耐久なエンジン この年代らしい整備は必要
ローバーP6のエンジンは、直列4気筒でもV型8気筒でも高耐久。定期的なメンテナンスを怠らなければ、リビルドせずに16万km以上は耐える。
【画像】1960年代の英国へ衝撃 ローバーP6 トライアンフ2.5と後継のSD1 ランドローバーも 全103枚
エンジンオイルの過度な消費や漏れ、ベアリング・ノイズなどがないか確かめたい。V8エンジンでパワー不足に感じられるなら、カムまわりの摩耗が原因であることが多い。
ラジエターは、内部の詰まりや腐食、クーラントの状態を確かめる。特にV8エンジンではクーラントが古くなると内部腐食が進み、ヘッドガスケットへダメージを与えることがある。
ヘッドはアルミニウム製で、無鉛ガソリンにも対応できる。エタノール混合ガソリンを給油する場合は、燃料系統のゴムやナイロン部品は交換が必要。2000TCや2200TC、V8エンジンの場合、ガソリンは100オクタン以上の無鉛ハイオクを用いたい。
1万6000km毎でのリア・サスペンションのド・ディオン・チューブ・フルード交換と、3万2000km毎でのタイミングチェーン用テンショナー・フィルターの掃除をするのが理想。現代のメカニックは、必要性を理解していない人も少なくない。
ドアのヒンジは球面ジョイントを用いており、グリースポイントは1か所のみ。ド・ディオン・チューブのラバー部品が破損すると、内部に砂が入り摩耗が進む。状態が怪しければ、早めの交換が得策だろう。
上級サルーンをリードするポジションにあった
オーバー・エンジニアリング気味だったP6では、初期型では軽さと性能を両立させたダンロップ社のディスクブレーキと、よく効くハンドブレーキが装備されている。1966年からは、大型のサーボを採用したガーリング社製へ変更。パッドも強化された。
同時期に電装系はマイナスアースへ変更され、バックライトが2灯へ増やされている。1968年からは、クロスフロー・ラジエターが搭載されるようになった。
快適な乗り心地で製造品質の高かったP6 2000は、1960年代の英国では、上級サルーンをリードするポジションに位置していた。動的な水準は、同時期のライバルとは一線を画していた。
生産は1977年まで続けられたが、デビッド・ベイチュ氏が手掛けた美しいスタイリングへは、最後まで大きな手は加えられなかった。ボディシェルの構造的にフェイスリフトは難しくなかったものの、晩年まで古びて見えることはなかった。
しなやかなサスペンションでボディロールは小さくないものの、不安を誘うほどではないだろう。運転席からの視界に優れ、操縦系のレイアウトも好ましい。現在でも心地良いドライブを楽しめる、実用的なクラシックサルーンだといっていい。
購入時に気をつけたいポイント
ボディとシャシー
静電粉体方式で塗装されているが、錆びやすい。ベースユニットと呼ばれるボディシェルの状態は、表面のボディパネルで隠されているため確認が難しい。リアドアの開口部がきれいなら、全体的に状態は悪くない可能性が高い。
フロントのバルクヘッドやフェンダーの内側、ホイールアーチの周辺は弱点。車内フロアや、バンパー裏のバランスパネルも錆びがち。
前後のフェンダーとボディシェルの結合部分、サイドシル、ジャッキアップポイント、リア・ドアの開口部、荷室のフロア、ドアの底面、トランクリッドの周辺なども錆びやすい。クロームメッキ・バンパーも腐食していて不思議ではない。
エンジン
新設計だったオーバーヘッドカムの4気筒エンジンは、1973年のアップデートを経て、P6の競争力を14年間も維持した。3.5LのV8エンジンは、高耐久でパワフル。どちらもアキレス腱になるような弱点はないといえる。
カムシャフトは摩耗している可能性がある。エンジンオイル漏れや、ピストンリングの劣化による圧縮抜け、タイミングチェーンの異音がないかがチェックポイント。
内部ベアリングの摩耗で、回転時にゴロゴロと唸っていないか聞き分けたい。リビルドが必要なサインとなる。V8エンジンの場合は、オーバーヒートの痕跡やガスケットの状態も観察したい。ラジエターは、クーラントの劣化や内部の腐食がないか確かめる。
サスペンションとブレーキ
ド・ディオン式のリア・サスペンションは、構造材やスプリングの状態を確認する。ブッシュ類がヘタると、走行中にカタカタと鳴く。
リア・ブレーキはインボード・レイアウトで、サビや固着を招きやすい。ハンドブレーキの動作も確かめたい。初期はダンロップ社製で、後にガーリング社製へ変更されている。
トランスミッションとステアリング
4速マニュアルは新設計だった。堅牢で、パワフルになった2200や3500Sでも継投されている。3速オートマティックは、直4エンジンではダルな印象ながら、V8エンジンではトルクを活かしゆったり流せる。
走行中にギアが抜けないか、シフトレバーが滑らかに動くか、試乗で確かめる。オートマティックの場合は、フルードの状態やキックダウンの反応もチェックポイント。
ステアリングホイールを回しみて、不自然な手応えや遊びが多くないかも確かめたい。
インテリア
レザーとアンブラ生地は高耐久。ナイロン生地は劣化しやすい。入手が難しい内装部品があるため、欠損がないか観察したい。
ローバーP6のまとめ
ローバーP6は今でも普段使いできるクラシックサルーンといえ、しばらく見過ごされてきたものの、最近は価格が上昇中。特に状態の良い3500Sは、高騰し始めている。とはいえ2000や2200などを中心に、実際に使える例をまだ安価に英国では探せる。
一方、放置されボロボロになったP6も珍しくない。可能な限りオリジナル状態にあり、構造が腐っていないクルマを慎重に探したい。整備履歴も重要だが、何より現在の状態を優先した方がいいだろう。
良いトコロ
快適な乗り心地で、適度に活発な走り。英国には多くのファンが存在し、バックアップ体制にも不安はない。比較的気軽に所有できるクラシックサルーンの1台といえ、ファミリーカーとしても活躍できる。
良くないトコロ
取り引き価格は高くなく、レストアを施しても見合った価値で売買できるとは限らない。状態の見極めには注意が必要といえる。
ローバーP6(1963~1977年/英国仕様)のスペック
英国価格:1723~2104ポンド(1972年時)
生産台数:32万9066台
全長:4547-4585mm
全幅:1664-1708mm
全高:1397-1435mm
最高速度:154-196km/h
0-97km/h加速:9.3~20.8秒
燃費:6.0-10.3km/L
CO2排出量:−
車両重量:1260-1329kg
パワートレイン:直列4気筒1978・2205cc自然吸気OHC/V型8気筒3528cc自然吸気OHV
使用燃料:ガソリン
最高出力:92ps/5000rpm-155ps/5000rpm
最大トルク:15.8kg-m/2500rpm-28.1kg-m/2750rpm
ギアボックス:4速マニュアル/3速オートマティック
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