現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 軽トラ/軽キャブバンの電動化とは…EVか、HVか? スズキとダイハツが軽商用車で協業

ここから本文です

軽トラ/軽キャブバンの電動化とは…EVか、HVか? スズキとダイハツが軽商用車で協業

掲載 更新 3
軽トラ/軽キャブバンの電動化とは…EVか、HVか? スズキとダイハツが軽商用車で協業

2021年7月21日にスズキとダイハツが軽商用事業でCASE(Connected=つながる/Autonomous=自動運転/Shared&services=シェアリング/Electric=電気、といった自動車産業の新潮流のこと)普及に向けて協業を発表した。

注目はトヨタのCASE技術を活用した、軽に相応しい先進安全技術の開発や電動化の動きである。先進安全技術については、協業する各社(トヨタ、スズキ、ダイハツ、いすゞ、日野)の技術、ノウハウを持ち寄り、将来の展開を見据えて、より廉価な先進安全技術の開発を検討する。また、軽商用領域の電動化については、カーボンニュートラルに向けて、電動ユニットなどの技術協力を実施し、開発リソースを集約することで、廉価で魅力的な軽の電動車の開発にチャレンジするという。

純粋無垢なクルマで温泉に誘え!辻谷エミリ×N-ONE【それいけ!温泉ガール妄想記:第12回】

ライバルとしてしのぎを削ってきたスズキとダイハツの2社が手を取り合うというのは驚きのニュースである。両社のトップは次のように話している。

「国民車であり、ライフラインである軽自動車を時代の変化に合わせて進化させ、お客様の生活をより豊かにする道具として先人たちが作り上げてきた“芸術品”のバトンを未来につなぎたい、それが我々の使命であり、願いです」(スズキ・鈴木俊宏社長)

「お求めやすい価格を維持しながら、CASE技術を普及し、CO2を現状よりさらに低減していくことは、並大抵のことではないというのが我々の認識です。まさに100年に一度の大変革。これらの課題を単独で対応することは非常に難しく、業界の枠を超えた取り組みが必要です」(ダイハツ・奥平総一郎社長)

以前から両社のトップは、お客様のために一緒にできることはないかと議論を重ねてきたところに、トヨタの豊田章男社長から商用車5社(トヨタ、いすゞ、日野、スズキ、ダイハツ)での協業の話がもたらされたという。

軽商用車の分野で、スズキ、ダイハツともに、もはや単独でのCASE対応が難しいとのことで、気になるのは今後の軽商用車の動きである。ホンダがアクティトラックの生産を終了した現在、軽トラック(スズキ キャリイ/ダイハツ ハイゼットトラック)と軽キャブオーバーバン(スズキ エブリイ/ダイハツ ハイゼットカーゴ)は両社しか生産していない。両社が果たしてどこまで手を取り合うのかが焦点である。

究極の合理化はメーカーを超えたモデルの集約だが、ライバル関係にある両社とって現段階では考えにくい選択肢であろう。現状では、デザインやパッケージングなどは商品の独自性の根幹だけに、両社ともに譲れないはずだ。一方で、発表があったとおり、先進安全装備や電動化といった部分については、価格を抑えるために、システムの共用化が行われていくことになるだろう。新機構は場合によってはフルモデルチェンジのタイミングでないと導入できないことも考えられるが、1世代のサイクルが長い商用車だけに、どのタイミングで採用するのかが注目される。

特に電動化については、鈴木俊宏社長は「バッテリーの量を減らしながら、どうやって走らせることができるか」が重要であると記者会見で述べている。軽自動車は今まで「小さく、軽く、安く」作ってきた。ダイハツでは「1mm、1グラム、1円」にこだわり、スズキは「小・少・軽・短・美」をものづくりの根幹としている。電動化ではEV(電気自動車)の路線もあり、三菱自動車が「ミニキャブミーブ」を21年3月まで一般販売(一部大口ユーザー向けには継続生産中)してきたが、軽商用車では、価格を抑えてクルマを軽くするためには、EV化よりもハイブリッド車とするのがより現実的な路線と思われる。その駆動用バッテリーの量を減らすのがポイントであるが、トヨタのCASE技術を活用して最適な解が得られるのかが鍵になる。

かつて、2005年8月にダイハツは軽商用車初のハイブリッド車「ハイゼットカーゴ ハイブリッド」を発売した。エンジンとATの間に薄型のモーターを組み込んだ1モーター方式のハイブリッド車(ニッケル水素電池)で、価格は221万5500円(税込み)だった。数百台の生産にとどまり、2010年で販売が打ち切られている。カーボンニュートラルといった面で、軽商用車もいよいよ電動化の必要に迫られているが、今回は果たして成功するのだろうか? 

〈文=ドライバーWeb編集部〉

こんな記事も読まれています

スズキ「新型スイフト“セダン”」!? 精悍顔「コンパクトセダン」は意外と現実的! 次期型「ディザイア」なCGがスゴイ
スズキ「新型スイフト“セダン”」!? 精悍顔「コンパクトセダン」は意外と現実的! 次期型「ディザイア」なCGがスゴイ
くるまのニュース
「Try, Hyundai EV試乗会 KONA&IONIQ 5」の追加開催決定! 5月11日(土)から4都府県で順次開催
「Try, Hyundai EV試乗会 KONA&IONIQ 5」の追加開催決定! 5月11日(土)から4都府県で順次開催
カー・アンド・ドライバー
スバル伝説のスタイリッシュクーペ「アルシオーネSVX」ってどんなクルマ? 32年前の“右ハンドル仕様”を米国で発見
スバル伝説のスタイリッシュクーペ「アルシオーネSVX」ってどんなクルマ? 32年前の“右ハンドル仕様”を米国で発見
VAGUE
ますます魅力的……ホンダ軽商用バンN-VANが一部改良 Nシリーズ10周年記念車はアウトドアテイスト満点!!!
ますます魅力的……ホンダ軽商用バンN-VANが一部改良 Nシリーズ10周年記念車はアウトドアテイスト満点!!!
ベストカーWeb
トヨタ新型「ランクル250 エアロ仕様」初公開! オシャ&タフな精悍スタイル!? リアスポイラーも設定
トヨタ新型「ランクル250 エアロ仕様」初公開! オシャ&タフな精悍スタイル!? リアスポイラーも設定
くるまのニュース
R34GT-Rはタービン交換に40万円!? 中古で激安の過走行車購入はアリなの? 10年/10万kmのメンテ費用はいくらかかるのか
R34GT-Rはタービン交換に40万円!? 中古で激安の過走行車購入はアリなの? 10年/10万kmのメンテ費用はいくらかかるのか
ベストカーWeb
うおおおお!!!!!!!! やっぱあったじゃん新型マツダ6セダン!!! 待望のFRで高級サルーン爆誕か!?!?
うおおおお!!!!!!!! やっぱあったじゃん新型マツダ6セダン!!! 待望のFRで高級サルーン爆誕か!?!?
ベストカーWeb
スズキ「Vストローム250SX」【1分で読める 国内メーカーのバイク紹介 2024年現行モデル】
スズキ「Vストローム250SX」【1分で読める 国内メーカーのバイク紹介 2024年現行モデル】
webオートバイ
スズキ「スイフト」が英国で圧倒的支持を受ける理由 顧客満足度8度目の1位、信頼性ランキングも2位という揺るぎない実績
スズキ「スイフト」が英国で圧倒的支持を受ける理由 顧客満足度8度目の1位、信頼性ランキングも2位という揺るぎない実績
Merkmal
異次元のSTIモデルだ! 歴代Sシリーズで唯一SがつかないR205の走りがヤバすぎた!!!
異次元のSTIモデルだ! 歴代Sシリーズで唯一SがつかないR205の走りがヤバすぎた!!!
ベストカーWeb
最高のミニバンキャンパーはこれだ! 4人が寝られるトヨタ ノアがベースのキャンパー
最高のミニバンキャンパーはこれだ! 4人が寝られるトヨタ ノアがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB
SFドライバーのテオ・プルシェールがインディカー参戦決定。第2戦ロングビーチでマクラーレンから代役出走へ
SFドライバーのテオ・プルシェールがインディカー参戦決定。第2戦ロングビーチでマクラーレンから代役出走へ
AUTOSPORT web
未来のWRC戦士は誰だ? 若武者激突! モリゾウチャレンジカップ第2戦レポート
未来のWRC戦士は誰だ? 若武者激突! モリゾウチャレンジカップ第2戦レポート
ベストカーWeb
プリウスもない! クラウンセダンにもない! 最近フォグランプのあるクルマ減ってない?
プリウスもない! クラウンセダンにもない! 最近フォグランプのあるクルマ減ってない?
ベストカーWeb
宮田莉朋が2度目のWEC出走へ。第3戦スパでレクサスRC F GT3を代役ドライブ
宮田莉朋が2度目のWEC出走へ。第3戦スパでレクサスRC F GT3を代役ドライブ
AUTOSPORT web
中央道の渋滞対策2ストライク、三振間近! なぜ愚策が繰り返されるのか?[清水草一の道路ニュース]
中央道の渋滞対策2ストライク、三振間近! なぜ愚策が繰り返されるのか?[清水草一の道路ニュース]
ベストカーWeb
大型連休でも大活躍! 6名以上乗れる手頃な価格の中古車4選
大型連休でも大活躍! 6名以上乗れる手頃な価格の中古車4選
グーネット
ハイブリッドなのにスポーツカー⁉️ C 63 Sに新世代のAMGを見た
ハイブリッドなのにスポーツカー⁉️ C 63 Sに新世代のAMGを見た
グーネット

みんなのコメント

3件
  • なんか一方的にダイハツが恩恵受けるんじゃない?
    スズキに比べ技術的に随分遅れてるからね
  • 電動を昔から気合い入れていたのがダイハツ くらいという・・・。
    チョッパ制御のEVデルタトラックとかあったそうな。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

110.0168.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1.0385.0万円

中古車を検索
ハイゼットカーゴの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

110.0168.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1.0385.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村