2023年シーズン後半戦の初戦となるイギリスGPに、苦しいシーズンを送っているホンダは新しい空力デバイスを持ち込んだ。テストライダーのステファン・ブラドルによってテストされたそれらは、中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)のマシンに投入された。
フロントカウル左右の空力デバイスはより厚く大きくなり、端的に言えば、ドゥカティ デスモセディチGP23やKTM RC16の形状に近いものとなった。サイドの空力デバイスも同様だ。加えて、グランドエフェクト・フェアリングを備え、ラジエーター下部にも空力デバイスらしき形状が見られる。シャシーには、ホンダがフランスGP以降に投入したカレックス製が使われたという。
これら新たな空力デバイスの形状から、ダウンフォースの増加を目的としていることがうかがえる。今季、ホンダはダウンフォースの減少にともない、ウィリーが増えた。ウィリーすればこれを抑えようとウィリーコントロールが介入するため、立ち上がりの加速で後れをとる要因となっていた。金曜日のセッションで従来の空力デバイスと新空力デバイスのパッケージを比較した中上は、「立ち上がりでのウィリーは思った以上に少なくなった」と言う。
「(新しい空力デバイスは従来のものと)かなり違いますね。特にフロントのフィーリングです。簡単に言うと、極端にダウンフォースが増えました。今後についてはこの方向性で動いています」
ただ、新しい空力デバイスがホンダの長い不振を治す特効薬なのかといえば、そう簡単な話ではない。
「ダウンフォースがかなり上がった分、バイクのバランスが非常にフロント寄りになってしまっています。ブラドルが先にヘレスでテストしているのですが、あまりにもフロント荷重になりすぎる、とは聞いていました。ライディングポジションを少し後ろにするなどして調整しているんですけど、それでもまだ足りないな、という感じです。それだけダウンフォースの強さが影響しているんです。感覚が全く違いますね」
「ダウンフォースの強さは必要ではありますが、(必要なのは)加速だけではないし、バランスも必要です。特にハイスピードからのバイクの動きというのがあまりよくないんです。ダウンフォースが強い分、僕としてはもうちょっと重心をリヤ寄りにしたいですね。リヤのグリップもちょっと落ちてしまっているので、影響が強いです。今後、時間をかけて可能性を見つけ出していきます。調整が必要だとは予想していましたし、HRCからも言われていました」
中上は金曜日午前中のフリープラクティス1を18番手、予選のQ1、Q2の振り分けを決める重要なセッションである午後のプラクティスを20番手で終えているが、「どちらかというと、今週は、テスト要素のほうが強いですね」と語った。
「第一印象で従来の空力デバイスに戻すことは予定していません。順位にはあまりフォーカスしていなくて、できるだけ新しいエアロパッケージで進めていくつもりです。良かろうと悪かろうと、可能性を信じていってほしいとのことだったので、僕も自分も気持ちを切り替えたんです。タイムが出ていなくても、フィーリングが悪くても、新しいほうで、将来を見据えて進んでいく予定です」
土曜日、日曜日については新しい空力デバイスのパッケージを使用するか不明とのことだが、新しいもので進める方向に前向きではあるということだ。
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みんなのコメント
ホンダは、もっと早くガミさんに注力すべきでしたね。