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スバル「ヴィヴィオRX-R」でデイラリーに70代のドライバーが参戦!30年以上前にカスタムしたラリー仕様で戦いました

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スバル「ヴィヴィオRX-R」でデイラリーに70代のドライバーが参戦!30年以上前にカスタムしたラリー仕様で戦いました

デイラリーでロールゲージを装備するヴィヴィオRX-Rを発見

筑波山と言えば、広大な関東平野にひょっこりと、男体山と女体山の峯を盛り上げおっとりと尾根を伸ばしている茨城県にある名山です。そこでJAF(日本自動車連盟)公認のラリー「パープルラリーがまツアー2025」があるというのでどんなものなのか気になり行ってみました。このラリーに参加したスバル「ヴィヴィオRX-R」を紹介します。

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免許さえあれば誰でも参加可能! 気軽に楽しめるデイラリー

愛知県でここ数年開催されている世界ラリー選手権(WRC)のラリージャパンが盛況であり、WRCシリーズで活躍するワークス・トヨタ・チームに関する報道やCMも年間を通して随時絶えることなく全国的に流れています。そんなこともあり、ラリーに初めて興味を持たれる人も、あらためて惹かれる人も、たくさんいるのではないでしょうか。

自動車競技のラリーは、日本でも古くから愛されてきたモータースポーツです。時代的変遷と熟成を繰り返しているともいえる日本のラリー競技。「紫峰」と呼ばれる筑波山にある筑波ふれあいの里を拠点とし、競技ルートをその周辺にめぐらしている今回のラリーは「デイラリー」と呼ばれているものでした。

パープルラリーがまツアー2025は、年間5戦が組まれている関東デイラリー・シリーズ戦の開幕第1戦(4月20日開催)。なんと自動車運転免許証を持っていれば誰でも自分の普段乗っているクルマで参加できるラリー競技でした。

「パープルラリーがまツアー」という名称の由来などを競技長の入夏高志さんに聞くと、

「1980年代より続けられてきた筑波山界隈でのラリー運営です。当時はスピードを競うものが主でした。主催者チームパープルの先輩たちからそれらの活動を受け継ぐとともに、誰でも気軽に参加できる楽しいラリーをあらたに立ち上げようとの思いからがまツアーとしました」

とのこと。紫峰と呼ばれる名山の筑波山、そのご当地キャラクターであるのはカエルの蝦蟇(ガマ)、パープルとがまに、そんな想いが込められているラリーです。

筑波山周辺80kmを駆け抜ける

JAF公認のクローズド格式競技というパープルラリーがまツアーは、モータースポーツを統括するJAFの定める競技規定のなかでは「第1種アベレージラリー」になります。アベレージラリーとは、一般公道を競技の舞台としているラリーで、交通ルールにのっとりラリールートを走り抜けていきます。その際に、主催者が指定した区間内でのアベレージ速度での走行を、いかに正確にこなして行けるかを競い合うものです。今回の総走行距離は、筑波山周辺の80kmほどでした。

競技ルート上には、ところどころに競技車のアベレージ走行の正確さをチェックする通過点であるチェックポイントが現れます。しかしこのチェックポイント、どこにあるかは競技者には知らされません。よって選手たちは常に、安全運転のもと、ルートとして手渡された「コマ図」をコドライバーが解読。進行方向、走る速さなどをドライバーに伝達しながら、ミスコースせずにラリー・ルートを走行します。

それぞれの競技車が指示されたアベレージ速度通りに走ったかは、チェックポイント通過時の指定タイムとの誤差をオフィシャルが秒単位で計測しています。誤差0秒は減点0。速いか遅いかのプラスマイナス秒差であれば絶対値の減点加算となり、ルートに設けられたそれぞれのチェックポイントでの減点のトータルで、勝敗を決することになります。“走って秒争い”まさにモータースポーツです。

とはいえ主催者が競技のアベレージ走行の構築を行ってきたオフィシャルカーと、参加者の競技車は車種が違っていたりするので、違った径のタイヤの回り方やステアリング操作での走行ラインの差異なども当然生じます。同じルートを走っていても自分の車のオドメーターが示す走行距離そのものが、アベレージ走行を設定したオフィシャルカーと微妙に違うということがあるわけです。当日の路面状況の違いの影響もあったりしますので、主催者が指示したアベレージ走行を完璧にこなすには、自分たちの競技車と主催者の車両の距離計の違いがどのくらいなのかを数値として把握し、補正する課題があったりします。一筋縄ではいかない状況判断もあるのがデイラリーで、心技体にあわせて知も磨けるモータースポーツでもあるのです。

完走後にはJAF競技Bライセンスも申請可能

ラリーには、公道を移動し専有された数々のスペシャルステージを巡ってスピード走行を競う、いわゆるSS(スペシャルステージ)ラリーもあります。その最高峰がWRC。一方でアベレージラリーは速さを競うというよりも指定されたアベレージ速度走行の正確さを追求するラリーです。とはいえどちらも「車とともに競技クルーたちがチャレンジを繰り返しながら無事帰還する」というラリー競技におけるエッセンスには変わりがありません。だからこそルールのもとで競い合うモータースポーツの醍醐味が味わえるのです。

デイラリーは参加費も1台あたり2万円とリーズナブル。普段乗っているクルマで手軽に楽しめるのはもちろん、完走後、JAFの競技Bライセンスも申請できるということもあり、ラリー競技入門としても最適と言われているほど。若者の参戦も絶えない近年とのことですが、今回のがまツアー参加者の顔ぶれを見渡せば錚々たるベテランも多数、参加車種もマツダ「CX-5」、日産「オーラ」、軽自動車のスズキ「ジムニー」「スイフトスポーツ」、往年のいすゞ「ジェミニ」、ホンダ「シビック」、……果てはランチア「デルタ」まで。ひと握りの車種に偏ることもなくバラエティに富んでいるのは、なんの隔たりもない参加しやすさが現れているということでしょう。

ヴィヴィオRX-Rでデイラリーに挑む

行き当たりばったりですが参加者リストの気になる車種を無作為にセレクトしてみました。まずはヴィヴィオのクルー芳賀昇二さん/三原将純さん。

「デイラリーは何のクルマでも出られる点がいいですね」

とヴィヴィオRX-Rで参加している芳賀昇二さんは70歳代、モータースポーツにのめり込んでいた時期は30年以上も遡る大ベテランです。モータースポーツデビュー時に購入し、カスタマイズしたヴィヴィオRX-Rを当時のままで、がまツアー参戦車として使用しています。

「ヴィヴィオが発売されるとすぐに飛びつき購入しました。当時はダートラに参戦する競技車として足まわり、ボディ補強、徹底して作り上げました。ラリー参加車ではなかったのです。その後仕事や歳相応の体力状況もあり、十年以上前に競技からはリタイアし観戦の方に回っていました。2024年にひょんなことからデイラリーに引き込まれ、いやいやながらも出てみただけなんですよ」

と参戦意欲に対しての謙遜。歴史に残る強烈な個性の軽自動車ヴィヴィオで乗り込んできたぞというようなものは微塵も感じられません。

「走りたいことは走りたいので、気楽にできるデイラリーってのはどうなのかな?」と思って15年近く仕舞い込んでいたというヴィヴィオを引っ張り出してきました。とはいえ2024年シリーズ5戦中4戦に繰り出していることをみれば、なにかに魅かれたに違いありません」

ロールバーもバケットシートも備えているヴィヴィオですが、芳賀さんにとっては、ごく自然に普段乗りの愛車として馴染みきってもいます。スキー好きという芳賀さんにとってはスキースペシャルカーであるのだとも。

「スキーにはよくヴィヴィオで行ってます。ヴィヴィオは力があり、登りが楽ですよ。狭い山道を登っていくときは気持ちいいですね」

低速トルクもあるスーパーチャージャー搭載ヴィヴィオの底力を、それとなく駆使する境地にいたっているベテランドライバーには、デイラリー参加への満足感がそこはかとなく漂っておりました。

デイラリーで得た充実感

芳賀さんとタッグを組むコドライバーの三原さんは、ダートラやラリーでのドライバー歴はあるもののコドライバーとしてのスキルはほぼ皆無だったとのこと。そこで今シーズンの体制に備え、2024年の関東シリーズ最終戦に芳賀さんと組んで参戦していたコドライバーの方がドライバーとなって、三原さんはコドライバーとしてデイラリーに参戦。実戦を通してスキルを教えてもらったといいます。

「ナビゲーターとしてシゴイてもらいました。今回は私にとって2戦目なんですけど、ひとりでさっと出るダートラよりもなにか充実したものがデイラリーにはあります」

その成果が、なんとクラス優勝を遂げることになりました。友は友を呼び、ドライバーやコドライバーの役割にも気兼ねなくトライできるデイラリーは、ラリー競技の基本を実戦を通して学ぶに絶好の場であるというエピソードでした。

遠方からの参戦者も続々

パープルラリーがまツアーが組み込まれている関東デイラリーシリーズは関東地域で開催されるシリーズではありますが、エントリー受付の門戸は全国に開かれています。魅力あるイベントであることを象徴するかように、今回は遠くは岩手県、岡山県から参加者したクルーが2組もおりました。

その1組の金野廣宣さんは、

「7~8時間の移動時間をかけて岩手から来ました。もちろん帰りもそのくらいかかります」

と、戦い終えたクルーたちが和んでいる表彰式の席上から参加したジムニーで帰路につく感慨を述べ、笑いと共感を誘ってました。ツアー、デイラリー、興味ある方もこのところ増え、ひとりふたりが4人8人……。ラリーというモータースポーツを実体験するには最も近しい競技であろうデイラリー、オフィシャルサイトからも気兼ねなくチェックできますので、気になる方はぜひ。

>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)

文:Auto Messe Web 齋藤 優(SAITO Yu)
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みんなのコメント

3件
  • 藍流頓瀬奈
    何このチョメチョメD的な走りは?!
    と、若僧どもの度胆抜いちゃってください!
  • パック
    砂漠や深い水の所も乗り越えて走るViViO RX-Rが好きでした
    NECの文字が80年代のNEC文字で好きですし 軽いボディもREXから引継がれた Superchargerの4気筒 EN07エンジンが良いですし
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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