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かつての同僚と新天地で再タッグ……メルセデスF1、旧知のふたりが技術部門を牽引。新時代に向けた盤石な体制敷く

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かつての同僚と新天地で再タッグ……メルセデスF1、旧知のふたりが技術部門を牽引。新時代に向けた盤石な体制敷く

 2024年の夏、ベテランエンジニアのシモーネ・レスタは23年ぶりにガーデニング休暇を過ごすこととなった。

 当然、庭弄りが主な目的ではなく、レスタはフェラーリからメルセデスの戦略開発ディレクターとしてイギリスに移住する準備を整えるという、より差し迫ったタスクを抱えていた。

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 レスタのメルセデス移籍が発表されたのは昨年3月のこと。ハースへの出向からフェラーリに戻ったわずか2ヵ月後のことだった。

 ブラックのチームキットに袖を通したレスタは、昨年10月からメルセデスでの稼働を開始。その後、役職名は「副テクニカルディレクター」に変更された。直属の上司はテクニカルディレクターのジェームス・アリソン。ふたりはかつてフェラーリで2度にわたりタッグを組んでおり、これはある種の再開だ。

 2000年、アリソンはベネトンで不遇を味わった後、当時新設されたトラックサイド空力担当としてフェラーリへ移籍した。2005年には一度、新体制となったルノーに戻ったものの、イタリアでの生活を楽しんでいたアリソンは2013年に再びフェラーリへ戻り、彼の妻が急逝してイギリスに戻るまで3年間在籍した。

 一方でレスタは長らくフェラーリ一筋。2013年にジュニアデザイナーとして陣営に加入し、その後ザウバーやハースといったパートナーチームに出向してテクニカルディレクターを務めた。

 レスタはメルセデスで副テクニカルディレクターを務めるため、一見するとステップダウンとも受け取れる。しかしメルセデスはより大きな組織であり、マネジメント層の手厚さが求められる。

「まず、私の仕事はジェームスやテクニカル部門全体と緊密な関係を築くことだ」

 レスタはmotorsport.comイタリア版の独占インタビューでそう語った。

「ジェームスはテクニカルディレクターで、私は副官だ。彼はテクニカル部門全体のビジョンを持っていて、主に2026年のプロジェクトに集中している。その一方で私は2025年。より短期・中期的なモノに集中しているが、長期的な戦略にも携わっている」

「私が言っているのは、来季以降、スキルや技術的なインフラを発展させるという点に関してだ。全ての仕事のプロセスをF1の進化に適応させるんだ」

 レスタがメルセデスで働き始めるのは2025年初頭と見られていたが、2023年半ばにメルセデスからフェラーリへ引き抜かれたパフォーマンスディレクターのロイック・セラのガーデニング休暇をめぐり、2チーム間で交渉が行なわれた。

 それまでメルセデスは、今年1月に契約が切れるまでセラにガーデニング休暇をとらせるつもりでいたが、交渉の結果、レスタもセラも昨年10月に新しいポジションに就くことができた。アリソンはレスタを高く評価していると考えられている。

「ジェームスと私は素晴らしい協力関係にあり、効率的に仕事を分担している」とレスタは言う。

「私はマシン全体の開発と新技術の統合に重点を置き、ジェームスはデザインと空力チームのリーダーとして重要な役割を担っている」

「メルセデスでの我々の役割の取り組み方は、非常に補完的だ。フェラーリでの過去の経験が我々の強い基盤になっているし、どんな課題にも共に取り組む方法を知っている」

「我々が出会った2000年代初頭、私はフェラーリのメカニカルな部分を担当し、彼はサーキットで空力面を見ていた。そして2013年末に再開し、フェラーリへ戻った彼はテクニカルディレクター、私はチーフデザイナーになった。我々は上手くいっていると言える」

「彼は偉大な人物であり、偉大な技術者だ。私にとって、彼と共に仕事ができるのは光栄なことだ」

文:motorsport.com 日本版 Stuart Codling/Franco Nugnes
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みんなのコメント

1件
  • wat********
    詰まり フェラーリは、低迷していたメルセデスから 技術者を引き抜き、今 苦しんでいるのだな
    ビノットが お山の大将チームプリンシパルを目指すことなく、その自分の地位を守るため OIL燃焼させて、鈴鹿の予選で 1·2を取らず
    PUをメインに テクニカルディレクターのトップを真面目にしてくれていれば、優秀なエアロダイナミシストにも 出て行かれずに済んだのに
    フェラーリは、飼い犬(ビノット)に 手を噛まれたなw
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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