Cafe Racer……バイク好きならずとも、どこか甘美で官能的な響きを感じる言葉である。現在、英国のトライアンフやノートン、そしてホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキといった日本のメーカーも軒並みカフェレーサー風モデルをラインナップしている。とはいえ「そもそもコーヒーのレーサーって何よ?」という疑問は拭えない。なんとなくこういう形のヤツをカフェレーサーって言うんでしょ、というイメージはあるのだが……。TEXT●小泉建治(KOIZUMI Kenji)
発祥はロンドンのACE CAFE
ブリヂストン、「第46回 東京モーターサイクルショー」に出展
イギリスでロッカーズ文化が華開いた1960年代、ロッカーズたちがカフェテリアやパブに自慢のバイクで集まるようになった。彼らはカフェテリアに誰が一番早く着くかを争ったり、店内のジュークボックスで曲をかけ、お決まりのコースを曲が終わるまでに走り終えて戻ってくるといった公道レースを楽しんだのだ。
その中心となったのが、ロンドンのACE CAFE(エースカフェ)だという。これがカフェレーサーのはじまりだ。
彼らがカスタマイズするバイクに明確な決まりはないが、まずはハンドルを一般的なバーハンドルよりも低めにした「コンチネンタルハンドル」、左右に独立したハンドルをフロントフォークにクリップオンで装着する「セパレートハンドル」、そしてバーハンドルながら燕の翼のような形とすることで前傾姿勢を生み出す「スワローハンドル」などに交換するのが王道だ。
風防効果を高めるためにビキニカウルやロケットカウルを装着することも多かった。タンクはたいてい前後に長く、シングルシート化されるのも常套手段だ。なるべく虚飾を排し、走りに特化した車体構成が好まれたのだ。
つまり簡単な話、公道レーサーというわけである。当時、カフェレーサーとは現代のスーパースポーツのような位置付けにあったと考えていいだろう。
そんな構図が変わり始めたのが70年代に入ってからだ。運動性能を徹底追求したモデル、それは次第にレーサーレプリカと呼ばれるようになり、当然ながら日進月歩で目覚ましい進化を続けていく。
一方で第一線を退きつつあったカフェレーサーだが、その魅力的なスタイルゆえにカルチャーとして廃れることはなく、クラシックなレーサーとして愛され続けたのだ。
そして70年代後半になると、ここ日本においてもカフェレーサーがひとつのトレンドとして認知されるようになる。やがてトライアンフやノートンといった英国メーカーが日本メーカーの台頭によってセールスを落とし、倒産に追い込まれると、カフェ風カスタマイズのベース車両としての主役は日本車になっていく。
とくに1978年に登場したヤマハSR400とSR500は、見た目にも美しい空冷単気筒エンジンを持っていたこともあり、カフェレーサーのうってつけのベース車両として人気を誇った。同じヤマハのSRXやホンダのGBなど、クラシカルな単気筒モデルが次々とリリースされ、日本でも数々のカスタムビルダーたちが産声を上げたのである。
そしていま、カフェレーサー人気が再燃する
以降、多くのビルダーたちによってカフェレーサーが生み出され、90年代には一大ブームが巻き起こされた。その多くはかつてのトライアンフやノートンを範とするものだった。
そのトライアンフが80年代に復活の狼煙を上げ、90年代から新生トライアンフとして本格始動する。そして2000年代に入り、そのヘリテイジを最大限に活用する形でカフェレーサー風の最新モデルをリリースするようになったのだ。
一方、気がつけば途切れることのない歴史を有する名ブランド揃いになった日本勢だが、SR400やCB1100やW800といった伝統のあるオーセンティックなモデルを数多く擁しているにもかかわらず、メーカーとして積極的にカフェレーサーを仕立てることはしてこなかった(ときおり、それらしい特別仕様車はあったが)。
ところがトライアンフのカフェレーサーがことごとくカッコ良く、ヨーロッパを中心に人気を博していたため、ここへ来て日本メーカーも精力的にカフェレーサー風の新型モデルを投入するようになった。
こうして現在、英国や日本のメーカーを中心にカフェレーサーが再燃してきたのである。もしくは、メーカー謹製カフェレーサー時代の幕開けと言った方が正しいかもしれない。
自分だけのカスタマイズド・カフェレーサーに憧れるのと同時に、多くの人が安心してメーカー製カフェレーサーを手に入れられるようになったのは、いちファンとしてとても喜ばしいことだと思う。
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