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ホンダもマツダもダイハツも! 僕らに刺さった“小さいクルマ”━━YOKOHAMA Car Sessionの「ジャパンモビリティショー2025」潜入レポ!

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ホンダもマツダもダイハツも! 僕らに刺さった“小さいクルマ”━━YOKOHAMA Car Sessionの「ジャパンモビリティショー2025」潜入レポ!

■YOKOHAMA Car Session(YCS)とは?
“35歳以下”のクルマ好きな若者たちが集う自動車イベント「YOKOHAMA Car Session(ヨコハマカーセッション)」の主催者である、後藤和樹、本田浩隆、甲野大輔で結成した3人組のグループ。


第2回ジャパンモビリティショー(以下モビショー)は、期間中に延べ100万人以上が訪れる大盛況っぷり。各メーカーの新型車や未来感あふれるモビリティにワクワクしている来場者で、会場は終始にぎわっていた。もちろん、物心ついた頃からこのイベントを追いかけてきた YOKOHAMA Car Session の3人にとっても、そのテンションは変わらず最高潮。
そんなクルマ好きの僕らが、モビショーで感じたことを、飾らず自由に語り合う座談会企画がスタート。「クルマ編」「ブース編」「まとめ編」の3本立てのうち、今回お届けするのは「クルマ編」。まず、3人の心に“グッときた”魅力的なクルマたちを紹介していこう!

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欧州車のエッセンスを感じるマツダの次世代コンパクト

甲野 ということで我々3人でモビショーを見に行ったわけですが、今回はそれぞれお気に入りのクルマを挙げていきましょうか。まずは本田、どうだった?
本田 俺のお気に入りはマツダの「VISION X-COMPACT」だね!
後藤 あれは良かったよね。
本田 昔、マツダのコンパクトカーで「ベリーサ」があったでしょ? あれに通じる魅力があると思って。コンパクトカーってコスト面とかサイズの都合でどうしてもチープになりがちだけど、マツダはデザインやマテリアルのチョイスが上手で、面の取り方も巧みだから小さくても伸びやかなんだよね。特にリアのデザインなんか曲線を活かしたシンプルで美しいデザインだった。


後藤 隣にあったVISION X-COUPEとの対比で、クーペはここ最近の筋肉質な魂動デザインをベースにしているけど、コンパクトはあえて極力余計なプレスラインを省きながらも、魂動デザインのエッセンスを感じさせる新時代の魂動デザインって感じだったね。引き算の美学というか。
甲野 これっておそらくマツダ2(旧デミオ)の後継だよね。マツダ2もオシャレさとか走りの良さで、モデル末期でも未だに人気をキープしている車種だけに、市販されるとなればデザインももちろんだけど、中身の方も期待大だよね。
後藤 プレスデーでVISION X-COMPACTのデザイナーの方から話を聞いたんだけど、2001年の東京モーターショーに展示した「シークレット・ハイドアウト」っていう若者向けのコンセプトカーがあって、結局これは市販化には至らなかったけど、その時のメンバーが再集結して今回手掛けたらしいね。
マツダの社内でも若い人たちにぜひ乗ってほしいっていう意気込みで開発しているみたいだけど、シンプルかつオシャレでまさに若い人たちにピッタリだと思うね。
本田 あとさ、ブースの奥に他のボディカラーの模型があったじゃない。ミントグリーンとレース仕様の。ああいうのを見ると他のカラバリも気になるよね。


甲野 展示車の赤も良かったけど、俺はミントグリーンの模型を見てコレは良いぞ!って刺さったな。
後藤 マツダって昔から色使いが上手だよね。どんな内外装の組み合わせが良いかな、って悩めるのは若者からすると楽しいよね。
本田 このクルマ、内装パネルの随所に外装色が入っているんだよね。ヨーロッパ車的なエッセンスを感じるというか、さすが30年以上前にイタフラ車を売っていただけあるよ。
後藤 そう言えばそんな時代もあったね。俺らが産まれる前の話だけど……。


令和のブルドッグはN-ONE e:のエボモデル?

甲野 さて、話が脱線する前に次は俺です。
若者向けという点では本田に通じるところもあるけど、今回選んだのはホンダの「Super-ONE Prototype」。簡単に言えばN-ONE e:のスポーツバージョンだよね。コレを見て真っ先に思ったのは……
後藤・本田 ブルドッグ!(※ホンダ・シティ・ターボIIの愛称)でしょ?
甲野 まさにその通り(笑)。もう張り出したフェンダーとか愛嬌のあるフロントマスクは完全にシティ・ターボIIの再来でしょ、と。


後藤 コレは俺もかなり気になった1台だな。環境問題と電動化が叫ばれている中でEVホットハッチっていうのはクルマを楽しむ新しい選択肢としてアリだよね。
甲野 EVは今までにも何台か運転したことはあるんだけど、EVって重量は重くなるけど挙動に関してはスポーツカーとのマッチングが良いと思うんだよね。
床下にバッテリーを敷き詰めているから見た目よりずっと重心が低くて、特にタイトなコーナーの切り返しとかは良い動きするんだよね。重いし全高がある車種ですらこんなにキビキビ動くの? みたいな。
本田 Super-ONEのフロア見た? あれすごいよ。完全にフラットボトムになっていて。N-ONE e:がベースなんだろうけど、細部まで本気で造っているのが見て取れるよね。それこそモデューロXシリーズで培った実効空力とかのノウハウも活きているんじゃないかな。
甲野 BOOSTモードでは仮想有段シフト(要は変速した感を作り出す)とかも採用しているみたいだし、旧来の運転する楽しさとEVの新世代の楽しみを融合させた1台になるんじゃないかな。EVに乗るならこういうのが良いなって思ったね。
後藤 そもそもベースになっているガソリンのN-ONE自体が軽としてはかなり出来が良いよね。
甲野 そうなんだよね。それのEVをベースにエボリューションモデルを造りますって言われたら期待しない方が無理と言うか(笑)。


お手頃価格で出して欲しいダイハツのFRコペン

後藤 同じく小さくて楽しいクルマと言えば、ダイハツのコペンも良かったよね。
本田 99.9%新型コペンのコンセプトだと思うけど、一応K-OPENね(笑)
後藤 やっぱり日本って道が狭いから、スポーツカーでも小さいクルマのニーズは一定数あるよね。その中でK-OPENが本気だなと感じたのが、隣に置いてあった現行コペンベースの試作車両、ランニングプロトの存在。
甲野 アレはすごかったね。ボディー補強はガチガチだし、ルーフはカーボンだし、何よりプロペラシャフトを通してFR化しているし、もはやチューニングショップのデモカーでも持ってきたの? って感じ(笑)
後藤 それに加えて信じられないぐらいのエンジン搭載位置の低さね。かつての東京モーターショーの終盤の方って、良くも悪くもこれからの時代はEV! 環境配慮! って感じで、純粋にワクワクするクルマが少なかったけど、K-OPENは本気で楽しいクルマを開発しようとしているのが伝わってきたね。
甲野 今FRスポーツカーを新車で選ぼうとすると、NDロードスターとかGR86・BRZになるよね。どちらも好きなクルマだし、かなり良心的な価格設定なんだけど、若者向けにもうひと段階お手頃な価格帯の選択肢もあったら嬉しいなと。
多分K-OPENが市販されるとしたらもう少しお手頃だろうし、何より軽だから維持費も安いよね。スポーツカー入門編にはすごく良いと思う。


デザインをデザインしない? トヨタのコンセプトカーがオモシロイ

本田 さて、最後は後藤が気になった1台をどうぞ。
後藤 これまでに挙げた3台は比較的市販化されそうな現実的なチョイスだったけど、俺は方向性が少し違って、今回選んだのはトヨタの「IMVオリジン」。
甲野 ひと際目立っていたバンダイのプラモデルコラボのヤツだね!
本田 アレはブースの展示方法が上手いよな~。


後藤 そうそう。まぁその辺についてはブース編で触れるとして、クルマとしても一番モビショーを感じたクルマなんだよね。モーターショーからモビリティショーへと変化する中で、いちクルマ好きとしては間もなく登場する新型車も楽しみではあるんだけど、もっとこういうコンセプチュアルなクルマも増えて欲しいというか。
本田 確かにコンセプトが面白いよね。メーカー側で未完成品を提供するので、あとは使い方に応じてご自由にどうぞ、みたいな。
後藤 そう、まさにプラモデルなんだよ。自分の意のままにフレームから組めて、ハンドル位置なんて左右どころかセンターにもできるという。


甲野 左右切り替えだけならベンツのウニモグとかも出来るけど、真ん中にも出来ますよっていう自由度の高さはスゴいよね。クルマ側からユーザーに一切制約を課さないというか。
後藤 メインターゲットはアフリカ周辺らしいから、要はインフラが整っていないエリアで地域特性に合わせてカスタマイズしてくださいってことだよね。
甲野 コレって1つの車種というよりも社会インフラの側面が強いよね。実際すでにランクルとかは一部の国々でインフラを担っているけど。
後藤 そう、IMVオリジンはデザインが云々以前に、コンセプトとして面白いんだよね。
本田 ここまでシンプルだとデザインする箇所もないだろうし。
後藤 むしろコレはデザインをしないっていうデザインなんだと思うよ。
甲野 ユーザーが使い方に合わせてカスタマイズする中で自ずとデザインが出来上がる的な?
後藤 そう! まさにオーナー自身が使い方に合わせてデザインしてくださいなんだよ。しかもモビショーの事前情報でIMVの話は特に出ていなかったから、なんだコレは? っていう驚きもあったよね。
本田 トヨタって毎回なにかしらの隠し玉を用意しているけど、この隠し玉がいつも面白いんだよな。


後藤 今回のトヨタは子ども用のKids mobi、足が不自由な方向けのwalk meとかも展示してあって、IMVオリジンも含めて世界中の誰しもに自由な移動を提供しようっていう気概が伝わってくるよね。
甲野 トヨタって自動車メーカーの枠を超えて、自由に移動できる世界を実現しましょう! みたいなところがあるよね。
後藤 その点はまさにモーターショーからモビリティショーへの変化を感じたね。あとトヨタの話で言えば、やっぱり触れておきたいセンチュリークーペ。あれは素直にカッコ良いと思った。
甲野 あのセグメントって俺の知る限りだと今までの日本車に無かったと思うんだよね。世界的に見てもロールスロイスのレイスとかベントレーのコンチネンタルTとかごく僅かな車種だけで。
センチュリーSUVが登場したときにロールスのカリナンに対抗してきたか、と思ったけど、今回センチュリーが独立ブランド化したうえでクーペまで出すとなると、いよいよ世界のエグゼクティブカーマーケットに真っ向勝負なんだなって思った。


後藤 日本車としては新しいセグメントだけど、素直に美しいしすんなり受け入れられたんだよね。センチュリーSUVが出た時はなんか違和感あったんだけど、甲野の言う通り、クーペの登場で「あぁ、こういうコトなのね」って一気に納得した感があった。
甲野 いずれオープンバージョンも出る気がするんだよね。ロールスロイスにはドーン、ベントレーにはアズールがあったワケだし。
本田 でもただ単にロールスやベントレーに迎合するのではなくて、あくまでも日本流で勝負っていう心意気も感じたよね。日本人の拘りを詰め込んだクルマで世界に勝負するぞ、みたいな。
甲野 センチュリーはブースの世界観も素晴らしかったけど、それはブース編で触れることにしますか。
後藤 いずれにしても今回のモビショーでも様々なベクトルで魅力的なクルマが見つかったよね。
甲野 今回ピックアップしたクルマ達が発売された時にはぜひ試乗インプレとかしてみたいね(笑)。
本田 さて、気になるクルマ編はこの辺にして、次回はブース編です。乞うご期待ください!
【気になるブース編つづく!】

文:くるくら
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