マニア垂涎のストレートシックス搭載。E46型320iは永遠の名車である!
BMW3シリーズは、ドライバーズサルーンの代表選手。とくに1998年のジュネーブ・ショーでデビューし、2000年代半ばまで生産された4thモデル(E46型)は魅力的だ。BMWならではの「シルキーシックスの世界」が、適度にコンパクトなボディサイズで味わえるからである。
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人気の高い2001年10月以降の後期モデルは、2.2リッター(320i/170ps)、2.5リッター(325i/192ps)、3リッター(330i/231ps)の3種の直6DOHC24Vユニットをラインアップ。世界最良といわれた珠玉のフィーリングが多くのモデルで味わえた。最新の3シリーズ(G80型)も直6ユニットを設定しているが、それはM340iを名乗るスペシャルモデルのみ。あくまで主力は2リッター直4のガソリンとディーゼルである。エンジンを見る限り、E46型はいま以上に「BMW純度」の高い3シリーズだったといえる。
というのも、BMWは飛行機用エンジンの製作が出発点。それだけにパワーユニットに対するこだわりは強い。1930年代から現在まで一貫して直列6気筒エンジンを製作し、その美点を磨き続けてきた。完全バランスのBMWシックスは、クルマ好きなら一度は味わっておきたい存在である。
今回の取材車は、E46型の最終限定車、320i・Mスポーツ・アルティメート。320iをベースに18インチタイヤと特別なBMWインディビジュアルカラーをまとった精悍なモデルだ。
絶品の味わい。乗るほどにその完成度に惚れ惚れする
走り始めてすぐに、「これはいい!」と感じた。2.2リッターユニットのスペックは170ps/6100rpm、210Nm/3500rpm。最高出力/最大トルクとも特筆すべき点はない。だが、右足の踏み込みにリニアに応え、パワーが盛り上がる味わいは絶品。精緻な機械が滑らかに回転している実感がある。
サウンドも抜群だ。まるでシンフォニーのような華麗なハーモニーを奏でる。走り込むほどに「上質」という表現は、このクルマのために存在すると感じた。
最新の3シリーズと比較して、E46型ならではの個性は、適度な重厚感。コントロール系も、クルマの動きも、すべてがやや重めに設定されている。それでいてステアリング操作に対するクルマの反応はリニア。この絶妙なバランス感は素晴らしい。現行モデルより数段コンパクトなサイズなのに、プレミアムな印象を与える秘密は、この「重さ」にありそうだ。
引き締まったボディと、珠玉の直6。E46型3シリーズは、ドライバーズサルーンの理想を実現していた。乗るほどに惚れ惚れする完成度、さすがBMWである。
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みんなのコメント
エンジン音だけでメシが食えるってくらい気持ちのいい音。
EV化の流れで消えてしまうのがホントに惜しいな。
興味が少しでもある人は激安中古でも一回は乗ってみるべき、シルキーシックスという例えがしっくりくるのがよくわかるよ。
庶民でも頑張れば何とか新車に手が届く価格だったし、色んな意味でいい時代だったな。