにも必ず達成しなければならない「ノルマ」が存在するのかといえば、結論は「NO」です。

なぜなら、どんなに注意深くパトロールしても、ドライバー・ライダーのみなさんが交通ルールを守って運転していれば結果的に違反はゼロとなり、ノルマは達成できないからです。

警察が目標としているのは「事故ゼロ・違反ゼロの社会」なのだから、警察官のノルマ未達成は「ドライバー・ライダーのみなさんが交通ルールを守っている証」として喜ぶべきでしょう。

しかし、警察官が日夜パトロールしていないと交通ルールを守らない人たちが少なからず存在します。
たとえば、パトカーを見かけたら慌ててシートベルトを着けたり、いつもはスーッと通り抜けるのにパトカーがいたから一時停止をするなど……。だからこそ警察は定期的にパトロールをしているのです。
「違反ゼロなんてあり得ない」という考え方ですが、違反が起こるかどうかは予測できないので、警察では「ノルマ」ではなく「目標」という言葉を使っています。

ほかにも、私の知る限りでは「目標」のほか「努力目標」、あるいは「件数」と言われていましたが、ノルマのような数字が警察官個人に課せられているのは事実です。

「目標=ノルマ」を達成できないとどうなるのか?

では、警察官個人に割り当てられた「目標=ノルマ」を達成できなかったらどうなるのでしょうか?
実は、目標が達成できていなくてもとくに不利益はありません。

上司に「マジメにやっている?」と嫌味を言われることはあるかもしれませんが、だからといって階級が降格したり、給料が下がったりといった処分を受けることもありません。

かくいう私も、交通取締りの実績はあまり良いほうではありませんでした。
なぜなら、交差点などで待ち伏せる「定点」の取締りがだまし討ちのように感じられて嫌だったので、管内をミニパトで巡回しながら、目についた違反を取り締まる「流し」の取締りに重点を置いていたからです。

ただ何もやっていないわけではないので、上司からは「悪質・危険な違反に注目するのは交通取締りの本質、アグレッシブでいいじゃないか」と褒められたこともありました。

一般企業に勤めている人からすると「甘い」「(国に)守られている」と、警察に対する不信感を抱きかねない部分があるかと思います。しかし、組織として利益を追求するために交通取締りをしているわけではないので、ペナルティを科せられるはずがないのです。

このように警察組織が掲げた目標に対して数字をあげられなくても、手抜きやサボりといった公務員にあるまじき行為がない限り、上司からもお咎めはありません。
つまり「目標」「努力目標」「件数」と言い方は色々あるにせよそれらは必ず達成しなければいけない「ノルマ」とは別物だといえるでしょう。

とはいえ、反則金の収入は国の重要な財源になっているので、いきなり反則金による収入が0円になれば、どこでその収入分を抽出するのか警察内部で問題になるでしょう。
そうなった場合、警察が管理する道路の整備費用などを流用するのか……もしくは、真っ先に警察官の採用人数が減らされて、財源確保の対策が講じられるかと思われます。

交通取締りに力を入れたら給料がアップする?

基本的にはノルマを達成し、さらに優秀な成績を収めれば、評価が上がります。また、一般企業であれば、給料の査定に影響し、臨時のボーナスが支給されることもあるでしょう。

では、交通取締りを必死に頑張れば給料が増えるかといえば、それも答えは「NO」です。
例年11月から全国では、警察による「冬の交通安全運動」が実施されますが、あれは決して「ボーナス前だから張り切っている」わけではないのです。

もし、交通取締りに力を入れた警察官がたくさんの反則金を徴収したことで、評価が上がり給料が増えるのであれば、ほとんどの警察官が交通取締りの係を希望するはずです。

しかも、交通取締りは「違反ゼロ」の社会になるはずもない売り手市場。まず、見つけたお客さんに逃げられることも、拒否されることもほとんどありません。同じ場所、同じ方法で取り締まるだけでいいので、不自然な言い方ではありますが、ラクして稼げる仕事になると思いませんか?

もしそうならば、年間を通じてひとつの大きな事件を解決できるかどうかの刑事・生活安全・警備なんて、キツい上に稼げないからやっていられない分野となります。
では、実情はどうかといえば、交通課……なかでも交通取締り係は警察署内でも1、2を争うほど不人気です。

交通取締りをする交番勤務の警察官も経験の浅い新人がメインで、多くの警察官が「早く交番勤務から抜け出したい」と考えています。
そして、各種の特殊勤務手当や平均的な残業時間などを加味すれば、刑事・生活安全・警備のほうが給料は高額なのです。

「目標=ノルマ」が未達成でも刑事課に配属された

どんなに「目標」「努力目標」「件数」と言葉を変えても、達成すべき数字として掲げられていれば目標もノルマのようなものです。
そうはいっても、ノルマを達成できないからといって警察官個人が不利益な処分を受けることもなければ、ノルマを大きく超える成績を残しても給料が増えるわけでもありません。

私自身は「目標」として掲げられた数字を達成できなかったからといって不利益を受けた経験はなく、目標未達成でも1年だけの交番勤務ですぐに刑事課に拾い上げてもらえました。
ノルマありきで成績や昇進が決まるなら、トントン拍子で刑事になることもなかったはずです。

ただ、SNSやネットを見ると「ノルマがきつくて退職した」という元白バイ隊員もいるとのことですから、厳しいノルマを追及される警察官が存在することは否定できません。中には数字を追い求めるばかりに、目を皿にして交差点を見張る警察が存在するのも事実ではあります。

私の経験だけで「ノルマのための取締りではない」と決められるわけではありませんが、すべての警察官がドライバー、ライダーを「数字」や「お金」として見ているわけではないことを知ってもらいたいです。

なので、もし交通取締りをしている警察官を見ても、決して「ノルマのためにやってるんだろ?」と思わず、安全第一を考えて、気を引き締めて運転するようにしましょう。

レポート●鷹橋 公宣 編集●モーサイ編集部・小泉元暉

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