静岡県の富士スピードウェイで5月31日にスタートしたENEOSスーパー耐久シリーズ2025 Empowered by BRIDGESTONE第3戦『NAPAC富士24時間レース』は、6月1日にフィニッシュを迎え、ST-Xクラスの23号車はTKRI松永建設AMG GT3(DAISUKE/片岡龍也/奥本隼士/中山友貴/元嶋佑弥)がチーム初の富士24時間総合優勝を飾った。
前日に行われたスタート進行直前の雷雨によって予定より1時間遅れで24時間レースの幕が上がった2025年の富士24時間。序盤はウエットから乾いていく路面、夜間走行では打ち上げ花火で発生した煙の影響でセーフティカー(SC)が導入される事態があったものの、大きなアクシデントなくレースは進んだ。
【順位結果】2025スーパー耐久第3戦富士24時間レース 決勝
しかし、深夜帯に入ると濃霧により長時間のSC導入や、ST-Zクラスのトップを走行していた26号車raffinée日産メカニックチャレンジZ NISMO GT4のクラッシュの影響で赤旗中断に。再開後もふたたびの濃霧でSCランから2度目の赤旗中断になるなど波乱の展開となった。なお、この2度の赤旗中断によりジェントルマンが多いAドライバーの最低義務運転時間は当初の3時間36分から2時間56分に変更されている。
レースは夜間走行時からST-XクラスのCraft-Bamboo Racing Mercedes-AMG GT3(リー・ジェフリー/太田格之進/チェン・ディーン/トム・カレンダー/元嶋成弥)が総合トップを走行。夜が明けても33号車Craft-Bamboo Mercedesは快走をみせ、後続のseven x seven PORSCHE GT3RとHitotsuyama Audi R8 LMSにペナルティストップ60秒、81号車DAISHIN GT-R GT3がトラブルによりマシンをガレージインさせるなか、順調に走行を重ねていた。
しかし、Craft-Bamboo Mercedesはディーンがドライブする8スティント目で他クラスのマシンと接触してしまう。この影響でマシンにダメージを負い、太田に交代した後に突如としてペースダウン。走行を続けたもののラップタイムは回復せず、数周後には左エキゾーストから炎と煙が上がり、ピットレーンまで戻るも残り3時間半でリタイアとなってしまった。
代わって総合トップに立ったのは、こちらもほぼノートラブル&ノーアクシデントで走行を続けたTKRI松永建設AMGだった。夜間走行中にDAISUKEのAドライバー乗車時間をほぼ消化していたTKRI松永建設AMGは、日中の走行では片岡をはじめとするプロドライバーたちがリードを築き、ふたたびDAISUKEがステアリングを握った後に残り2時間19分でピットへ向かいAドライバー最低義務運転時間をクリアする。
TKRI松永建設AMGに迫ったのは、BANKCY/藤波清斗/渡会太一/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラの4ドライバーによるレースペースの速さを武器とするseven x seven PORSCHE。レース後半にはオリベイラがDAISUKEをオーバーテイクして一時トップに立つ活躍をみせたが、seven x seven PORSCHEはこの時点でBANKCYのAドライバー乗車時間が残っていたため、最終盤の争いに注目が集まっていた。
そしてseven x seven PORSCHEは9スティント目にBANKCYがドライブ。するとDAISUKEから元嶋にドライバー交代したTKRI松永建設AMGが追い上げ、12回目のフルコースイエロー(FCY)解除タイミングでオーバーテイクを決めて総合トップ奪還に成功する。
ポジションを明け渡したseven x seven PORSCHEは最終スティントにふたたびオリベイラを起用すると、1周約1秒速いペースで猛追。一時はおよそ2秒まで差を詰めたが、TKRI松永建設AMGよりも早い周回でピットストップを行っていたため、残り15分で燃料補給のスプラッシュピットに向かい勝負は決着。フィニッシュまで安定した走りをみせたTKRI松永建設AMGがチーム初となる富士24時間総合優勝を飾った。
ST-Zクラスは、レース序盤にNANIWA DENSO TEAM IMPUL Z(松本貴志/平峰一貴/大木一輝/ジュール・カズキ・トレルイエ/ベルトラン・バゲット)が4番手スタートからクラストップに立っていたが、夜間走行中に他車と接触。メンテナンスタイムを消化しつつ修復を行うも一時戦線離脱で後退してしまった。
代わってトップに立った26号車raffinée日産メカニックチャレンジZ NISMO GT4は夜間走行中に大クラッシュを喫してしまうが、僚友25号車がその意志を引き継ぐかのようにクラストップに立つと、残りのレース時間をほぼノートラブルで走行しクラス優勝を飾った。2位には埼玉 GB GR Supra GT4 EVO2(山﨑学/吉田広樹/服部尚貴/野中誠太/荒川麟)、3位にはEBI GROUP Cayman GT4 RS CS(北園将太/久保凜太郎/平安山良馬/山野直也/石川京侍)が続いた。
前戦がお休みだったことで開幕戦もてぎ以来のレースとなったST-TCRクラスは、夜間走行までWAIMARAMA Elantra N TCR(桝本隆介/千代勝正/KIZUNA/リ・ジョンウ/安田裕信/ジュリアーノ・アレジ)がリード。しかし、マシンストップやガレージ作業に見舞われている間にBRP★NUTEC 制動屋 CUPRA TCRが逆転。そのまま今季初優勝を飾った。
ST-1クラスは、シンティアム アップル KTM(井田太陽/加藤寛規/吉本大樹/高橋一穂/小林崇志)がレース序盤に他車との接触によるペナルティストップ60秒が科されると、夜間走行中のペナルティストップ、さらにマシントラブルによる長時間のガレージインなどで大きく後退。一方のD'station Porsche 992(星野辰也/星野敏/浜健二/田中哲也/樺木大河/上村優太)はノーアクシデントで24時間レースを進め今季初優勝を獲得している。
ホンダ・シビック・タイプR同士の優勝争いが白熱したST-2クラスは、レース序盤にHonda R&D Challenge FL5(石垣博基/尾藤成/木立純一/小林天翔/野尻智紀)とSPOON リジカラ CIVIC(山田英二/小出峻/西村和真/三井優介/松井猛敏/中島保典)がトップを争う。
その序盤バトルを制したSPOON リジカラ CIVICが中盤までST-2クラスの首位を快走。終盤のOHLINS CIVIC NATS(金井亮忠/山野哲也/野島俊哉/山﨑一平/大津弘樹)と争いも制し、優勝に向けて進んでいたが残り1時間半に『ピット作業違反』でペナルティストップ60秒が科され、OHLINS CIVIC NATSが逆転優勝を手に入れた。
ST-3は16号車岡部自動車フェアレディZ34(田中徹/清水啓伸/三宅淳詞/小松響/小松一臣/甲野将哉)がクラスポールポジションからレースをスタートするも、夜間走行までに39号車エアバスター WINMAX RC350 TWS(藤田真哉/眞田拓海/伊藤鷹志/大滝拓也/髙橋蓮)がトップを奪い、そのまま優勝している。
ST-4はクラスポールのシェイドレーシング GR86(影山正彦/清水英志郎/山田真之亮/新田守男)がスタートからフィニッシュまでライバルたちを寄せ付けない快勝を飾った。2位にはエナジーハイドロゲン EXEDY GR86 Winmax(石井宏尚/冨林勇佑/尾﨑俊介/岡本大地)が続き、DXLパワーミネラルEVO☆NOPRO☆NCロードスター(ジョニー小倉/大谷飛雄/谷川達也/山本龍/野上達也/野上敏彦)が3位で新車投入後の初表彰台を獲得した。
今季から駆動方式別に分けられたST-5は、アンドリーガル Moty's FIT(佐藤勝博/川福健太/上田浩司/志賀卓弥/笠原潤一郎/馬場優輝)が初優勝で前輪駆動のST-5Fクラスを制し、“公団ちゃん”ことSAKAE MOTORSPORTS FIT(面野一/大島良平/三輪英則/ピストン西沢/西岡政春/古井戸竜一)が2位で初表彰台に登壇した。後輪駆動のST-5Rクラスは村上モータースMAZDAロードスター(村上博幸/太田達也/雨宮恵司/黒沼聖那/吉田綜一郎)が優勝している。
シリーズが認める開発車両が参加するST-Qクラスは、TGRR GR86 Future FR concept(佐々木栄輔/坪井翔/大嶋和也/豊田大輔/斎藤愛未/福住仁嶺)がクラス最上位の総合13位でフィニッシュし、ST-2クラスに迫る速さをみせた。
クラス2位はSUBARU HighPerformanceX Future Concept(伊藤和広/山内英輝/井口卓人/花沢雅史/伊藤奨)、同3位はMAZDA SPIRIT RACING RS Future concept(川田浩史/関豊/堤優威/佐藤考洋/箕輪卓也)となっている。水素エンジンを搭載するTGRR GR Corolla H2 concept(MORIZO/佐々木雅弘/石浦宏明/小倉康宏/平川真子/中嶋一貴)は給水素を挟みながら走行を続け、総合41位で完走している。
レースウイーク中の天候が曇り/雨ながら3日間で5万3500人が来場した2025スーパー耐久第3戦富士24時間。これでシーズン3戦目までを終えた今季のスーパー耐久シリーズは、7月5~6日にスポーツランドSUGOで第4戦が開催される予定だ。
[オートスポーツweb 2025年06月01日]
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