沖縄市長の選挙公約が「サーキットを作る」だった!
“モータースポーツマルチフィールド沖縄”がオープン
「走り屋たちの想いが沖縄市長を動かした!」沖縄市に新サーキットがオープン
沖縄にはこれまで小規模なサーキットが存在していたが、様々な事情で走ることができなくなり、近年、沖縄のモータースポーツは歩みを止めてしまっていた。
そこで立ち上がったのが、ジムカーナ、バイク、カート、ドリフトなどの主催団体やクラブで構成される“チームオキナワ”という組織。その名の通り、競技の枠を超えて沖縄のモータースポーツ発展のために協力するためのものだ。
「サーキットは走るためだけの場所ではない。ドライバー、ライダーの技術を磨き、安全なクルマ&バイクを作るために不可欠なもの。それは結果として交通安全に繋がり、野放図にストリートを走る人の減少にも繋がっていく」。
彼らのそうした真摯な想いは、ついに行政を動かした。何と、2014年の沖縄市長選挙で桑江朝千夫氏が「沖縄にサーキットを作ります」という公約を掲げたのである。
そして見事に桑江氏は当選(現在2期目)し、公約通りにサーキット建設に着手。様々な問題をひとつずつ解決していきながら、2021年4月、晴れて沖縄県沖縄市に「モータースポーツマルチフィールド沖縄」がオープンしたのだ。
このサーキットは基本的には大きな広場のジムカーナコース。パイロンコースをイメージするかもしれないが、分離バリアや大量に用意されたコンクリートブロックによって様々なコースレイアウトを作ることが可能だ。これがバイクやジムカーナ、ドリフトなど色々な団体が共存できる所以。コース面積は8666平方メートルとなる。
屋根付きのパドックは10台分を用意。それ以外にも、パドックの駐車スペースは100台以上収容可能なので、大規模な走行会も十分に許容できるスケールだ。
ギャラリーへの配慮も怠らず、大規模な芝生付きの観客エリア(椅子も用意されている)を設定。イベント運営には最高の環境と言えよう。
コンロールタワーも非常に立派。この2階からドリフト大会の審査などを行うこともできる。ミーティングルームの他、本格的なレーシングシミュレーターも完備されている。
「モータースポーツって運転している本人だけでなく、見ている側も楽しめるもの。そういった意味で、走るスペースのみならず、観客席があるこのサーキットがオープンしたことは大きな意味を持ちます。これから沖縄のモータースポーツをもっともっと盛り上げていきたいと思っています」とは、サーキット開設に尽力したチームオキナワ副理事の宮里宏和さん。
なお、モータースポーツマルチフィールド沖縄ではすでに大小様々な走行会やイベントが企画されており、5月29日~30日には初の公式ドリフト大会として「D1地方戦シリーズ沖縄Rd.1」も開催された。
大会当日はあいにくの雨模様ではあったが、参加選手たちは沖縄に誕生した新しいサーキットの“味”を楽しみながら、熱い追走バトルを繰り広げてくれた。優勝を飾ったのは嘉手苅 恵一郎選手。難しいウェット路面をものともせず、正確なマシンコントロールを見せて追走トーナメントをきっちり勝ち上がったのだ。
今後、沖縄におけるモータースポーツの中心地となること間違いなしの“モータースポーツマルチフィールド沖縄”。チームオキナワのさらなる飛躍に期待しつつ、このような動きが全国的に広がることを祈るばかりだ。
●問い合わせ:モータースポーツマルチフィールド沖縄 沖縄県沖縄市字倉敷152-8 TEL:098−923−0187
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