気が滅入るとわかっていながら暗いニュースを追い続けてしまうのはなぜなのか。「ドゥームスクローリング」は単なる悪習ではなく、そこには安心を得ようとする切実な心理が働いている。負のスパイラルを生むメカニズムを心理学の専門家が解説。
私はソーシャルメディアのメカニズムをよく知っている。人々の心を掴むその汚い小細工も、心理的な魅力も、ストレスや不安や孤独を感じさせる原因が無数に潜んでいることも。そして、それにもかかわらず、私たちがさらなるコンテンツを求めてそこに戻っていってしまう理由も知っている。
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先月初めの月曜に、もし自分のスクリーンタイムを管理することにどれくらい自信があるかと聞かれたら、「とてもある」と答えたことだろう。しかし、火曜の夜には早くもそれが嘘だったことが明らかになったはずだ。ましてや、金曜の夜から土曜の朝へと移ろう暗闇の中で、iPhoneの不気味な青い光を浴びながら目を充血させて、ゾンビのようにドゥームスクローリングしている姿を見れば、私の言葉が完全に嘘だったことがわかったはずだ(「ドゥームスクローリング」とは、気が滅入るとわかっていながらネガティブな情報を求めてSNSを延々とスクロールし続けてしまう行動をいう)。
いつの間にか暗いニュースで埋まっていたフィード
その週まで私が何気なくスクロールしていたのは、かわいい犬のリールや、フランス語をネイティブさながらに話すためのヒントなど、無害なものばかりだった。私のフィードに変化が現れ、負のスパイラルに陥り始めたのは、とりわけ悲惨なニュースを目にした後だった。ICE(アメリカ移民・関税執行局)の残虐行為やイランの路上で繰り広げられる蛮行、世界経済崩壊の警告を、次から次へと強迫的にスワイプするのがやめられなかった。ソーシャルメディアの心理学に関する著作もある、心理療法士の私ですらこのざまだ。かわいい犬のアルゴリズムはどこかに消し飛んでしまった。
私のようにメンタルヘルスを学んだ専門家だって皆さんと同じ人間であるということは百も承知だが、それでも数日間に及ぶ自身の失態の深刻さには驚かされた。しかし、もし私がドゥームスクローリングに陥ってしまったのが、無知や悪習、あるいは自制心の欠如によるものでなかったとしたら、いったい何が原因だったのだろうか?
心理学において、症状はしばしばその原因の正反対として現れる。たとえばナルシシズムは過剰な自尊心の現れのように見えるかもしれないが、実はその逆で、心の奥底に根差したコンプレックスに原因がある。私のドゥームスクローリングの裏にも、同様に倒錯した論理が潜んでいた。自分自身の動機を深く探ってみると、見つかった答えは逆説的なものだった。私は惨事を見たかったのではなく、安心感を求めていたのだ。私は破滅(ドゥーム)を求めてスクロールしていたのではなく、希望を求めていたのだ。
希望を求める心理に潜む罠
しかし、希望を求めてInstagramやTikTokにアクセスするのは、一攫千金を期待してラスベガスに行くようなものである。カジノは常に勝つ。ああいった施設は、あなたをたまに勝たせることで賭けを続けようという心理にさせているだけなのだ。SNSプラットフォームの仕掛けはまさにそれである。
気が滅入るようなニュースを7、8本スワイプして絶望を感じたそのとき、何らかの希望を感じさせるニュースがフィードに流れてくる。それは、大規模な抗議デモの様子かもしれないし、ある個人の勇敢な行動かもしれない。あるいは、急な選挙で起きたサプライズかもしれない。しかし、その希望の光がどんなに甘美なものであったとしても、十分に味わう間もなくさらなるネガティブ情報によって押し流されてしまう。
私は世界が崩壊するのを見たくてドゥームスクローリングをしていたのではなく、そうはならないという確証を探していたのだ。絶望に苛まれないよう、正気を保つために。こうして私は、ドゥームスクローリングとは怠惰な行動なのではなく、希望を得るための誤った解決策なのだということに気づいた。セラピーでは、このサイクルをよく目にする。不安が行動(摂食、施錠のチェック、アルコールや薬物など)を誘発し、その行動が一時的に不安を和らげるが安心は続かず、また不安がやってくる。結局、不安なフラストレーションが完全に解消されることはない。
ドゥームスクローリングをやめるには
人は本能的につながりを求めてスクリーンに向かうが、得られるのは疎外感だけである。情報収集のためにニュースフィードを見るが、慰めになるような出来事1件に対して悲報が1000件もあり、歪んだ世界観を植え付けられてしまう。孤立を感じ、疲れ果て、圧倒され、無力感に苛まれるのも無理はない。自分が本当に求めているものが何なのか、自分自身に正直になり、間違った場所を探すのをやめ、正しい場所を見つけて行動に移すことで、これらの課題を克服することができるだろう。
ニュースフィードに表示されるネガティブ情報の嵐に圧倒されているのなら、玄関のドアを開けて周りを見渡してみるといい。スクリーン越しに見る世界とはあまりにも違うはずだ。静かな孤独のなかでドゥームスクローリングをすることもできる一方、人間的なつながりに満ちた世界に足を踏み出し、自分と同じ価値観を持つ人々と連帯し困難に立ち向かうこともできる。憤りを虚空に吐き出すこともできる一方、真の変化をもたらすための行動に変えることもできる。そうすれば、間違った場所で探していた束の間の希望の光が輝き始め、ほかの人々の希望とともにポジティブな変化をもたらす力へと変わっていくかもしれない。
From British GQ
By Dr Aaron Balick
Translated and Adapted by Yuzuru Todayama
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