想像以上に優しい1100ps以上が噂されるAMG
最高出力1100ps以上が噂されるメルセデスAMGの割に、発進直後の印象は想像以上に優しい。スタビリティ・コントロールはスポーツ・モードにあるが、GT 4ドアクーペの試作車は、落ち着き払ったマナーで疾走する。
【画像】シートへ伝わる微振動 AMG GT 4ドアクーペ 現行モデル 電動の次期試作車も 全107枚
とはいえ、高性能なバッテリーEVへ期待する挙動ではある。フロントタイヤのグリップ力は絶大。電子制御システムが、確実な制御を目立たず実行する。ステアリングは適度に重く正確で、スムーズな感覚は高度な敏捷性を予感させる。
ドイツ北西部、パーペンブルク郊外に位置するテストコースのテクニカルなルートへ踏み入ると、新たな領域が顕になる。スポーツ+モードへ切り替え、アクセルペダルを積極的に傾ければ、様相は一変。凄まじくシャープでシームレスに、直線を加速していく。
圧倒的な動力性能を緻密に制御するレスポンスが、GT 4ドアクーペの個性を醸成する。特有の価値を構成している。
特性は729通りに微調整が可能
メルセデスAMGは、2022年から独自に電動4ドアサルーンの創出を進めてきた。GT XXを名乗り、1360psの最高出力がうたわれる、技術的なスタディモデルで。果たして、今回筆者がステアリングホイールを握ったのは、その量産版プロトタイプだ。
レース・モードを選択し、3つのダイヤルを回すと、瞬時に挙動は変化する。すべてが開放され、アクセルレスポンスは一層鋭くなり、リアアクスルはエネルギッシュになる。
トラクションや敏捷性、応答性は9段階から選択可能。ドライブモード毎に特性は用意されているが、更に729通りで微調整できるという。後輪操舵システムも備わる。
低い重心と巧妙なサスペンションで、姿勢制御は秀抜。カーブへ飛び込んでも、ボディはフラットさが保たれる。大柄なサイズから抱く予想を裏切るように、素早く反応し、落ち着きを乱さない。
シートへ伝わるV8エンジンを模した微振動
プラットフォームは、ゼロから開発されたAMG.EA。駆動用モーターはリアに2基、フロントに1基の合計3基で、4マティック+と呼ばれる可変式四輪駆動を採用する。
そのモーターは英国のYasa社との共同開発による、アキシャルフラックス・ユニット。従来より小型・軽量で、リア左右のトルク割合も瞬時に制御でき、一層ダイレクトな回頭性を得たという。インバータやトランスミッションも、一体化されている。
駆動用バッテリーは、フロアとセンタートンネル部分に搭載。セルは直接液冷され、安定的に電力を提供し、システム電圧は800Vで最大500kWの急速充電に対応する。
運転体験を豊かにする、フィードバック・システムも新しい。速度に合わせて、操縦系だけでなく、シートにもV8エンジンを模したような微振動が伝わる。人工サウンドと相乗し、エンジンの脈動を感覚的に再現し、クルマとの一体感を高める狙いがある。
ドライバーの意図を汲み取るリアアクスル
ステアリングホイール裏のパドルで、擬似的な変速も可能。ここでも、人工サウンドが効果的に機能する。メーターパネルへ描かれるタコメーターは、まるで回転数を機械的に拾うように細かく震える。お好みでなければ、静寂の中で走ることもできるが。
タイトコーナーでアクセルペダルを踏み込むと、リアタイヤがラインを引き締め、フロントタイヤの負荷を分散。更に角度を深めると、滑らかにテールスライド。極めて手懐けやすく、右足を戻せば、穏やかなコーナリングへ自然に戻る。
この能力の幅こそ、次世代の真骨頂だろう。リアアクスルは、ドライバーの意図を汲み取り、自在な操縦を可能としている。お節介さは皆無に、運転の喜びを高めている。
サスペンションは、アクティブライド・コントロール・エアスプリングが標準。ダンパーは相互リンクされ、セミアクティブ・アンチロール機能を実装する。その結果、望まない硬さを排除しつつ、フラットな姿勢制御を叶えている。
先代をEVにしたものとは根本的に異なる
ボディは偽装されていたが、流麗なルーフラインは一目瞭然。現行のGT 4ドアクーペより低く長く、幅も広い。アクティブエアロが、カムテール風のリアに備わる。
インテリアも偽装されていたが、低くゆったり座る運転姿勢は従来通り。センターコンソールは左右のシートを仕切るように高く、コクピット感を強める。手元には、先述のコントローラーが3つ並ぶ。ダイヤルを回すと、機械的な感触を伴い心地良い。
ドライバー正面には、10.2インチのメーター用モニター。ダッシュボード中央には14.0インチのタッチモニターがあり、助手席側にも3面目が備わる。後席は、傾斜したルーフから想像するより広い。心地よい春の日差しが、天井のガラスから差し込む。
次世代GT 4ドアクーペは、先代をEVにしたものとは根本的に異なるだろう。操縦性や一体感を重視しつつ、一層のメルセデスAMGらしさも追求されている。ブランドの重大な再出発を象徴するモデルが、まもなく姿を表す。
メルセデスAMG GT 4ドアクーペ(プロトタイプ)のスペック
英国価格:約20万ポンド(約4200万円/予想)
全長:−mm
全幅:−mm
全高:−mm
最高速度:305km/h(予想)
0-100km/h加速:2.2秒(予想)
航続距離:−km
電費:−km/kWh
CO2排出量:−g/km
車両重量:2200kg(予想)
パワートレイン:トリプル・アキシャルフラックスモーター
駆動用バッテリー:100.0kWh(予想)
急速充電能力:500kW(DC)
最高出力:1115ps(予想)
最大トルク:124.2kg-m(予想)
ギアボックス:1速リダクション/四輪駆動
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