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ニッチな左ハンドル需要を狙い撃ち! キャデラック「CT5」の○と?

掲載 更新 5
ニッチな左ハンドル需要を狙い撃ち! キャデラック「CT5」の○と?

■話題になった「CTS」のフルモデルチェンジ版が「CT5」だ

 21世紀を迎えたキャデラックにとって、大きな問題となっていたのは、カスタマーの年齢層が平均で60歳を超えていたことだった。このままでは、カスタマーのキャデラック離れが将来的に加速度的な勢いで進むことは間違いなく、この最悪の事態を避けるべくキャデラックはヤングユーザーにも支持される、スポーティでスタイリッシュなモデルの開発へと乗り出した。

史上最強のキャデラックは最高時速320キロ超! 「CT5-V」「CT4-V」ブラックウイング誕生

 2002年に発表されたRWDのスポーツセダン「CTS」などは、その象徴的な例といえた。

 CTS、あるいはコルベット用のエンジンをそのエンジンルームに収めた「CTS-V」など、キャデラックのスポーツ路線は続いたが、残念ながらそれらはヨーロッパでは大きな成功を収めるには至らなかった。

 ヨーロッパにはすでに、CTS並みの運動性能を持つサルーンは数多く存在し、そのいずれもが長い歴史と熱狂的なファンを持っていたからだ。

 もちろんキャデラックも次なる一手を用意していた。それが新開発のRWDプラットフォーム「アルファ」で、これまでより大幅に軽量なそのプラットフォームは、新型CTSやさらにコンパクトな「ATS」に採用された。

 そのフルモデルチェンジ版が、「CT5」であり、またFFプラットフォームを使ったキャデラック初となるスモールSUVの「XT4」というわけだ。

 そのCT5に試乗することができた。CT5の日本仕様は、「スポーツ」と「プラチナム」の2モデルで、車両価格(消費税込)はそれぞれ620万円と560万円となる。

■左ハンドルを求める人には救世主的存在

 CT5の日本仕様に用意されたスポーツとプラチナムの2モデルの大きな違いは、その駆動方式にある。スポーツはAWD、プラチナムは後輪駆動のドライブトレインとなる。

 スポーツはドライブモードによって、前後輪の駆動力配分を40:60(ツアー・モード)、20:80(スポーツ・モード)、そして50:50(アイス&スノーモード)に可変し、状況によって最適な前後駆動力配分となる。

 XT4に採用されるツインクラッチAWDは、後輪左右の駆動力配分もおこなうが、CT5の場合はそこまでの機能は必要としないという判断によるのだろう。

 また「マイモード」では、スロットルやシフトプログラム、ステアリングに加えエグゾーストサウンドまで個別に設定することも可能だ。

 搭載されるエンジンは、XT4と共通の1997cc直列4気筒ターボ(最高出力は240ps)。これをXT4の横置きに対して縦置き搭載しているのが大きな特徴だ。

 組み合わせられるトランスミッションは、ついに10速化されたATとなった。

 確かにシフト時のショックを不快に感じることもないし、シームレスな加速を楽しむこともできる。

 また乗り心地も素晴らしい。試乗車のプラチナムには、18インチ径のタイヤとホイールが装備されるが、路面からの突き上げは、どのスピードレンジでも巧みに処理され、室内は常に快適な空間に保たれる。

 今回の試乗会は東京都内でおこなわれたが、いわゆるアメ車の大きさを感じさせられる場面は試乗ルートにはなかった。

 ステアリングは常にリニアな反応に終始し、とてもこのCT5が5000mmに迫る全長と3000mmに近いホイールベースを持つモデルであるとは信じられなかった。

 これならばヨーロッパのEセグメント車、あるいは国産セダンからの乗り換えにも、おそらく大きな抵抗はないだろう。

 気になるのは、やはり左ハンドルのみという設定と、センターコンソール上にマウントされる10インチディスプレイの操作性だ。ダイヤルスイッチも備わるものの、基本的に走行中に視線を移動させなければ操作ができないのは、やはりクルマに慣れるまでは多少の負担にはなる。

 はたしてこのCT5というキャデラックのニューフェイスは、日本でどう評価されるだろうか。個人的にはその魅力は、これまで以上に大きく高まったと感じられたので、大いに期待したい。

●CADILLAC CT5 Platinum
キャデラックCT5プラチナム
・車両価格(消費税込):560万円
・全長:4925mm
・全幅:1895mm
・全高:1445mm
・ホイールベース:2935mm
・車両重量:1680kg
・エンジン形式:直列4気筒ターボ
・排気量:1997cc
・エンジン配置:フロント縦置き
・駆動方式:4輪駆動
・変速機:10速AT
・最高出力:240ps/5000pm
・最大トルク:350Nm/1500-4000rpm
・燃料タンク容量:66L
・サスペンション:(前)マクファーソン式、(後)マルチリンク式
・ブレーキ:(前)ディスク、(後)ディスク
・タイヤ:(前)245/45R18、(後)245/45R18

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みんなのコメント

5件
  • 物は言いようだな
    たんに右H用意できないだけなのに
  • このサイズのセダンで
    リアシート全倒するトランクスルー付きか。
    日産とトヨタは見習わないとね。
    剛性ケチってると付けられないからね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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