藤田嗣治の作品の魅力を「7つの情熱」という新しい切り口で紹介する『藤田嗣治 7つの情熱』展が、新宿・SOMPO美術館で開催中だ。油彩や版画など多くの作品が並ぶなかから、美術ジャーナリストの鈴木芳雄が《シーソー》にフィーチャーする。
多くの日本の美術ファンにとって、藤田嗣治あるいはレオナール・フジタ(1886-1968)の名を聞くことには、誇らしさがあり、少しの後ろめたさに心動かされるのではないだろうか。その原因は彼が20世紀という時代に恵まれ、同時にこの世紀に翻弄された2つの面にある。
1920年代、パリ。出身国も画風もまちまちだが、彼の地に集まったエコール・ド・パリの画家たち。モディリアーニ(イタリア)、シャガール(ロシア)、キスリング(ポーランド)……その中に藤田もいた。世界で初めて認められた日本人画家。穂先の細い面相筆で描いた繊細な線、乳白色の肌と呼ばれた質感。一躍、寵児として躍り出る。第一次大戦後の、この祝祭と狂乱の都でコクトーやピカソ、モディリアーニらと華やかな親交を結んだ。
1932年、南米経由で帰国。日中戦争では従軍画家となる。再びパリに渡るが第二次大戦が勃発し、フランスがドイツに占領される前に帰国。太平洋戦争南方の戦地を訪れ、戦争画を手がけた。そのことで戦後、戦争協力者の汚名を着せられる。失意の中、1949年に渡仏し、フランスに帰化する。「私が日本を捨てたのではない。日本に捨てられたのだ」と語った。
近年、画家の会田誠は藤田が晩年暮らした家を訪ねた。そこで美空ひばりのレコードや日本製の炊飯器を見たという。藤田には望郷の念があったのか。
本展は藤田のカタログ・レゾネ編纂を手がけるなど藤田研究第一人者として名高いシルヴィー・ビュイッソンが監修し、藤田の創作源を「自己表現」「風景」「前衛」「東方と西方」「女性」「子ども」「天国と天使」という「7つの情熱」で読み解いている。この《シーソー》も金箔を貼り、漢字のサインを入れるなど、藤田一流のエキゾチシズムが込められている。
『藤田嗣治 7つの情熱』SOMPO美術館
住所:東京都新宿区西新宿1-26-1
会期:~6月22日
休館日:月曜
開館時間:10:00~18:00(金曜日は20:00まで)
www.sompo-museum.org/exhibitions/2024/tsuguharu-foujita/
鈴木芳雄/YOSHIO SUZUKI美術ジャーナリスト。藤田嗣治の展覧会はたくさん見てきたが、2018年 パリのマイヨール美術館で見た展覧会『Fujita, Peindre dans les années folles』は思い出深いものだ。
編集・橋田真木(GQ)
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