2019年スーパーGT、シーズン折り返しの第5戦が8月3日に富士スピードウェイで幕を明け、500マイル(約800km)という真夏の長距離耐久戦に向け土曜午前の公式練習から週末がスタート。スーパーGT GT500クラスはCRAFTSPORT MOTUL GT-Rがトップタイムを記録し、ニッサンGT-R勢4台がトップ5入り。GT300クラスは埼玉トヨペットGB マークX MCが首位に立っている。
金曜搬入日の午後には一時雨がパラついたものの、梅雨明けの快晴が続く富士スピードウェイ周辺は、セッション開始8時50分時点で気温28度、路面温度31度、湿度48%という夏本番のコンディションで始まった。
GT500クラスでは、セッション直前にこのラウンドのゲストとして招かれているITR e.V代表のゲルハルト・ベルガーがコクピットに乗り込む姿も見られた37号車KeePer TOM’S LC500がタイムを出し、平川亮が1分35秒681でまず最初の感触を確かめると、6号車WAKO’S 4CR LC500、17号車KEIHIN NSX-GTらも続けて計測ラップへ。37号車平川と6号車の山下健太ともに1分30秒台へと入ってくる。
GT300クラスもセッション開始から午前9時を前にほぼ全車がコースへと入り、BoP(性能調整)ウエイトが20kgとなったHOPPY 86 MCに、87号車T-DASH ランボルギーニGT3、グッドスマイル 初音ミク AMGらが順調に周回を重ねていく。
セッション開始20分を経過する頃には、GT500クラスで唯一エンジンのアップデートを見送り、1基目エンジンの使用を継続するニッサン陣営のうち、ミシュランタイヤを装着する2台、CRAFTSPORT MOTUL GT-RとMOTUL GT-Rが上位に顔を出すと、対するレクサスも15台の最後尾でじっくりとマシンチェックを進めていた第2戦富士の勝者、ZENT CERUMO LC500立川祐路が1分30秒371でトップへと浮上する。
さらにウエイト搭載量からホンダ陣営の本命と目されているKEIHIN NSX-GTのベルトラン・バゲットが気を吐き、1分30秒398で2番手へ。3メーカーとも1コーナー手前の最高速トラップでは290km/h台後半で足並みがそろうなど、まだ手の内を明かさない雰囲気も漂う。
その上位勢とは対照的に搭載ウエイト19kgと、この富士長距離戦で必勝を期しているカルソニック IMPUL GT-Rは、佐々木大樹が12周を走行して1分31秒台の12番手止まりと、公式練習のメニューかセットアップの問題か、なかなかタイムが伸びてこない。
一方のGT300クラスは、HOPPY 86 MCの1分38秒640をトップタイムに、D’station Vantage GT3のジョアオ・パオロ・デ・オリベイラが1分38秒736で2番手に浮上。以下RUNUP RIVAUX GT-R、グッドスマイル 初音ミク AMGのトップ5にRUNUP RIVAUX GT-R、マネパ ランボルギーニ GT3と、上位8台をヨコハマタイヤ勢が占める展開となる。
さらに9時30分を前に、久々にセッション開始からステアリングを握っている4号車の谷口信輝が1分38秒668、同38秒591と立て続けにタイムを縮め、タイムボードのトップに立つなど、前戦タイからスパ24時間参戦と海外遠征続きの疲れを感じさせない走りを披露する。
その後、GT500クラスではGT-R勢が勢いを見せ始め、24号車リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rが1分30秒341を記録すると、その直後にロニー・クインタレッリの23号車がその高星明誠を上回り、唯一29秒台突入の1分29秒806をマーク。GT300クラスでもD’station Vantage GT3が1分38秒539を記録し、両クラスとも首位が入れ替わる。
直後、9時43分にダンロップコーナーを通過した2号車シンティアム・アップル・ロータスがエキゾーストからの出火でスローダウンし、その先の最終コーナー立ち上がりでコースサイドにマシンを止めたことから赤旗が掲示され、セッションは一時中断に。
路面の清掃を経てすぐさま再開されると、残る44分に向けコース上は一時、参戦全44台中43台が周回する混雑した状況となる。そんな最中、GT300クラスのSUBARU BRZ R&D SPORTが1分38秒681で6番手にジャンプアップ。一方のGT500クラスではModulo Epson NSX-GTのナレイン・カーティケヤンが13コーナーでスピンを喫するも、大事には至らず。
各陣営とも赤旗中断期間でドライバー交代し、GT300クラスでは第3ドライバーに走行機会を与えるべく7号車ダレン・ターナーや25号車の第3ドライバーを務める土屋武士“選手”も登場。各車連続周回に入ってレースペースの確認作業を進めていく。
10時を回って以降、GT500クラス上位勢のポジションに大きな変動はなく、23号車、24号車上位2台のGT-Rともに1分31秒後半から32秒前後のペースで走行。3番手ZENT CERUMO LC500も同様に順調なタイムを刻む一方で、WH22kgの1号車RAYBRIG NSX-GTは30周を走破して、ジェンソン・バトンの1分30秒968で13番手に留まった。
10時15分から10分間のGT300占有走行では予選シミュレーションが進められ、やはり最高速に優れるマザーシャシーとGT-Rが上位に飛び込み、2台でタイム更新合戦を繰り広げた52号車埼玉トヨペットGB マークX MCと33号車エヴァRT初号機 X Works GT-Rがワン・ツーに。以下、D’station Vantage GT3、グッドスマイル 初音ミク AMG、マネパ ランボルギーニ GT3のトップ5となった。
続くGT500占有走行でも終了間際にタイム更新となり、最高速300km/hに届こうかというGT-R勢が躍進し、CRAFTSPORT MOTUL GT-Rのフレデリック・マコウィッキが1分29秒673でトップへ。その直前に1分29秒800としたカルソニック IMPUL GT-Rのジェームス・ロシターが3番手となり、WH12kgのKEIHIN NSX-GTが1分29秒783を記録し、GT-R勢に割って入る2番手と意地を見せ、以下23号車、24号車とGT-R4台全車がトップ5に入った。
上位勢が軒並み1分29秒台に入ったGT500クラスは、トップ10のタイムギャップがわずか0.686秒。同じくGT300クラスもコンマ6秒差に10台が並ぶ、白熱の富士長距離戦を予感させるタイム差に。続くノックアウト方式の公式予選は、さらなる路気温上昇が予想される14時50分から争われる。
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