この記事をまとめると
■M-TECHが有するブランド「無限」はホンダ車向けのパーツを多く手掛けている
無限の限定コンプリートカーなのに不人気だった……しかもいまなお中古は安い! ワンチャン値上がりが狙える「CR-Z MUGEN RZ」とは
■限定車もたまに販売しておりその第3弾が「S660 MUGEN RA」だった
■足まわりを中心に手を加えたコンプリートカーで660台が販売された
軽オープンスポーツを無限が再解釈
先日、本WEBサイトにて無限が手がけたハイブリッドコンプリートスポーツカー、「CR-Z MUGEN RZ」を紹介した。このクルマは、往年の傑作ホットハッチ「CR-Xの再来」といわれていた3ドアハッチバックのハイブリッドマシン、CR-Zにスーパーチャージャーや専用エアロなどを与え、スペックを大幅に引き上げた300台の限定車であった。ただし、通常モデルの2倍近い価格も災いして、限定車でありながらも即完売せず、2年近く在庫があったといわれている。あまり人気がないこともあってか、中古車価格もプレミア価格にはなっていない。
そのほかにも無限では、3代目シビックタイプRをベースに、カーボン製バンパーや専用チューニングエンジンを与えた無限RRなるモデルも過去に販売。こちらは受注をスタートしたところ、10分ほどで完売したそうだ。こちらに関しては現在、新車価格の3倍以上で中古車が取り引きされているケースも珍しくない。
ほかにも、世界中で起こっている日本のネオクラシックカーブームの影響からか、かつてのホンダのスポーツカー向けの無限製パーツが、オークションを中心に凄まじい値段をつけており、まさに無限バブルといった状況だ。
「そもそも無限ってなんだ?」って人のために少し説明しておくと、この無限というのは、ホンダ車用のアクセサリーやカスタマイズパーツなどを手がけている、M-TECHが有するブランドだ。しかし、ただのアクセサリーメーカーではなく、かつてはホンダと協業という形でF1にエンジンを供給していたほか、完全自社開発のエンジンをF1に供給していたこともある、日本のモータースポーツを語る上で欠かせない存在である。
ちなみにこれだけホンダと密接な関係でありながらも、子会社でも関連企業でもない点がまた面白い。ただし、創業者である本田博俊はかの本田宗一郎の長男であったことから、まったくの無縁というわけでもなかった。
さて、そんな無限であるが、前述のシビックタイプRやCR-Zといったコンプリートカーのほかに、じつは軽自動車でも無限が手掛けたコンプリートモデルが存在する。それが、「ビートの再来だ!」としてデビュー当時に話題となった、S660をベースにした「S660 MUGEN RA」である。
この車両はエンジンチューニングまで施されたシビックタイプRやCR-Zとは異なり、ややライトな内容。しかし、ガワを特別仕様にした”なんちゃって”モデルとは一線を画す中身であった。
まず特徴的なのはそのエクステリア。バンパーの形状自体は通常のS660と同じだが、フロント中央部に取り付けられたグリルは、「S660 MUGEN RA」専用デザイン。さらにこれは、レース車両に使われることが多い、高価なドライカーボン製であった。そのグリルには、「RA」という専用エンブレムが取り付けられ、ひと目でただのS660ではないことがわかる演出がなされていた。
誰もが気軽に楽しめた無限のDNA
そしてこの「S660 MUGEN RA」の真骨頂ともいえるのが、専用の足まわりだ。なんと標準でビルシュタイン製のネジ式車高調が取り付けられており、最大25mmの下げ幅を稼ぐことができる設定とされていた。いまどき、格安車高調ですら全長式(フルタップ)が多いので「ネジ式?」と思う人もいるかもしれないが、ネジ式車高調のほうが構造がシンプルで耐久性が高く、チューブ内のオイル容量も稼げるので、じつは単純にスペックで比較すれば全長式よりも優れている場合も珍しくない。実際、レーシングカーもネジ式を採用するケースは多い。ビルシュタイン製となった背景には、「さまざまなパーツをテストしたなかで、1番相性がよかったから」と語られている。
また、ホイールは無限が設計したモノをBBSが鍛造にて製造。標準のS660と比較して、1台あたり合計でマイナス5.8kgの軽量化を果たしている点も見逃せない。ちなみにホイールサイズは標準モデルと同等となる。そのほかにも、野太いサウンドが特徴的な専用マフラーもインストールされていたので、乗っていて間違いなく刺激的な1台に仕上がっていた。当然、無限の名を背負う以上、開発はサーキットを中心に行われていたことはいうまでもない。
車内も「MUGEN」の刺繍が入った真紅の専用シートであったり、メーターパネル内にも「MUGEN」の表記があったり、専用シフトノブや専用ステアリング、専用イグニッションスイッチ、限定車には欠かせないシリアルプレートを採り入れるなどなど、性能だけでなく所有感を満たしてくれる視覚的な演出も織り込まれていた。ボディカラーはフレームレッドのほか、プレミアムスターホワイトパールとプレミアムミスティックナイトパールの3色が用意され、先の2台の限定車よりも選択肢が広かった。
ちなみに、S660は業界の自主規制値である64馬力を最初から出しているので、エンジンまわりにはとくに手は加えられていない。よって、エンジンパフォーマンス自体は標準車同等だ。なお、「S660 MUGEN RA」はシビックタイプRやCR-Zと異なり、CVTモデルも選べたので、MT車に乗れない人や得意でない人も選べる仕様で販売されていた点もトピック。誰もが無限テイストを楽しめるパッケージングであった。
余談であるが、「RA」とはレーシングの「R」と、ユーザーがここからさらに自由にカスタマイズなどをして楽しめる、スタートや始まりの意味をもつ「A」が組み合わされてできた名前だ。
この「S660 MUGEN RA」は、その足まわりの完成度の高さから、エンジンパワーに対して足が勝っているともいわれたほどで、このまま乗るもよし、チューニングするもよしという、まさに「A」の名に相応しいモデルだった。
標準車に約プラス70万円というリーズナブルな価格も影響して、限定660台は早々に完売したという。
S660は、生産終了が発表されてからあまりの駆け込み需要があった影響で、急遽増産に走るなど、最後まで人気の高いモデルであったこともあり、現在もそこそこ高い中古車相場を維持している。よってこの「S660 MUGEN RA」も、新車価格が289万円だったのに対し、その額を下まわる物件もわずかにあるものの、多くは新車価格を超えた価格で販売されている。しかし、第2世代GT-RやシビックタイプRのようにとんでもないプレミア値にもなっていないので、気になっている人は早めに動いたほうがよさそうだ。
ちなみにS660には、通常モデル向けのエアロパーツなども多数展開しており、これらのパーツの人気も高かった。なのでイベントで無限パーツを装着したS660は多く目にすることができる。
このほかにも、こちらもホンダのワークス的な立ち位置にいる、ホンダアクセスが手掛けたモデューロXなる、足まわりと空力を重視した限定車もあるが、こちらの紹介はまたの機会に。
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みんなのコメント
抽選でしたので2件申し込んだ方がいて、余ったから2台とも当選し、キャンセルダメで、赤色2台納車された1台をヤフオクに。
赤ということもあり、かなり安く売られていました。
私はその車を買おうと思いましたが、無限に問い合わせをして、販売終了後に好きな色も選べて購入。
即購入しなかったのは元の作りが悪いという評判で、私の購入した車両も評価の通り、ボンネットを開けると内部の接合部各所に錆が浮いていた。
ノーマルとの違いで自己満足出来るのはカーボングリルとオリジナルホイールだけで、ドライカーボンのグリルはUVカット塗装されていない為、数ヶ月で白化したという報告があり、私の車両はシートの合皮がひび割れて剥離したので、3年経たずに手放しました。
RA専用パーツが付いた標準車であり、他の方の仰る通りモデューロXの方が評価、中古価格とも高いから買うならそちらをお勧めします。
モデューロXは2500台