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名前の付け方が安易な気もする? 車名と中身がアンマッチなセダン3選

掲載 更新 64
名前の付け方が安易な気もする? 車名と中身がアンマッチなセダン3選

■車名からイメージされる中身と異なるセダンを振り返る

 既存のクルマをベースに一部を変更して仕立てられた派生車では、車名もそのままベース車から引き継ぐのが一般的です。

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 また、まったく異なるボディのモデルでも、トヨタ「ヤリス クロス」や古くはホンダ「アコード インスパイア」など、車名を流用するケースも珍しくありません。

 一方で、車名を流用してもそこからイメージされるクルマと乖離してしまったモデルも存在。そこで、車名と内容がアンマッチなセダンを、3車種ピックアップして紹介します。

●スズキ「SX4 セダン」

 現在、スズキの登録車のなかでSUVは、「ジムニーシエラ」「クロスビー」「エスクード」、そして「SX4 S-CROSS(エスクロス)」がラインナップされています。

 このSX4 S-CROSSは2代目にあたり、初代は2006年に「SX4」の車名で発売されました。

 SX4は欧州や北米でも販売するグローバルカーとして開発されたショートワゴンタイプのクロスオーバーSUVで、車名の由来は「Sport X-over 4wheel(4season)」の頭文字を併せた造語です。

「S」はスポーツ、「X」は「スポーツコンパクトカーの革新」と「SUVの伝統」のクロスオーバー(融合)を、「4」は4WDと、4シーズンいつでも楽しめる走りのキャパシティを表わしており、まさにSUVにふさわしい車名といえるでしょう。

 ところが、2007年にSX4をベースにした派生車として、4ドアセダンの「SX4セダン」を発売。

 SUVをベースとしたセダンが開発される事例でさえ非常に珍しいですが、SX4セダンでは4WDすらラインナップされず、見た目もSUVテイストは排除されました。

 SX4セダンは、広い室内空間とクラストップレベルとなる515リッターの大容量トランクルームが特徴で、優れたユーティリティをアピール。

 装備も充実したベーシックなセダンであり、価格も149万1000円(消費税5%込)からと戦略的な設定でしたが、人気とはならず2014年に生産を終えました。

 SX4セダンは7年間と比較的長く販売されましたが、販売台数はわずかだったようで、今では路上で目撃されることも滅多にない激レアな1台です。

●ホンダ「インテグラSJ」

 米時間の2021年8月13日に、ホンダはアキュラブランドから「インテグラ」が2022年に復活すると発表し、大いに話題となりました。

 インテグラといえば「タイプR」に代表されるFFスポーツカーのイメージが定着していますが、このインテグラの名前を冠した希代の珍車といえるセダンが存在。それが1996年に発売された「インテグラSJ」です。

 当時、インテグラにも4ドアセダン(4ドアハードトップ)が設定されていましたが、インテグラSJは完全に異なる車種で、「シビックフェリオ」と「ドマーニ」の販売チャネル違いの兄弟車にあたります。

 シャシや主要なコンポーネントはシビックフェリオ/ドマーニと共通で、ボディパネルの多くはシビックフェリオから流用し、フロントマスクはステーションワゴンの「オルティア」から流用するなど、ボディの仕立て方が非常にトリッキーです。

 車名の「SJ」は「セダン・ジョイフル」に由来しており、ジョイフルは「楽しい」や「うれしい」を意味するのですが、クルマのキャラクターが「フォーマルなセダン」という面も疑問なほど普通のセダンでした。

 また、エンジンも2種類の1.5リッターSOHCで特段高性能ではなく、やはりインテグラのイメージはありません。

 内外装はとくに高級感もなく、存在感も希薄で販売は低迷して2001年に生産を終了。現在、インテグラSJも滅多にお目にかかれない激レア車です。

●日産「ブルーバードシルフィ」

 1959年に初代が誕生した日産(ダットサン)「ブルーバード」は、長年、「サニー」「スカイライン」「ローレル」「セドリック/グロリア」と、日産のセダンラインナップの中核となる名車でした。

 ブルーバードは2代目から高性能な「SSS」グレードを設定するなど、以降はスポーティなセダンという地位を確立しました。しかし、1990年代にはセダン人気が徐々に下降し、ブルーバードの販売台数も低迷します。
 
 そうした状況のなか、2000年に登場したのが「ブルーバードシルフィ」です。

 ブルーバードシルフィは、ブルーバードシリーズとしては11代目にあたるモデルでしたが、9代目サニーをベースに開発されたため、車格は従来のブルーバードよりもワンランク格下げされてしまいました。

 そのため、型式名も10代目の「U14型」から「U15型」に更新するのではなく、新たに「G10型」が付与されています。

 また、10代目までは高性能なSSSグレードが設定されましたが、ブルーバードシルフィでは設定されず、動力性能的には目をみはるものはありません。

 旧来のブルーバードファンや販売店のリクエストもあって、ブルーバードの名を残すことになったようですが、生粋のファンから受け入れられたとはいいがたい状況でした。

 その後、2005年に2代目が登場し、2012年には3代目が発売されましたが、3代目ではブルーバードの名が外され、日産「シルフィ」へと改名。

 このシルフィも2020年に国内向けの生産を終えており、60年にも及ぶブルーバードの系譜は完全に消滅してしまいました。

※ ※ ※

 車名を流用するのは人気があるモデルにあやかろうという面もあれば、やむを得ない事情もあるようです。

 というのも、自動車メーカー各社は車名を登録商標として膨大な数の申請をおこなっており、新たな車名を考えて登録するのはかなりの労力と時間が必要となるからです。

 そのため、ダイハツ「ロッキー」「タフト」、スバル「ジャスティ」など、過去に販売していたモデルの車名を復活させることも珍しくありません。

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みんなのコメント

64件
  • カリスマだろう
    よくぞ付けた、恥ずかしくねーのかというセンスだが
  • 当時の日産の営業スタッフに
    聞いたら、本来はN16パルサーに
    なるはずが、ブルーバード・パルサー
    ・プレセアを統合する形でブルーバード
    シルフィとして出す事になったらしい。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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