現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > トラブルの修復で走行時間を大幅ロス。予選11番手は「よくリカバリーした」とホンダ折原GMが評価【角田裕毅F1第10戦展望】

ここから本文です

トラブルの修復で走行時間を大幅ロス。予選11番手は「よくリカバリーした」とホンダ折原GMが評価【角田裕毅F1第10戦展望】

掲載 17
トラブルの修復で走行時間を大幅ロス。予選11番手は「よくリカバリーした」とホンダ折原GMが評価【角田裕毅F1第10戦展望】

 2025年F1第10戦カナダGP土曜日の予選前に行われたフリー走行3回目で、赤旗時に角田裕毅(レッドブル)がオスカー・ピアストリ(マクラーレン)をオーバーテイクしたとして、10グリッド降格の処分が科せられた。

 問題が起きたのはセッションが開始して20分が過ぎたときだった。ピアストリが最終コーナーでコンクリートウォールに接触。ピアストリは接触によって右リヤタイヤがパンクしていたため、スロー走行でピットへと向かっていた。そのため、アイザック・ハジャー(レーシングブルズ)がピアストリをオーバーテイクしていったが、このときはまだ赤旗が出されていなかった。

角田裕毅、アップグレードで予選11番手「速さが増したと感じるが、慣れる時間が必要」10位降格には強い不満示す

 ハジャーがピアストリを抜いた後に、飛散したパーツを片付けるために赤旗が提示される。このとき、ピアストリに接近していた最初のマシンが角田だった。角田はバックストレートでピアストリに追いつき、抜いていった。スチュワード(審議委員)の報告によれば、「81号車(ピアストリ)は時速86kmで走行し、22号車(角田)は時速171kmで走行し、81号車を追い抜いた」という。

 角田はこう語る。

「僕はそのペナルティを受けるに値しないと思います。もちろん、赤旗下ではオーバーテイクできないことは理解しています。でも、オスカーはバックストレートで時速80kmで走行していました。しかも、彼は大きな損傷を負い、パーツを散乱させていました。破片が自分に当たる可能性があったので、後方を確認してラインを右に変えました。もちろん、通常より大幅に速度を落としました。これ以上、どうすることもできません。本当にフラストレーションがたまります」

 バックストレートでは通常時速300kmで走行しているので、角田の時速171kmはかなり減速したといえる。ただし、赤旗での追い越しは原則禁止。角田の次にピアストリに接近したルイス・ハミルトン(フェラーリ)がオーバーテイクしていないことを考えれば、もう少し慎重になるべきだった。

 ただ、角田の気持ちもわかる。なぜなら、角田はこのとき右フロント周りにトラブルを抱えていたからだ。少しでも早くピットに戻りたかったのには、もうひとつ理由があった。土曜日から角田はフロアを新しいスペックに交換していたため、セットアップの調整が必要だった。

 急いでピットインした角田だったが、トラブルを修復するのに時間を要し、ほとんど走ることができないまま、フリー走行3回目は終了した。

「金曜日とはかなりクルマの挙動が違って、それに合わせたセッティングができないまま予選を迎えたので、正直Q1で脱落することを覚悟していた」と語る角田。なんとかQ1を14番手で通過したが、Q2で10番手のハジャーにコンマ1秒足りずに11番手に終わり、Q3に進出することはできなかった。

 チームメイトのマックス・フェルスタッペンがQ2からミディアムタイヤを履いて、最終的に予選2番手を獲得。角田にはミディアムタイヤを履くという選択肢はなかったのか。ホンダ・レーシング(HRC)の折原伸太郎(トラックサイドゼネラルマネージャー)はこう語る。

「FP3でまともに走ることができていなかったので、予選では同じコンパウンドで走り続けて、(新しいフロアを搭載したクルマに)慣れていくことが重要だという判断だったと思います」

 ペナルティは残念だったが、フリー走行3回目でトラブルに見舞われながら、予選で11番手につける速さを見せたことは大きな収穫。これでスペインGPの謎の失速の不安は払拭できた。折原GMも、次のように評価した。

「FP3であれだけ時間をロスしたなかで、予選11番手は『よくリカバリーした』と言っていいと思います」

 ペナルティは残念だが、ここはオーバーテイクが可能なコース。最後尾から追い上げていってほしい。

[オートスポーツweb 2025年06月15日]

文:AUTOSPORT web
【キャンペーン】第2・4金土日は7円/L引き!ガソリン・軽油をお得に給油!(要マイカー登録&特定情報の入力)

こんな記事も読まれています

アタック直前のデプロイ切れに足を引っ張られQ3逃す。一方クルマに「自信を持てている」と好感触【角田裕毅F1第12戦展望】
アタック直前のデプロイ切れに足を引っ張られQ3逃す。一方クルマに「自信を持てている」と好感触【角田裕毅F1第12戦展望】
AUTOSPORT web
ペースに苦しんだ角田裕毅、10秒ペナルティもあり15位「雨には自信があったから困惑」次戦アップデートに期待
ペースに苦しんだ角田裕毅、10秒ペナルティもあり15位「雨には自信があったから困惑」次戦アップデートに期待
AUTOSPORT web
タイヤ劣化も大きく、ドライ予想のセッティングがペースアップを阻んだか。三部社長もエールを送る【角田裕毅F1第12戦分析】
タイヤ劣化も大きく、ドライ予想のセッティングがペースアップを阻んだか。三部社長もエールを送る【角田裕毅F1第12戦分析】
AUTOSPORT web
2戦連続のエンジントラブル。宮田莉朋「受け止めにくい状況が続いたダブルヘッダー」/FIA F2第8戦レビュー
2戦連続のエンジントラブル。宮田莉朋「受け止めにくい状況が続いたダブルヘッダー」/FIA F2第8戦レビュー
AUTOSPORT web
赤旗時クラッシュのベアマン、予選ベスト8番手も10位降格に「愚かなミスをした自分に腹が立つ。時間を戻したい」
赤旗時クラッシュのベアマン、予選ベスト8番手も10位降格に「愚かなミスをした自分に腹が立つ。時間を戻したい」
AUTOSPORT web
角田裕毅、パワーロスに見舞われ予選Q2敗退「必ず何かが起きてしまう。Q3に進めたはずだから悔しい」代表は走りを称賛
角田裕毅、パワーロスに見舞われ予選Q2敗退「必ず何かが起きてしまう。Q3に進めたはずだから悔しい」代表は走りを称賛
AUTOSPORT web
ハミルトン、レース開始直後からGPSが使えず。代表は終盤のタイヤ交換が1周早かったと認めるも、判断を擁護
ハミルトン、レース開始直後からGPSが使えず。代表は終盤のタイヤ交換が1周早かったと認めるも、判断を擁護
AUTOSPORT web
「荒れた展開のレースを活かせなかった」「リスクが報われ、正しい戦略判断が功を奏した」/F1第12戦決勝コメント(1)
「荒れた展開のレースを活かせなかった」「リスクが報われ、正しい戦略判断が功を奏した」/F1第12戦決勝コメント(1)
AUTOSPORT web
アストンのストロール、アグレッシブな戦略で3番手に浮上も、タイヤに苦しみ7位。アロンソは悔いが残るレースで9位
アストンのストロール、アグレッシブな戦略で3番手に浮上も、タイヤに苦しみ7位。アロンソは悔いが残るレースで9位
AUTOSPORT web
2戦連続で最下位。角田裕毅に一体何が?「本来、雨は得意だけど……」イギリスGP決は再び10秒ペナルティとタイヤに苦しむ
2戦連続で最下位。角田裕毅に一体何が?「本来、雨は得意だけど……」イギリスGP決は再び10秒ペナルティとタイヤに苦しむ
motorsport.com 日本版
サインツ、終盤はルクレールとの接触でダメージを負ったまま完走「これが僕のシーズンの現状のようだ」
サインツ、終盤はルクレールとの接触でダメージを負ったまま完走「これが僕のシーズンの現状のようだ」
AUTOSPORT web
好調だったフェラーリ、予選で輝けず。ハミルトン「最終コーナーでの乱れが響いた」ルクレールは自分に苛立ち
好調だったフェラーリ、予選で輝けず。ハミルトン「最終コーナーでの乱れが響いた」ルクレールは自分に苛立ち
AUTOSPORT web
「しっかりまとめられたと思う」「今週末は間違いなくマシンにいい感触を持っている」/F1第12戦予選コメント(2)
「しっかりまとめられたと思う」「今週末は間違いなくマシンにいい感触を持っている」/F1第12戦予選コメント(2)
AUTOSPORT web
小椋藍、低速セクションで苦戦も改善し13番手「差は縮まっている」/第11戦ドイツGP
小椋藍、低速セクションで苦戦も改善し13番手「差は縮まっている」/第11戦ドイツGP
AUTOSPORT web
角田裕毅への10秒ペナルティ裁定は妥当だったのか? 当事者ベアマンは言葉を濁す「正直分からない」
角田裕毅への10秒ペナルティ裁定は妥当だったのか? 当事者ベアマンは言葉を濁す「正直分からない」
motorsport.com 日本版
セットアップの賭けが外れたフェルスタッペン、スピンで5位「今はもうタイトルは関係ない。また次戦頑張るだけ」
セットアップの賭けが外れたフェルスタッペン、スピンで5位「今はもうタイトルは関係ない。また次戦頑張るだけ」
AUTOSPORT web
メルセデス、判断ミスの連続で1点にとどまる。4番グリッドのラッセルは10位、アントネッリはアクシデントでリタイア
メルセデス、判断ミスの連続で1点にとどまる。4番グリッドのラッセルは10位、アントネッリはアクシデントでリタイア
AUTOSPORT web
ハミルトン4位、今季初表彰台に届かず「このマシンは複雑なコンディションが苦手」戦略を誤ったルクレールは14位
ハミルトン4位、今季初表彰台に届かず「このマシンは複雑なコンディションが苦手」戦略を誤ったルクレールは14位
AUTOSPORT web

みんなのコメント

17件
  • u*o********
    プロレーサーでさえ誰もが味わえない苦難の状況の中よく頑張っていると思う。
    最近では同じ日本人?なのか誹謗するアンチも沸いてきているし、でもココが踏ん張りどころ。
     内側の人達は苦労している事も頑張っている事も分かっている、それに確りと良い結果や運が付いて来てほしい!
  • あーどまん
    ホントに同じ日本人を応援出来ないってのは、日本人嫌いの他国籍の人か、嫉妬か、逆張り好きの天邪鬼か、マイノリティで、リベラル思想の俺カッコいいと思ってる人かだね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村