現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > なんと欧州で発売! 新型スイフトスポーツハイブリッド誕生!! 注目の実力は?

ここから本文です

なんと欧州で発売! 新型スイフトスポーツハイブリッド誕生!! 注目の実力は?

掲載 更新 15
なんと欧州で発売! 新型スイフトスポーツハイブリッド誕生!! 注目の実力は?

 今や貴重となった和製ホットハッチ「スズキ・スイフトスポーツ」。今年5月に改良を受けたばかりだが、その裏で密かに新たなスイフトスポーツが生まれていた!?

 それが海外向けの改良型モデルである「スイフトスポーツ・ハイブリッド」だ。ハイブリッド化されたスイフトスポーツとは、いったいどんな仕様? 日本仕様との性能差は? 新バージョンの秘密に迫った。

ついに掴んだ!! スープラGRMN 登場情報捕捉! M3のエンジンで520馬力発揮!!!

文:大音安弘
写真:SUZUKI

【画像ギャラリー】日本未発売! スイフトスポーツハイブリッドの気になる内外装を総チェック!!

スイフトスポーツが48Vハイブリッド化

英国仕様のスイフトスポーツハイブリッド。日本仕様とベースは同じ1.4Lターボエンジンにモーターを組み合わせたハイブリッド

 新仕様となるスイフトスポーツ・ハイブリッドは、2020年5月に欧州で発売されたばかりのスズキ初のマイルドハイブリッドのホットハッチだ。

 ビジュアル面は、日本のスイフトスポーツと同じだが、6速MTのみという点も違いのひとつ。この辺りは、今もMT派が主流の欧州らしいところ。ご存じの通り、欧州導入地域によりステアリング位置が異なるため、左右共に存在している。

 注目のパワーユニットは、1.4L直列4気筒DOHCターボエンジンである点は同様だが、日本仕様のK14C型に改良を加えたK14D型を搭載。

 このエンジンには、リチウムイオン電池とISG(インテグレート・スターター・ジェネレーター)、48V-12Vコンバーターで構成される48Vハイブリッドシステムが組み合わされている。

リアスタイルもスイフトスポーツそのもの。欧州では、ガソリン仕様はなく、ハイブリッド一本のラインナップとなる

 もちろん、エンジン自体にも改良が施されており、圧縮比の向上や電動吸気VVT(=可変バルブタイミング機構)、EGR(排気ガス再循環機構)を採用することで、燃焼効率を高めているという。

 注目のマイルドハイブリッド仕様のスペックは、最高出力129ps(95kW)/5500rpm、最大トルク235Nm/2000~3000rpmを発揮。追加されるIGS(※モーター)の最高出力13ps(10kW)を発生し、モーターアシストを行う。

 これに対して、日本の標準仕様は、最高出力140ps(103kW)/5500rpm、最大トルク230Nm/2500~3500rpmと、エンジン性能同士の比較では、スペックでは勝っている形だ。

モーターは日本仕様ハイブリッドから大幅出力アップ!?

日本仕様にも積まれる1.4Lターボ“ブースタージェット”エンジン。ただ、スペックは若干ディチューンされている

 そのわずかな性能差を埋めるのが、ISGの役目ということなのだろう。

 その働きは、日本市場にも投入されるスイフト・ハイブリッド(マイルドハイブリッド仕様)と同様に、アイドリングストップからのスムーズな再始動に加え、発進及び加速時のモーターによるアシストや走行中のエネルギー回生などを行うもの。

 だが、欧州仕様のカタログを見ていると、どうもスポーツモデルであり、MTのみとなるスイスポハイブリッド専用チューニングが加えられているようで、モーターアシストによる加速応答やターボレスポンスの向上にも、一役買っているようなのだ。

スイフトスポーツハイブリッドの「肝」である、48VのISG、リチウムイオンバッテリー、そしてコンバーター

 そもそもISGの性能も、スイフトマイルドハイブリッドが3.1ps(2.3kW)に対して、4倍以上のパワーが与えられていることにある。

 ただ、マイルドハイブリッド化による重量増もあり、乾燥重量は1025kgと公表されている。従来型の970kgと比較すると55kgもの重量差があるのは、ホットハッチとしては気になるところだ。

 もちろん、これにはハイブリッド化以外の装備追加によるものも含まれるようではあるが……。ちなみに、日本仕様のハイブリッドRSとRSの重量差は、10kgに留められている。

スイフトスポーツ“ハイブリッド化”の目的は?

こちらはフランス仕様のスイフトスポーツハイブリッド。その走りがモーターパワーを得たことで、どう変わるかも興味深い

 スイフトスポーツのマイルドハイブリッド化の目的は、もちろん、環境対策だ。CO2削減のために、マイルドハイブリッドやアイドリングストップの追加だけでなく、エンジンの改良やチューニングの変更も実施している。

 その結果、従来型に対して、燃費消費率が16%、CO2排出量が15%削減されたという(※NDECでの値)。また、最大トルク発生回転数も、2000rpmからに引き下げることで、より低回転域から力強い加速が得られるようにしている。

 欧州では「CAFE規制」の導入により、各社のモデルライン全体でのCO2排出量削減が課題となっている。各社に定められたCO2排出量の基準を超えたぶんは、罰金が科されるのはご存じの通り。そのため、彼の地では、身近なスポーツ&ホットハッチは、絶滅の危機に瀕している。

 そこでスイフトスポーツは、ハイブリッド化などの新技術の投入で、その楽しみを欧州ファンに届け続けるために努力しているわけだ。

 また1.4Lターボエンジンは、ビターラなどの他のスズキ車にも搭載されるが、こちらもマイルドハイブリッドへと変更されている。

全て日本製の“スイスポHV” それでも国内導入はない?

スイフトスポーツのバッジの下には「HYBRID」を示すプレート。スイフトスポーツハイブリッドも日本国内で生産されており、物理的には国内導入も可能だが……

 スズキの世界戦略車のひとつであるスイフトは、世界各地でも生産されているが、スイフトスポーツに関しては、全てが日本製で、静岡県牧之原市の相良工場で製造されている。

 投入地域は、日本、欧州、中南米、大洋州などをメインに、少数ではあるが、アジア、アフリカ、中近東にも輸出されているという。

 スズキによると、現時点で日本に関しては、スイフトスポーツをマイルドハイブリッド化する予定はないとのこと。また、海外も欧州以外の地域についても、現時点での計画はないそうだ。

 ターボエンジン+MT+マイルドハイブリッドの走りも少し気になるが、日本では当面、ピュアなスイスポが楽しめるということのようだ。

 欧州での価格は、イタリアで2万3850ユーロ(VAT込※付加価値税)で、約289万円と思ったよりも高価。日本とおなじ右ハンドルの英国でも同等なので、日本の感覚だとアバルト595を購入するような感覚なのかもしれない。

(編注:日本仕様スイフトスポーツ/6MT車の価格は201万7400円)

 この価格のためか、イタリア仕様では、2トーンルーフ仕様を含め、全13色が展開される。モノトーンも2トーンも日本よりも多くの色が選べるのだ。この点は、ちょっとうらやましい。

 スイフトスポーツがSUVなどで活躍する高性能パワートレインを搭載する恩恵でもあるが、ここまでの改良を加えても欧州投入で展開が続けられるというのは、ファンがいる証拠ともいえる。

 スイスポは、我々が世界に誇れるMADE IN JAPANの1台なのだ。

【画像ギャラリー】日本未発売! スイフトスポーツハイブリッドの気になる内外装を総チェック!!

こんな記事も読まれています

フェラーリF1、マイアミGPでSF-24のカラーリングを変更。2種類のブルーを取り入れたスペシャルバージョンを導入へ
フェラーリF1、マイアミGPでSF-24のカラーリングを変更。2種類のブルーを取り入れたスペシャルバージョンを導入へ
AUTOSPORT web
苦戦から一転。RBリカルド、F1中国GPでは「速さを感じていた」決勝ではあえなくストロール追突でリタイア
苦戦から一転。RBリカルド、F1中国GPでは「速さを感じていた」決勝ではあえなくストロール追突でリタイア
motorsport.com 日本版
カワサキ、2024年限りでWSBKのファクトリー参戦終了。復活するビモータにエンジン供給
カワサキ、2024年限りでWSBKのファクトリー参戦終了。復活するビモータにエンジン供給
motorsport.com 日本版
「岡山環状道路」2024年度延伸へ! 2本の国道結ぶ「南西区間」開通で岡山港方面も便利に
「岡山環状道路」2024年度延伸へ! 2本の国道結ぶ「南西区間」開通で岡山港方面も便利に
乗りものニュース
セゾン自動車火災保険、10月から「SOMPOダイレクト損害保険」へ
セゾン自動車火災保険、10月から「SOMPOダイレクト損害保険」へ
日刊自動車新聞
Uターン苦手なバイク初心者も大歓迎! ライディングを基礎から学ぶ「ヤマハ バイクレッスン」に、ほぼほぼ初心者ライダーの北向珠タがチャレンジしてみました!!
Uターン苦手なバイク初心者も大歓迎! ライディングを基礎から学ぶ「ヤマハ バイクレッスン」に、ほぼほぼ初心者ライダーの北向珠タがチャレンジしてみました!!
バイクのニュース
“メルセデス・ベンツの大定番”はどう進化? 新型「Eクラスステーションワゴン」公道での印象は? “人気低迷中のワゴン”でも人気が衰えない秘密とは
“メルセデス・ベンツの大定番”はどう進化? 新型「Eクラスステーションワゴン」公道での印象は? “人気低迷中のワゴン”でも人気が衰えない秘密とは
VAGUE
トヨタが「新ランドスケープ」発売! 685万円のゴツ×アゲな「クロスオーバー」公開! みんなの声は?
トヨタが「新ランドスケープ」発売! 685万円のゴツ×アゲな「クロスオーバー」公開! みんなの声は?
くるまのニュース
「カワサキ プラザ奈良」がグランドオープン!広い店内にゆったりと、新型車を中心に展示!  
「カワサキ プラザ奈良」がグランドオープン!広い店内にゆったりと、新型車を中心に展示!  
モーサイ
125ccスポーツ「ホンダCB125R」がマイナーチェンジ、フルカラー液晶メーターを新採用し52万8000円で4月25日発売
125ccスポーツ「ホンダCB125R」がマイナーチェンジ、フルカラー液晶メーターを新採用し52万8000円で4月25日発売
モーサイ
【絶賛発売中!】学校で自慢できる知識が盛りだくさん!マイナーなクルマが多いから大人まで楽しめる!『満タン豆チシキ!すごいクルマ事典』
【絶賛発売中!】学校で自慢できる知識が盛りだくさん!マイナーなクルマが多いから大人まで楽しめる!『満タン豆チシキ!すごいクルマ事典』
月刊自家用車WEB
排気量別でルート検索!?カーナビのパイオニアからバイク用音声ナビ「MOTTO GO(モットゴー)」がAndroidで公開
排気量別でルート検索!?カーナビのパイオニアからバイク用音声ナビ「MOTTO GO(モットゴー)」がAndroidで公開
月刊自家用車WEB
「F1は唯一無二。そして今や黄金期」ウイリアムズ、ポストコロナのF1旋風がスポンサー獲得の追い風に。コマツとの提携にも寄与
「F1は唯一無二。そして今や黄金期」ウイリアムズ、ポストコロナのF1旋風がスポンサー獲得の追い風に。コマツとの提携にも寄与
motorsport.com 日本版
スバル「レガシィ」生産終了へ 「フラッグシップセダン」36年の歴史に幕… SUV&電動化にシフト 北米法人が明らかに
スバル「レガシィ」生産終了へ 「フラッグシップセダン」36年の歴史に幕… SUV&電動化にシフト 北米法人が明らかに
くるまのニュース
ヨシムラが XSR125用「フェンダーレスKIT」の受注を開始!
ヨシムラが XSR125用「フェンダーレスKIT」の受注を開始!
バイクブロス
GW渋滞、阪神高速のピークはいつ・どこで発生? 最大33kmの渋滞を見込む【ゴールデンウィーク渋滞予測2024】
GW渋滞、阪神高速のピークはいつ・どこで発生? 最大33kmの渋滞を見込む【ゴールデンウィーク渋滞予測2024】
くるくら
BMW Mハイブリッド V8、WEC2戦目にして「士気を大きく高める」6位入賞。トヨタとのバトルも
BMW Mハイブリッド V8、WEC2戦目にして「士気を大きく高める」6位入賞。トヨタとのバトルも
AUTOSPORT web
マイナーチェンジで、アウトドアテイストをプラスした「HuNT(ハント)パッケージ」を新設定。ホンダ、改良型ヴェゼルの発売を開始
マイナーチェンジで、アウトドアテイストをプラスした「HuNT(ハント)パッケージ」を新設定。ホンダ、改良型ヴェゼルの発売を開始
月刊自家用車WEB

みんなのコメント

15件
  • 個人的にはハイブリッドと聞くと全くウキウキしないが、欧州でのスイスポの健闘は祈る
  • 環境規制も過剰だろ
    うんざりなんだが
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

172.7233.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

7.8380.8万円

中古車を検索
スイフトの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

172.7233.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

7.8380.8万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村