現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【なぜ2年ぶりに首位奪還??】令和初の年間販売No.1がノートでなくプリウスの訳

ここから本文です

【なぜ2年ぶりに首位奪還??】令和初の年間販売No.1がノートでなくプリウスの訳

掲載 更新 12
【なぜ2年ぶりに首位奪還??】令和初の年間販売No.1がノートでなくプリウスの訳

 日産 ノートが首位陥落。令和初の登録車販売No.1は、2年ぶり首位奪還のトヨタ プリウスに!

 2019年(令和元年)における日本国内の新車販売台数は519万5216台であった(速報値)。ピークだった2019年の778万台に比べると、67%にとどまる。直近の流れを見ても、2017年/2018年より若干少ない。

【東京オートサロン2020】日産はスカイライン400Rだけじゃない! 市販可能性大の2モデルも登場!!

 そして、登録車の販売ランキングには異変が生じた。1位はプリウス(PHVとαを含む)、2位はノートになり、前年とは異なる。1/2位の差は7115台だから、暦年の販売実績としては僅差だが、車種の変化に注目したい。

 2018年の登録車販売ランキングは、1位がノート、2位はアクア、3位がプリウスだったから、2019年はプリウスが一気に1位まで浮上して、ノートとアクアを追い抜いた。

 この販売ランキングの変化は、2019年の対前年比にも裏付けられる。1位のプリウスは、対前年比が約9%の増加となった。順位を下げたノートは約13%の減少、アクアも18%減ったから、プリウスが繰り上がった。

  なぜ、新車効果の薄れたこのタイミングで登録車No.1の座が交代したのか?

 ちなみに、新車販売の約37%を占める軽自動車の販売ランキング上位は、ホンダ N-BOX(25万3500台)、ダイハツ タント(17万5292台)、スズキ スペーシア(16万6389台)で、これらの台数は登録車を凌駕している点もトピックだ。

2019年 暦年の年間販売台数ベスト10(※日本自動車販売協会連合会データをもとに作成。プリウスはPHV、αを含むシリーズ合計台数)

文:渡辺陽一郎
写真:TOYOTA、NISSAN

【図表/画像ギャラリー】プリウス&ノートなど主要4車と2019年の売れ行きを詳しく見る

プリウスは16-17年のNo.1ながら2018年はノート首位で後退

2018年12月改良型のプリウス。同改良は2015年の発売以来、初となるマイナーチェンジ。外観もスッキリとしたフロントマスクに改められた

 過去を振り返ると、現行プリウスは2015年12月に発売されている。

 2016年には月平均で2万台以上を登録して登録車の販売1位になったが、売れ行きの評価は良くなかった。なぜなら先代型の3代目は、2009年5月に発売されて1か月後の受注が18万台に達し(現行型は同10万台)、2010年の登録台数も1か月平均で2万6000台と多かったからだ。

 先代プリウスは、2代目ホンダ インサイトに対抗して発売寸前に価格を引き下げ、販売系列はそれまでのトヨタ店とトヨペット店に対して、トヨタ全店(4系列)に増えた。

 現行プリウスはこの先代型と比較されたから、プラットフォームの刷新などによって走行安定性や操舵感を向上させながら、売れ行きが伸びないといわれた。

 もちろん現行プリウスにも問題点はあった。フロントマスクやリアビューのデザインが奇抜で、上級グレードのインパネに装着される乳白色のトレイは、洗面器などを連想させた。デザインの評判は総じて良くない。

 さらに、現行プリウスの発売からちょうど1年を経過した2016年12月には、ハイブリッドシステムやプラットフォームを共通化したSUVのC-HRが登場して好調に売れている。

 プリウスはユーザーを少なからずC-HRに奪われた。2017年の登録車販売1位は、前年に引き続いてプリウスだったが、対前年比は35%以上のマイナスであった。

 しかも、2017年の2位には、2016年11月にe-POWERを加えたノートが迫っていた。プリウスの対前年比は35%以上減ったが、ノートは36%増えている。ノートの発売は2012年と古かったが、e-POWERの効果はそれだけ大きかった。

 そして、2018年の登録車販売ランキングは、前述のように1位がノート(対前年比2%減)、2位はアクア(同4%減)、3位はプリウス(同28%減)になった。ノートとアクアの売れ行きは微減だが、プリウスは大幅に落ち込み、ランキング順位を後退させた。

首位陥落から王座奪回! プリウスがノートを逆転した理由とは?

2016年12月発売のC-HR。翌2017年4月にはプリウスやノートを上回り、SUVとして初の販売台数No.1に! こうした人気車の動向もプリウスの売れ行きに影響?

 ところが、2019年は、前述のとおりプリウスが挽回してノートとアクアを抜き返した。トップ3車の顔ぶれは、2017年と同じプリウス/ノート/アクアに戻った。

 戻った経緯は、2018年と「逆のパターン」だ。2018年のプリウスは28%減ったが、2019年のプリウスは9%増加した。ノートは13%、アクアは18%減ったから、プリウスが繰り上がった。

 そこで注目されるのは、プリウスが対前年比を9%増やした理由だ。

 2019年におけるプリウスの対前年比を振り返ると、1~3月は横這いで、登録台数もノートを下まわっていた。

 しかし、2019年4月になると、プリウスの対前年比が32%増えてノートを上まわり、登録車の1位になっている。5月も対前年比はプラス19%、6月は10%、7月は34%、8月は9%、9月は17%という具合に、対前年比のプラスを保った。

トヨタ プリウスと日産 ノートの2019年各月販売台数と前年同月比(日本自動車販売協会連合会データをもとに作成)

 2019年4月から対前年比が上向いた背景には、複数の理由がある。

 まず、2018年12月に実施されたマイナーチェンジの効果だ。先に述べたデザイン面の不満がある程度は解消され、安全装備も充実させた。プリウスは法人需要も多いから、新年度を迎えて(つまり2019年4月に入って)乗り替えが進んだことも考えられる。

 C-HRやアクアの売れ行きが下がり、販売力がプリウスに戻った事情もあるだろう。プリウスの対前年比が目立って増えた2019年4月には、アクアは18%減っている。7月にはプリウスが34%増えて、C-HRは37%減った。

 このほか2019年5月には、登録台数は少ないものの、プラグインハイブリッド車のプリウスPHVが一部改良を行って充電機能などを充実させている。

2018年登録車No.1のノートが後退した理由は?

2016年11月にモーターで駆動し、エンジンで発電する「e-POWER」の追加。2018年には登録車販売年間No.1に輝いた日産 ノート。

 一方、ノートが下がった理由は、2016年11月に発売されたe-POWERが行き渡ったことだ。


 2019年3月にはデイズがフルモデルチェンジを行い、ノートの需要が奪われたこともあるだろう。

 前述のとおり、ノートのノーマルエンジン搭載車の発売は2012年と古いから、e-POWERの追加で1位になったことがむしろ異例であった。

 日産の場合、2010年以降は新型車の発売が激減しており、設計の古い車種が目立つ。この影響で、デイズ+デイズルークス+ノート+セレナの販売台数を合計すると、国内で売られる日産車全体の70%近くに達する。

 このような状態だから、ノートが登録車の販売1位を争いながら、メーカー別の国内販売ランキングは、トヨタ、ホンダ、スズキ、ダイハツに次ぐ5位になってしまう。

◆  ◆  ◆

 以上のように販売ランキングの首位争いには、いろいろな事情が絡む。

 好調に売れるクルマは、多くの人達が使っている以上は優れた商品だが、販売ランキングのトップグループに入るには商品力以外の要素も必要だ。それを探ると、国内販売の実態が見えてくる。

【図表/画像ギャラリー】プリウス&ノートなど主要4車と2019年の売れ行きを詳しく見る

こんな記事も読まれています

ヨシムラSERTが転倒後に追い上げ優勝、3ART綿貫も3位。TSR、Étoileは無念のリタイア/EWC第1戦ル・マン24時間
ヨシムラSERTが転倒後に追い上げ優勝、3ART綿貫も3位。TSR、Étoileは無念のリタイア/EWC第1戦ル・マン24時間
AUTOSPORT web
ホンダの「V8スポーツカー」!? 500馬力超えの「FRマシン」! “NSX後継機”目された「HSV-010」とは
ホンダの「V8スポーツカー」!? 500馬力超えの「FRマシン」! “NSX後継機”目された「HSV-010」とは
くるまのニュース
アルファ・ロメオ 車名に "ケチ" つけた政治家へ苦言「名前より雇用守る努力をせよ」 中国企業に危機感
アルファ・ロメオ 車名に "ケチ" つけた政治家へ苦言「名前より雇用守る努力をせよ」 中国企業に危機感
AUTOCAR JAPAN
「彼は僕を見てさえいなかった」リカルド、接触時のストロールのオンボード映像を見て激怒/F1第5戦
「彼は僕を見てさえいなかった」リカルド、接触時のストロールのオンボード映像を見て激怒/F1第5戦
AUTOSPORT web
ハースのヒュルケンベルグが10位「最大限の結果を出した。重要な1点」小松代表は「完璧なレース」と喜ぶ/F1中国GP
ハースのヒュルケンベルグが10位「最大限の結果を出した。重要な1点」小松代表は「完璧なレース」と喜ぶ/F1中国GP
AUTOSPORT web
アロンソ「セーフティカーで戦略変更も、良いレースに。1周でいいからトップを走りたかったけどね」/F1中国GP
アロンソ「セーフティカーで戦略変更も、良いレースに。1周でいいからトップを走りたかったけどね」/F1中国GP
AUTOSPORT web
乗って納得の「ロープライス実力派」 ホンダWR-Vは背伸びしない、等身大のパートナー
乗って納得の「ロープライス実力派」 ホンダWR-Vは背伸びしない、等身大のパートナー
AUTOCAR JAPAN
ハミルトン「極端なセットアップ変更が、かつてないレベルのアンダーステアを引き起こした」メルセデス/F1中国GP
ハミルトン「極端なセットアップ変更が、かつてないレベルのアンダーステアを引き起こした」メルセデス/F1中国GP
AUTOSPORT web
経験を信じたWRTとリスクを避けたマンタイ。雨中のタイヤ選択がLMGT3上位の明暗分ける/WECイモラ
経験を信じたWRTとリスクを避けたマンタイ。雨中のタイヤ選択がLMGT3上位の明暗分ける/WECイモラ
AUTOSPORT web
レクサスが新たな「小さな高級車」展示! 全長4.2m級でも上質さ健在!? 「LBX」の実車見たユーザーの反響は? in 菅生
レクサスが新たな「小さな高級車」展示! 全長4.2m級でも上質さ健在!? 「LBX」の実車見たユーザーの反響は? in 菅生
くるまのニュース
【カーコーティング技術を住宅設備に】総合家庭用品メーカー「レック」と「KeePer技研」が共同企画した家庭用水まわりコーティング剤が販売開始
【カーコーティング技術を住宅設備に】総合家庭用品メーカー「レック」と「KeePer技研」が共同企画した家庭用水まわりコーティング剤が販売開始
driver@web
先行ピットインを決めたディクソンが逆転勝利。初参戦プルシェールは11位完走/インディカー第2戦
先行ピットインを決めたディクソンが逆転勝利。初参戦プルシェールは11位完走/インディカー第2戦
AUTOSPORT web
ランボルギーニと「ザ・ホワイトストライプス」が20年の時を経てコラボした理由とは? アナログからデジタルへ時代を超越した芸術作品でした!
ランボルギーニと「ザ・ホワイトストライプス」が20年の時を経てコラボした理由とは? アナログからデジタルへ時代を超越した芸術作品でした!
Auto Messe Web
併走するクルマへの目潰しでしかないのにナゼやる? 斜め後ろに「白色ライト」を点灯して走行するトラックは法令違反だった!!
併走するクルマへの目潰しでしかないのにナゼやる? 斜め後ろに「白色ライト」を点灯して走行するトラックは法令違反だった!!
WEB CARTOP
愛車の履歴書──Vol35. 益若つばささん(後編)
愛車の履歴書──Vol35. 益若つばささん(後編)
GQ JAPAN
ジャガーに新しい可能性を見た──新型F-PACE試乗記
ジャガーに新しい可能性を見た──新型F-PACE試乗記
GQ JAPAN
便利な「ドライブレコーダー」 まさかの「バッテリー上がり」招く可能性も!? 「駐車監視」の注意点とは
便利な「ドライブレコーダー」 まさかの「バッテリー上がり」招く可能性も!? 「駐車監視」の注意点とは
くるまのニュース
ホンダがフォーミュラEに参戦する可能性はあるのか? HRC渡辺社長「今は2026年からのF1再参戦が最優先……しかしGEN4は魅力的」
ホンダがフォーミュラEに参戦する可能性はあるのか? HRC渡辺社長「今は2026年からのF1再参戦が最優先……しかしGEN4は魅力的」
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

12件
  • なんて読みづらい記事でしょう。
  • ノートは古いしe-powerも燃費が良いわけではないし、日産のガタガタな体制に先行きの不安もある。敢えてノートを買う理由がない。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

275.0460.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

4.5628.0万円

中古車を検索
プリウスの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

275.0460.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

4.5628.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村