さまざまな方法で物流問題解決に取り組むトーヨータイヤ
物流の「2024年問題」は、多くの人が耳にしたことがある言葉ではないでしょうか。
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2024年4月から働き方改革関連法に伴う時間外労働の規制強化が行われ、トラックドライバーの時間外労働の上限が年間960時間に規制されました。
その結果、輸送可能な荷物量の減少、運輸事業者の売り上げの利益減少、ドライバーの収入減少、収入減少によるドライバー不足など、さまざまな問題が発生しています。
それに加えて、燃料費の高騰やドライバーの高齢化、労働環境の改善なども大きな課題です。
一方でインターネット通販などのいわゆるEC販売は、2022年にはBtoC販売のうち約9%を占めるほどに成長。
それを運ぶ物流の需要も増加の一途をたどっています。特に輸送のうちトラックの占める割合はなんと92%に達しており、物流を支えるトラックの重要性は増すばかりです。
それに合わせトラックを走らせる運輸事業者は、遅延なく安全に輸送するための車両運行管理と、保有車両の管理・メンテナンスに必要な時間・費用・人員のリソース投入の両立をする必要に迫られています。
このように、トラックによる物流にはさまざまな問題が存在していますが、長年にわたりトラック・バス用タイヤの製造販売を行ってきたトーヨータイヤは、蓄積されたノウハウや知見を生かし、「タイヤメーカーとしてできること」で課題解決に取り組んでいます。
そのひとつが独自技術を用いた差別化商品の開発・販売です。
現在開発中の偏摩耗を抑えるタイヤは、タイヤ交換の頻度を減らし低メンテナンス化・リソース削減に貢献。2024年4月に発売された小型EVトラック専用タイヤ「NANOENERGY M151 EV」は、「耐摩耗性能」「トラクション性能」「低メンテナンス」「環境貢献」という特長を備えています。
保有車両のタイヤの状態が一目でわかる「Tire SAPRI」
さらにトーヨータイヤでは、タイヤから得られる情報を活用したデジタルソリューションに着目し、トラック・バスが履いているタイヤの使用環境や使用状態を把握・管理可能なデジタルアプリケーション「Tire SAPRI(タイヤサプリ)」を開発。
2024年12月3日に記者会見を行い、「Tire SAPRI」と一部の顧客によるテストマーケティングの開始を発表しました。
「Tire SAPRI」は、ズバリ「タイヤの状態をいつでも・どこからでも確認できるWebアプリ」で、その機能は実に多彩です。
リアルタイムのタイヤ摩耗状態だけでなく、今後推移するであろうタイヤ摩耗状態の予測結果をタイヤの溝ごとに表示し、交換タイミングやローテーションの管理・計画に活用することができる「摩耗予測表示機能」。
タイヤの空気圧・温度情報のリアルタイム監視により、日々のタイヤ点検の精度を向上させ、かつ適正な空気圧を維持管理することで安全運行に貢献する「空気圧、温度モニタリング機能」。
空気圧の低下や発熱などの異常が発生した際、即座に管理者にメールを発信して重大な不具合を知らせ、事故やトラブルの未然防止・適正運行の維持につながる「状態異常検知・通知機能」。
そして、装着しているタイヤだけでなく保管中のタイヤの状態をアプリ内で把握・一元管理を行い、効率的なメンテンス業務に貢献する「タイヤの管理機能」を有しています。
トラックのタイヤは乗用車よりも長い距離を走り、積載状態では高い負荷をかけられているので、タイヤの状態を把握することは安全運行の上で欠かせないものです。
しかも、トラック1台あたりが装着するタイヤの本数は多く、中型で6本、4軸の大型トラックでは12本もあります。中堅・大手事業者ともなれば、トラックの保有台数も多く、装着・保管しているタイヤの数も膨大な数となります。
それでいて1台ごとにタイヤの状態は異なっており、どのトラックのどのタイヤがどのくらい減っていて、いつ交換を行うのか?などの状況把握、タイヤ交換の計画立案、そして実際のタイヤ交換作業など、車両の運行管理者には相当のリソースが必要となります。
「Tire SAPRI」を活用したタイヤ管理の「見える化」により、運行管理者の業務負担軽減、メンテナンスの効率化を図ることができ、タイヤ管理のリソース削減・コスト削減だけでなく、安全運行にもつなげることができます。
なおタイヤの空気圧・温度を測定するのは、トーヨータイヤのタイヤセンシング技術「TPMS」です。「Tire SAPRI」の管理画面には、それぞれのタイヤの空気圧・温度がリアルタイム表示され、基準値よりも空気圧が低い・高い場合は色付け表示によって異常が一目で認識できるようになっています。
また、タイヤの溝の残量はミリ単位で表示。しかも溝ごとの表示・最小ミリ数も表示されます。こちらも残量が少ない場合は色付け表示が行われます。
トラックは事業者ごとにトラックの種類や積載量、走行距離が異なっていますが、「Tire SAPRI」ではそれらの使用状況からAIを駆使して予測を行うため摩耗予測の精度は高く、現状では誤差約1mm程度とのことです。
タイヤメーカーらしい観点で、物流業界の改題解決を目指すトーヨータイヤが開発した「Tire SAPRI」。
直感的に理解できる視認性と操作性を備えていることも特長です。正式なリリース時期は未定ですが、「Tire SAPRI」を活用したソリューションビジネスの事業化に向け、一部の顧客に向けたテストマーケティングを行なっていると発表されています。今後に期待したいサービスです。
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