DENSO KOBELCO SARD LC500
第2戦富士、殊勲の2位表彰台を獲得!
SUPER GT 第2戦富士レポート
2018 SUPER GT 第2戦『FUJI GT 500km RACE』(5/3-4)
富士スピードウェイ(1周4.563km)
入場者数:予選3万1300名、決勝5万5000名 合計8万6300名
5月4日(金・祝)、SUPER GT第2戦『FUJI GT 500km RACE』の決勝が行われ、剛毅果断に5番グリッドから勝利を目指していったDENSO KOBELCO SARD LC500は、スタートを担当したヘイキ・コバライネンが序盤にレース巧者ぶりを発揮。上位を華麗にオーバテイクして23周目にレースリーダーに。
37周を終え1回目のピットで素早い作業と坪井の渾身の走りでトップを堅守。坪井翔はその後もトップペースで走行して後方から追いすがる23号車を見事に抑え魅せる走りで躍動。まさに第2スティントはショウタイムとなった。
75周を終え2回目のピットを敢行。ミス無く1回目同様に素早いピットワークでヘイキを送り出したが、1周遅く定石通りピットインした23号車のインラップ、ピットワーク、アウトラップの一連のトータルタイムで逆転を許してしまう。それでも食いついていったヘイキは懸命に追いかけ一進一退の攻防。だが、あと一歩及ばずチェッカーに。DENSO KOBELCO SARD LC500は、二人のドライバーが素晴らしい速さをみせて殊勲の2位表彰台を獲得となった。
ドライバーズポイントでは15点を獲得(計15点)、チームポイントでは18点を獲得(計21点)し、それぞれランキング4位に浮上した。復調の勢いに乗って迎える次の第3戦は5月19日(土)・20日(日)に鈴鹿サーキットにて行われる。
開幕戦は最後尾からの追い上げを見せたDENSO KOBELCO SARD LC500。開幕から約1ヶ月。ゴールデンウィーク恒例の開催となる第2戦は、今シーズン行われる2大会とも長距離となった富士スピードウェイが舞台。シリーズダッシュを決めたライバル勢についていくためにも最大得点を稼いで一気に形勢を逆転させたいところ。
公式予選はノックアウト方式(Q1、Q2)で、決勝は約3時間に及ぶ長丁場の500kmで争われる。ドライバー交代を伴うピットストップは2回が義務付けで、我々のウェイトハンディは0kg。
今回は第2ドライバーに、WEC第1戦スパ6時間に出場するためSGT第2戦を欠場する小林可夢偉選手の代役として、全日本F3選手権やGT300クラスで著しい活躍を見せる坪井翔選手を起用する。また笠井昭則エンジニアが加わわり、松田久エンジニアとコンビを組む布陣。
既報の通り、講談社ヤングマガジン連載中の『MFゴースト』とコラボし、『MFゴースト』ロゴをレース車両に貼付。作中の『MFGエンジェルス』が実際に登場する。
昨年上位争いを演じた富士であるが今シーズンは各車非常に拮抗しており、予選から激しく僅差で争うのは必至。シーズン出だしの遅れをこの間に細部まで1つ1つ検証してデータを解析し、更にクルマを速くするべく仕上げてきた。積み重ねてきた力を発揮できれば予選上位も期待される今回の富士。
決勝でのピットストップは2回あり、前回の岡山戦も見てもインラップ~ピット作業~アウトラップの一連の流れの速さに定評があるDENSO KOBELCO SARD LC500。コース上での戦い、天候や運も含めて戦略や判断などチームの総合力によって大きく勝負が左右される第2戦富士。チーム一丸となって剛毅果断に勝利を目指していった。
3日(木・祝)午前中の公式練習走行は、雨の後の濃霧の影響で予定された時間帯での走行はサーキットサファリも含めキャンセル。午後の12時50分から13時20分の30分で公式練習走行が行われることとなった。
気温21度/路面温度32度とこの季節としては若干肌寒いコンディションの中、ヘイキがソフト系のタイヤを装着してコースイン。混雑するコースコンディションの中でベストタイムの刻むのは難しいものがあったがクルマのバランスやフィーリング的には問題ないとのドライバーコメント。
6周を終えてピットインした際にフロントホイール内側から出火したが大事にいたらず。その後、セット調整を施して再びコースインしたヘイキが4周にわたって問題なく走行。11周目からは第2ドライバーを務める坪井が4周ほど走行。少ない時間の中で光る走りを見せた。
ヘイキの3周目にマークしたベストタイム1分31秒630にとどまったが、大きな問題なく全体的なフィーリングは良い感触となった。公式練習走行はトータル14周と少ない走行時間ではあったがタイヤ選択も含め、有意義な公式練習走行となり、1セッション20分間でタイヤ2セットまで使用できる公式予選への準備を無事に整えた。
■公式予選(20分間):ヘイキが一時トップタイムの5番グリッド獲得
3日(木・祝)20分間の公式予選は、霧がなくなり雲が広がったドライコンディション。2セットともソフト系ドライタイヤ選択でヘイキが2アタックする戦略をとり開始早々にコースイン。
丁寧にタイヤに熱を入れまずは4周目に1分28秒573のトップタイムをマーク。引き続き5周目もアタックを続けたヘイキはセクタータイムを更新していく速さ。だが最終セクターで64号車に詰まってしまうが、それでもタイムを削ってトップタイム。
続いて2セット目投入。2回目のアタックに入ったヘイキはセクター1更新ならずもセクター2を削ってきた。ライバル勢も軒並みタイムを削ってきて順位が目まぐるしく変動。セクター3も削って1分28秒471のタイムをマークしたが、惜しくもトップ38号車から遅れること0.567秒差の5番手となった。
■ウォームアップ走行
4日(金・祝)まさに五月晴れとなった気温18度/路面温度33度のコンディションの中、スタートドライバーを努めるヘイキがコースイン。25分間に拡大されたウォームアップは決勝セットの確認を6周チェックした後にピットワークのシミュレーションを兼ねてピットイン。交代した坪井がチェッカーまで8周を走行して決勝への準備を無事に終えた。
■決勝スタート
第1スティント:ヘイキが華麗なオーバーテイクショーでレースをリード
4日(金・祝)14時40分決勝スタート時点は気温18度/路面温度36度の晴れ。剛毅果断に5番グリッドからの勝利を目指していったヘイキが駆るDENSO KOBELCO SARD LC500は、整然と切られたスタートから虎視眈々と上位車の隙を狙っていき、2周目1コーナーで6号車をインからパスして4位に浮上。
4周目コカコーラコーナーで36号車を華麗にパスして早くも3位にまで順位を上げる速さを見せた。その後、連なって走るトップ争いの中で次第に前とのギャップを削っていくヘイキは17周目1コーナーで38号車をオーバーテイク。最高速が出るセッティングを活かして1コーナーで攻めていく。
トップを走る23号車を23周目1コーナーで攻略してレースリーダーに躍り出る。徐々に差を広げて、ヘイキを37周を終えピットに呼び寄せた。ヘイキはインラップも攻めに攻めてタイムを稼いでピットイン。23号車も同時ピットインしてピットワーク勝負となった。
第2スティント:坪井が『ショウタイム』でトップを堅守
素早いピットワークとヘイキのイン&坪井のアウトラップの頑張りでトップを堅守したまま戦列復帰するチームワークを見せる。23号車をアウトラップで引き離す渾身の走りで速さを見せる坪井。そこから僅かづつ毎周の様に23号車とのギャップを拡げてバックマーカーの処理も危なげなく非常に速く安定した走りを披露。
GT500クラス・ルーキーの坪井は大物振りを発揮して、その後もトップペースで走行して後方から追いすがる23号車を見事に抑え魅せる走りで躍動。まさに第2スティントはショウタイムとなった。さらに70周目にはセクター2で全体ベストを刻む速さとなった。そしてしっかりと責務を果たし75周を終え2回目のピットインとなった。
第3スティント:ヘイキが一進一退の攻防で2位表彰台獲得
ミス無く1回目同様に素早いピットワークでヘイキを送り出したが、追いかける側のレース定石通り1周遅くにピットインした23号車のインラップ、ピットワーク、アウトラップの一連のトータルタイムで逆転を許してしまう。
23号車のアウトラップからの数周の速さは目を見張るものがあったが、それでも必死に食いついていったヘイキは懸命に追いかけギャップを取り戻す一進一退の攻防。だが、あと一歩及ばずチェッカーに。DENSO KOBELCO SARD LC500は、二人のドライバーが素晴らしい速さをみせて殊勲の2位表彰台を獲得となった。
ドライバーズポイントでは15点を獲得(計15点)、チームポイントでは18点を獲得(計21点)し、それぞれランキング4位に浮上した。復調の勢いに乗って迎える次の第3戦は5月19日(土)・20日(日)に鈴鹿サーキットにて行われる。
■ヘイキ・コバライネン
「これまで不調であったが細かいことまで見直した結果、シーズンの早い段階のこの富士で正常に戻せてクルマのフィーリングも良くブリヂストンタイヤも非常に良かった。最初のスティントは非常に気持ちよく走れたよ。富士は相性が良いんだ。自信をもって攻めることができた」
「これはこれまでファクトリーで作業も含めてエンジニアやメカニック達のハイレベルな仕事のおかげ。それとショウは驚くべき走りだったね。決勝まで少しの走行時間しか無かったけど素晴らしペースで安心してモニターを見てた」
「最後の私のスティントではNEWタイヤで、23号車のアウトラップとそれに続く数周はついて行くことが出来なかったけど、2位表彰台という結果には満足している。僅かな事で流れが変わってくる現在のSUPER GTは非常に難しいけど、このままの流れを維持して次の鈴鹿で勝利を目指していくよ」
■坪井翔
「決勝まで余り走る時間が無くて自分のスティントを待つまでは心臓バクバクで緊張してました。でもチームの皆さんが乗る前に緊張をほぐしてくれて、自分のするべきことをやってやろうという気持ちで乗り込みました」
「アウトラップも無我夢中でプッシュし、GT300車両の処理も彼らのことはよく分かっているのとヘイキさんからのアドバイス通りにしたら巧くいきました。ですので途中のペースも安定して走れました。自分としては良い仕事ができたし、代役の責任も果たせたかなと思います」
「クルマを降りた後はもっと乗っていたかったと思っていました。次の鈴鹿では25号車に戻りますが、今回経験できたことを活かして、しっかりとやっていきたいと思います」
■総監督 佐藤勝之
「厳しい今シーズンの始まりでしたが、この富士戦に向けて総力を挙げて改善に取り組んできた結果、復調できたことが2位表彰台という結果に加えて今後に向け非常に喜ばしい事になりました。決勝で二人のドライバーがとても素晴らしい走りで速さを見せてくれて頼もしさを感じました」
「今シーズンは各車拮抗しているので、これからより一層、過酷で厳しい戦いに入っていくと思います。次の鈴鹿へ向けてこの良い流れを維持し、さらに上を目指して、しっかりと自分たちの現状分析をして対策を講じていきたいと思います。引き続き御声援のほどよろしくお願い申し上げます」
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