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【ヒットの法則142】メルセデス・ベンツS350、S500との外観での識別点はエンブレムのみ、それが彼らの流儀だった

5代目メルセデス・ベンツSクラス(W221型)は2005年9月のフランフルトモーターショーでデビュー、10月の東京モーターショーで日本で正式発表された後、年末には早くもデリバリーが開始されている。当初設定されたのは、2エンジン仕様の3グレードのみ。つまり、ショートボディのS350、同じくS500、そしてロングボディのS500ロングだ。ここではすでに高評価が定まりつつあった3.5L V6DOHCエンジンを積むS350の試乗記を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2006年2月号より)

最上級S500ロングの人気一段落して主力となるのはS350
メルセデス・ベンツに限らず、この手の高価格車の場合、そのモデル初期においては高いグレードから売れていくのは常識である。Sクラスなどは、その道理がもっとも当てはまる例であり、新型においても限定モデルの価格1600万円の300台限定S500ロングAMGパッケージから売り切ったというからすごい。

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S500ロングの人気が収まった後に、主力となるのは間違いなくS350である。これまでのSクラスにおいても、乗用車としてのバランスの良さとコストパフォーマンスの高さを考えると、常にマルチシリンダー系のトップモデルより、6発系の廉価グレードの方が堅調に売れ筋を保った。
W221型ではその傾向がさらに強まりそうである。なぜか。すでにEクラスなどに積まれて評価の高い3.5L V6DOHCエンジンを積むからばかりじゃない。6気筒エンジンの高性能化に加えて、上級グレードとの装備差がなくなってきたからだ。

つまり、今のS500と比べるとパワースペック等に歴然と差を感じるが、これまでのレベルで考えればS350のスペックは決して見劣りしないものに進化しているし、装備レベルでさえ最新最高のグレードと同等だということになれば、最早高いグレードを買う理由が、文字通り「高い」ということだけになる。

その象徴が、シャシだ。W221型では、エアマティックサスペンションが全グレードに標準装備となっている。これまでの例を見れば、エアサスは上級グレード専用の装備であり、あの乗り味が欲しければ、価格も見てくれも違う高いモデルを買うしかなかった。

今度のは違う。中身も見てくれも、S500とS350で変わるところがほとんどない。ホイールデザインやタイヤサイズも同じ。リアエンブレムが違うのみなのだ。もちろん、細かな装備内容には違いが散見される。それでも、同じボディサイズのS500と比べて、はっきりと違いがわかってしまうのは、レザーシートやハーマンカードンのAVシステム、赤外線反射ガラスにパークトロニックといったものだけ。しかも中にはS350にもオプション設定される装備もあるから、実質的な差はほとんどないに等しい。

何も1000万円超のぜいたくをせずとも、S350で「らしさ」は十分味わえる。もっとも、これだって乗り出し1000万円クラスの大物であることには変わりないが…。

これがS500ロングとの違いともなれば、その標準装備の差は大きい。カタログを順に見れば、NECKPROアクティブヘッドレストにはじまり、ラグジュアリーヘッドレスト、ガラススライディングルーフ、セミアニリンレザーシート、レザー&ダークウッドコンビステアリングホイール、シート周りの機能装備、電動ブラインドなど、ロングボディであることと、S500との違いに加えて多くの相違点が見つかる。

そういう意味では、いきなりS500ロングを買ってしまうというやり方も、予算さえ都合がつけば、あながち間違った買い方ではない気もしてくるから、不思議なものだ。まあ、そういう絶妙な価格設定を行っているということだろう。

S350の走りのテイストはS500の延長線上にある
エアマティックサスペンションがS350に標準となったことがポイントだと先ほども記した。ここでこのエアサスの特徴をザッと記しておく。

最大のウリは、シャシとトランスミッションのモードをボタンひとつで切り替えられること。センターコンソール内にあるS(スポーツ)/C(コンフォート)/M(マニュアル)スイッチがそれで、通常はCを選ぶ。この場合、120km/h以上で車高がまず10mm下がる。さらに160km/hに達すると、もう10mm下がりダンピングがハード設定に。車速が80km/hまで落ちると、通常のモードに戻るというセットだ。シフトアッププログラムは低回転域変速で、2速発進をチョイスする。

スポーツを選ぶとどうか。車高調整は100km/h越えでいきなり20mmのローダウとなり、60km/hで元に戻る。ただしダンピングモードは40km/hを越えると圧縮側をハードに設定する。そして、シフトアップポイントはエンジンの全回転域を使って行われるという具合だ。マニュアルは、変速を自身で行う以外、スポーツと同じ設定である。

また、悪路などにでくわし、普段より高い地上高が必要な場合に備えて、ボタンひとつで車高を30mm上げることも可能だ。

前置きが長くなったが、肝心のS350のインプレッションを報告しよう。

その装備差の少なさや、S500ショートとの重量差が50kgしかないこともあって、基本的な乗り味はほとんど変わらないと考えていい。走りのベクトルがS500と全く同じ線上にあるのだった。これは従来にはなかったことで、是非の議論はあるだろうけれども、新型Sクラスのひとつのポイントでもあろう。

確かに一昔前のAMG級パワフルさが自慢のS500から乗り換えると、発進加速には物足りなさを感じる。ただ、272psは十分なスペックで、ひとたび流れを掴んだあとは、追い越し加速も十分に満足のいくものだった。

何よりエアサス特有のどっしりと重く弾力のある乗り味は、発進加速の物足りなさを補ってあまりあるもので、ほぼS500と同等乗り味をみせてくれる。

高速走行時の安定感などは、これまでの6気筒Sクラスでは考えられなかった上質さだ。もっとも、廉価グレードに特徴的だった軽やかさとは無縁になってしまった。ノーズの軽さ、コイルサスの軽快さを懐かしむ向きも中にはあるだろう。どちらか好みに応じて選べるのならばそれに越したことはなく、将来的にさらに安いSクラスでも出てくれれば、軽快な身のこなしのSクラスも期待できるというものだが。

完成度を増したエアサスが新型Sクラスの走りをこの上なく上質なものにしていると思う反面、これだけのシャシをコイルサスで乗ってみたいと思うのは、やはり趣味の世界からのいじわるな見方なのだろうか。

いやはや、最も買いやすいSクラスにさえも、「まだまだ君の来る世界じゃないよ」と、諭されているような気がしてきた。

乗り出し1000万円か。今の私ならば、恐らく熟慮を重ねた末、BMW740iあたりに落ち着くような気がしてならない。アレはアレで、元気でバランスのいい優れたスポーツサルーンだからだ。繰り返すが、人には黙ってSクラスを勧めておきながら……。(文:西川淳/Motor Magazine 2006年2月号より)



メルセデス・ベンツS350 主要諸元
●全長×全幅×全高:5075×1870×1485mm
●ホイールベース:3035mm
●車両重量:1900kg
●エンジン:V6DOHC
●排気量:3497cc
●最高出力:272ps/6000rpm
●最大トルク:350Nm/2400-5000pm
●トランスミッション:7速AT
●駆動方式:FR
●車両価格:987万円

[ アルバム : メルセデス・ベンツS350 5代目(W221型) はオリジナルサイトでご覧ください ]

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