現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 乗用車の「前列3人掛け」は消えるのか ベンチシートはタクシーでもレア化?(写真10枚)

ここから本文です

乗用車の「前列3人掛け」は消えるのか ベンチシートはタクシーでもレア化?(写真10枚)

掲載 更新
乗用車の「前列3人掛け」は消えるのか ベンチシートはタクシーでもレア化?(写真10枚)

地方のタクシーでいまだに見られるワケ

 セダンやコンパクトカーなど、一般的なタイプの乗用車は前列に運転席と助手席、後列には3人座れるシートを備えた5人乗りが主流です。東京都内ではセダンのタクシーもこのタイプが一般的で、客は4人まで乗ることができ、運転手含め5人乗りです。

クルマのドア、「バー型」増えたワケ 利便性やデザインだけでない、その背景

 しかし一部では、前列に3人乗ることができ、客が5人まで乗れるセダンのタクシーも存在します。全タク連(全国ハイヤー・タクシー連合会。東京都千代田区)に話を聞きました。

――セダンのタクシーで客が5人まで乗れるものがありますが、ほかのタクシーとどうちがうのでしょうか?

 前列の運転席と助手席がセパレートになっていない、いわゆるベンチシートのタクシーは、前列にお客様をふたり乗せることができます。東京でも以前はそのようなタクシーがありましたが、現在はセパレートの車両がほとんどです。ただ、東京でもゼロではなく、地方ではそちらのほうが主流のところもあります。

――なぜ都内では数が少ないのでしょうか?

 東京ではお客様がおひとりで利用する場合が多いうえ、ゆったりとした高級感のある車両が求められるため、お客様によっては窮屈にも思えるベンチシートの需要が少ないのでしょう。また、タクシー車両は走行距離に応じて入れ替えていきますが、東京ではそれが4、5年なのに対し、地方では8 10年とサイクルがちがいますので、ベンチシートの車両が比較的多く残っているというのが実情ではないでしょうか。

※ ※ ※

 全タク連によると、「ユーザーのニーズを受けて、タクシー車両のメーカーでもベンチシートの用意は少なくなってきているのではないか」と話します。

 前列ベンチシート型の「セドリック」を製造していた日産によると、「単純にニーズがあまりない」ことから、現在は一般の乗用車、タクシーともに、前列3席人掛けシートを設定する同社のクルマはないそうです。ミニバンなど、多人数乗れるクルマの需要はあるものの、「あえて前に3人乗せなくても、3列シートなどで対応できる」といいます。

あえて前に3人乗せなくても… ベンチシートはいま

 大型トラックや軽トラック、バスなどでは、運転席の横にふたり掛けというのは珍しくありませんし、たとえばトヨタ「ハイエース バン」の一部には前列3席の設定がりますが、確かにセダンやミニバン、SUVなどの一般的な乗用車において2017年現在、そうしたものはあまり見られません。トヨタが今後発売を予定している新型タクシー専用モデル「JPN TAXI」も、前列は独立の2席です。

 少し過去にさかのぼり、前列3席、後列3席というレイアウトに絞って一般乗用車を調べてみると、日産「ティーノ」(販売期間:1998 2003年)やホンダ「エディックス」(同:2004 2009年)、トヨタ「ビスタアルデオ」(同:1998年 2003年)、「プロナード」(同:2000年 2004年)、フィアット「ムルティプラ」(同:1998 2010年)などがありましたが、いずれも販売を終了しています。また、「エディックス」と「ムルティプラ」は前列3席ではありますが、それぞれが独立したシートであり「ベンチシート」とはいえません。

 前列がベンチシートのクルマはコラムシフト(ハンドルの付け根から伸びるタイプのシフトレバー)である場合が多かったことから、このようなクルマは略して「ベンコラ」とも呼ばれます。「ベンコラ」の中古車を多く取り扱う名古屋オートガレージ(愛知県大府市)によると、「横幅が広いアメリカのクルマに多かったのですが、日本車の規格では窮屈になるので、あまり根付かなかったのでしょう」と話します。現在では、アメリカ車でも前列ベンチシートは少なくなっているそうです。

 ちなみに、「前列ベンチシート」そのものは、軽自動車を中心にいまも見られます。「ムーヴ」「ウェイク」などで、ふたり掛け前列ベンチシートを採用しているダイハツによると、「ゆったりと座れて、横移動もしやすく使い勝手がよいといったメリットがあります。こうした車両ではパーキングブレーキもフットブレーキで、シフトレバーもインストゥルメンタルパネルから伸びる『インパネシフト』になっています」とのことです。

こんな記事も読まれています

GRヤリスRally2の潜在能力がヤバい! デビューしたてなのにトップドライバーたちが絶賛する「驚きの性能」とは
GRヤリスRally2の潜在能力がヤバい! デビューしたてなのにトップドライバーたちが絶賛する「驚きの性能」とは
WEB CARTOP
明暗別れた金曜の走り出し。勝田が語る“インカット”の影響と勝者オジエとの違い/WRCクロアチア
明暗別れた金曜の走り出し。勝田が語る“インカット”の影響と勝者オジエとの違い/WRCクロアチア
AUTOSPORT web
フロント一新、小型SUV『ミツビシASX』が大幅改良。HEV・MHEV・ガソリン車が6月から欧州で発売
フロント一新、小型SUV『ミツビシASX』が大幅改良。HEV・MHEV・ガソリン車が6月から欧州で発売
AUTOSPORT web
「ヘンタイ」が褒め言葉に聞こえたらかなりの重症! 重度のクルマ好きがやりがちな「一般人には理解不能」な行為7つ
「ヘンタイ」が褒め言葉に聞こえたらかなりの重症! 重度のクルマ好きがやりがちな「一般人には理解不能」な行為7つ
WEB CARTOP
スズキ「“超凄い”ソリオ」実車展示! 高機能レーダー多数搭載! “自動で走る“機能搭載の「ハイトワゴン」運行の理由とは
スズキ「“超凄い”ソリオ」実車展示! 高機能レーダー多数搭載! “自動で走る“機能搭載の「ハイトワゴン」運行の理由とは
くるまのニュース
全くもって一貫性がない……! ペナルティに泣くアストンマーティン、F1の裁定に不満タラタラ「アロンソとストロールに厳しい」
全くもって一貫性がない……! ペナルティに泣くアストンマーティン、F1の裁定に不満タラタラ「アロンソとストロールに厳しい」
motorsport.com 日本版
本誌執筆陣がオススメするいま注目のモデルをピックアップ!「このクルマ、間違いないです!」ル・ボラン2024年6月号、本日発売!!
本誌執筆陣がオススメするいま注目のモデルをピックアップ!「このクルマ、間違いないです!」ル・ボラン2024年6月号、本日発売!!
LE VOLANT CARSMEET WEB
トヨタ、北京モーターショー2024で、バッテリーEVの新型モデル「bZ3C」「bZ3X」を世界初公開
トヨタ、北京モーターショー2024で、バッテリーEVの新型モデル「bZ3C」「bZ3X」を世界初公開
月刊自家用車WEB
三菱ふそうが「ジャパントラックショー2024」に出展! 新型モデル「スーパーグレート」特別仕様車や新型「eCanter」キャリアカー展示
三菱ふそうが「ジャパントラックショー2024」に出展! 新型モデル「スーパーグレート」特別仕様車や新型「eCanter」キャリアカー展示
くるまのニュース
【バイク版ナビ】「MOTTO GO」プレリリース版が公開!カーナビの名門パイオニアが7月提供予定サービスを先取り体験だ!  
【バイク版ナビ】「MOTTO GO」プレリリース版が公開!カーナビの名門パイオニアが7月提供予定サービスを先取り体験だ!  
モーサイ
「ご当地ほりにし」国内2県で新たな地域限定ラベルが登場!
「ご当地ほりにし」国内2県で新たな地域限定ラベルが登場!
バイクブロス
フィアット500に、1.2Lエンジンを搭載する新グレード「1.2 Dolcevita」を設定
フィアット500に、1.2Lエンジンを搭載する新グレード「1.2 Dolcevita」を設定
月刊自家用車WEB
「アップガレージ青森三沢店」が5/12にプレオープン!
「アップガレージ青森三沢店」が5/12にプレオープン!
バイクブロス
トーヨータイヤ、EV専用を含む小型トラック向けに2種類の新製品
トーヨータイヤ、EV専用を含む小型トラック向けに2種類の新製品
日刊自動車新聞
トヨタ新型「カローラ“クロス”」発表! 「レクサス」級にカッコイイ「斬新フェイス」へ刷新! 新型「コンパクトSUV」約494万円から ブラジルに登場
トヨタ新型「カローラ“クロス”」発表! 「レクサス」級にカッコイイ「斬新フェイス」へ刷新! 新型「コンパクトSUV」約494万円から ブラジルに登場
くるまのニュース
ついに登場 メルセデス・ベンツ新型「Gクラス」世界初公開! 初の電気駆動Gクラス「G580」は“その場で旋回”できる機能を搭載!?
ついに登場 メルセデス・ベンツ新型「Gクラス」世界初公開! 初の電気駆動Gクラス「G580」は“その場で旋回”できる機能を搭載!?
VAGUE
ラウル・フェルナンデス、ヘレステストで最新型アプリリアMotoGPマシン初ライド。直前のスペインGPでは昨年型使用
ラウル・フェルナンデス、ヘレステストで最新型アプリリアMotoGPマシン初ライド。直前のスペインGPでは昨年型使用
motorsport.com 日本版
香りや消臭力を3段階で調整可能!P&Gが車内用の「ファブリーズ」を12年ぶりに改良
香りや消臭力を3段階で調整可能!P&Gが車内用の「ファブリーズ」を12年ぶりに改良
@DIME

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

199.5235.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

15.0119.0万円

中古車を検索
エディックスの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

199.5235.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

15.0119.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村