パッと見車種不明⁉ 衝撃のベース車は「ソニカ」
ベース車自体がなかなかレアと言うかマイナーで、多くの人がいったいなんというクルマ⁉と思うはず。そんな謎めいた軽自動車の正体は、ダイハツ「ソニカ」です。タダでもらったクルマをここまで仕上げるとは驚きです。独自のセンスと技術で徹底的にカスタムを施した“キミソニ”さんの挑戦に迫ります。
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ドレスアップカーコンテストに参加するためフルリメイク
このクルマをパッと見て車名がすぐわかる人は、なかなかいないと思う。それはカスタム車だからという理由ではなく、そもそものベース車が「これって何だったけ」と思わせるクルマだからだ。その答えはダイハツが2006年~2009年に販売していた「ソニカ」である。
ソニカは爽快ツアラーとしてターボエンジンを搭載し、コンパクトカーの常識を打ち破るロー&ロングフォルムを謳い文句にデビューを果たしたものの、タイプ別のあらゆるニーズに応える軽自動車市場ではイマイチの結果で終わり、俗に言うマイナー車と呼ばれる存在になってしまった。
ここで紹介する“キミソニ”さんも自らの意思で買ったわけではなく、友人から「乗らないのであげる」と言われてタダで手に入れた。ちょうどドレスアップカーコンテストに参加するために軽カーを探していた時期でもあったので、良い出会いで手に入れたソニカを大胆にリメイクすることを決意。「やるなら徹底的に」と、現在の姿になった話す。
FRPで型取りドッキングしたオリジナルバンパー
基本的にマイナー車であるソニカは、ボディキットが存在しない。手間はかかるが自分なりの我流カスタムを楽しむべく、コツコツとパーツを製作。最初に手を加えたのがフロントバンパーで、これは純正バンパーをFRPで型取りし、新たに作ったFRPバンパーを半分にカット。下部にダイハツ「タント」用バンパーをドッキングさせたオリジナルなのである。
次にクルマのキャラクターを決定づけるフロントフェイスを鋭い印象へと変えるべく、ヘッドライトを一部覆う形で純正ボンネットを延長させた。これは俗にいうバットフェイスに見えるように工夫した加工だという。
そのままでは迫力が出せないフェンダーも、鋭いエッジを付けてワイド化。造形作りは鉄板とFRP、それぞれの特性を考えて、適材適所の工程で作り出したというから、“キミソニ”さんの製作技術、スキルの高さがうかがえる。
4枚ドアをすべてシザース仕様に! 開閉具合も追求
ドアは見てのとおりのインパクト抜群のシザーススタイルだ。当初やるつもりはなかったらしいが、たまたま友人が「汎用ヒンジが余っているからあげる」と言われたため、ほぼノリで4枚ドアすべてをシザース仕様にしたそうだ。だが、ただ付けるだけではカッコ良くないので、このシザースヒンジの取り付け位置に合わせてフェンダーの一部をさらに加工し、開閉時のスムースさを考えて設計。閉じたときと開けたときのバランスの良さも追求して作り込んでいる。
リアの作り込みもすごかった。バンパーはスポーティーに見えるようにアンダー部をFRPで立体成形し、ディフューザー形状+アンダーパネル+カナードを追加して構成。どっしりと構えたフェンダーのふくらみを強調するように、リアビューのアピール度を高める。ちなみに現在装着しているのマフラーは片側2本出しだが、もうすぐ左右2本出し仕様になるということだった。
今後の予定は、「ボディの一部がサフェーサーのままなので、カラーを決めてオールペンしたい」と“キミソニ”さんは話す。グレー系も悪くないと感じているが、このクルマならではの「ベース車不明感」を際立たせるには、明るい原色系ソリッドカラーもアリなような気がする。ここはオーナーのセンスの見せどころということになるだろう。
>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)
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