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【ニューテクノロジー】持続可能性を高めるブリヂストンの技術 エアフリー コンセプト スポーク構造でパンクなし&スペアタイヤ不要

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【ニューテクノロジー】持続可能性を高めるブリヂストンの技術 エアフリー コンセプト スポーク構造でパンクなし&スペアタイヤ不要

ブリヂストンのエアフリー コンセプト。空気漏れによるパンクは過去のものになる。エアフリー コンセプトは、ブリヂストンの新しいタイヤの名前である。タイヤ内の空気をスポーク構造で置換することで、スペアタイヤを不要にする。

ブリヂストンは2011年からエアレスタイヤの開発に取り組んでおり、現在はまだ「エアフリー コンセプト」と呼ばれている。このコンセプトでは、タイヤ内の空気を樹脂製のスポーク構造に置き換える。空気がないところでは、空気は漏れない。そのため、空気が漏れることによるパンクは過去のものとなる。

自動車ショーとモビリティショー

スペアタイヤを持ち運ぶ必要がなくなり、トランクのスペースが空く。また、重量が軽くなることで、当然ながら燃料消費量も減る。さらに、「エアフリー コンセプト」技術を採用した樹脂スポークは、従来のタイヤよりもデザインの自由度が高く、リサイクル性にも優れている。

ブリヂストンの技術には多くのメリットがある

このブリヂストンの新技術は、産業車両の特殊な荷重に耐えなければならないタイヤにも大きなメリットをもたらす。農業、鉱業、建設業では、パンクは生産性と効率の低下につながる。漏れたり、吹き飛んだりしないタイヤは、歓迎すべき進歩だろう。

CO2排出量の削減

タイヤの転がり抵抗によって失われるエネルギーの約90%は、タイヤが転がる際に形状が繰り返し変化することに起因する。ブリヂストンはタイヤ構造をシンプルにすることで、この「エアフリー コンセプト」タイヤのエネルギー損失を最小限に抑えることに成功した。その結果、ブリヂストンの低燃費空気入りタイヤ「Ecopia」と同等の低い転がり抵抗を実現し、CO2排出量の削減に貢献している。

2013年に登場した第2世代のエアレスタイヤは、タイヤの転がり抵抗によるエネルギーロスを低減するシンプルな設計が特徴だった。そして2017年、ブリヂストンは自転車用エアレスタイヤのコンセプトを発表し、2019年に発売された。

トヨタがeスクーターでエアレスタイヤをテスト

少なくとも1つの自動車メーカーは、ブリヂストンの新技術をすでに注視している。トヨタは2016年、「セグウェイ」に似た2輪の電動スクーターにブリヂストンのエアレスタイヤを装着し、公道で大規模な実地試験を行った。しかし、トヨタは自動車分野での使用の可能性についてはコメントしなかった。

「エアフリー コンセプト」タイヤがいつ自動車用にも利用可能になるかは、今のところまったく不明だ。ブリヂストンもまた、我々の質問に対してコメントを避けたがった。しかし、ブリヂストンが自転車用タイヤの発表で、長年の研究を終わらせるつもりはないことは明らかだ。したがって、エアフリータイヤコンセプトの開発は、できるだけ早く幅広い車種に実用化できるよう、急ピッチで進められていくものと思われる。

持続可能性を高めるブリヂストンの技術

特にブリヂストンは、資源を有効活用し、効率的な事業運営を行うことで、事業と環境の両立を目指す中で、燃費向上によるCO2排出量の削減とともに、魅力的な商品をお客様に提供し続けることができると考えている。ブリヂストンは、「我々は、より持続可能な社会の実現に貢献するため、技術革新の継続的な導入を目指しております。ブリヂストンは、今後も先進的なタイヤ技術の開発を通じて、環境に配慮したユニバーサルモビリティの実現による持続可能な社会の実現に取り組んでまいります」と語っている。

Text: Thomas Arndt Photo: Bridgestone

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みんなのコメント

2件
  • メリットは大きいがまだ飛び付く時期じゃ無いな。見栄えはいいだろうね。横剛性とか耐久性の問題は巷の評判がないとわからない。
  • フラットスポット対策、交換時の価格、耐久年数、高齢者用電動カーでもノンパンクだが、中のウレタンが出ても乗る高齢者もいる。ゴム部分が擦れ樹脂だけになっても乗る人はいると思う。あらゆるデメリットもキッチリ説明するべきだと思う。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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