インテルの自動運転技術子会社のモービルアイは8日、大手旅客運送事業者のウィラー(村瀬茂高代表取締役、大阪市北区)と、自動運転ソリューション分野で戦略的パートナーシップを締結したと発表した。両社は連携して2021年に日本の公道で完全自動運転タクシー「ロボタクシー」の実証走行を行い、23年にロボタクシーや自動運転シャトルバスの商用化を目指す。ウィラーグループが事業展開している台湾やASEAN(東南アジア諸国連合)でも自動運転を使ったモビリティサービスの展開を視野に入れる。
モービルアイは、車載カメラの画像処理チップや高精度地図自動生成システムなど、高度な自動運転に必要な技術を保有しており、世界中の自動車メーカーやサプライヤーと提携している。今年5月に親会社のインテルが買収したMaaS(サービスとしてのモビリティ)アプリを提供するイスラエルのムービットの事業を加え、自動運転を活用したMaaSの実現を支援するモビリティプロバイダーを目指している。旅客運送事業を手がけるウィラーと提携することで、ロボタクシーやオンデマンド型シェアサービスなどの自動運転シャトルを早期に実用化する。
ウィラーが自動運転車を運行する地域や乗客、地域の規制に応じたサービスなどを企画、モービルアイがこれに対応する自動運転車両を用意する。一般向けにロボタクシーや自動運転シャトルの運行サービスを実用化し、旅客ドライバー不足や交通事故・渋滞などの社会的な問題解消につなげる。ウィラーはモビリティの管理や運行会社向けソリューション開発も手がける方針で、日本や台湾、ASEANなどで各交通事業者が提供しているサービスの共通化を目指す。
モービルアイはMaaS事業を本格展開しており、韓国の大邱市とロボタクシーの事業化で合意しているほか、独フォルクスワーゲン(VW)グループなどとイスラエルで自動運転配車サービスを提供する合弁会社を設立した。ウィラーとの提携は「MaaSの取り組みを大きく拡大、強化させていく」としている。
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