現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > キャブレターの不具合を徹底的に『洗い出す』「カワサキ ZZR600」リフレッシュ計画【第6話】

ここから本文です

キャブレターの不具合を徹底的に『洗い出す』「カワサキ ZZR600」リフレッシュ計画【第6話】

掲載 更新 5
キャブレターの不具合を徹底的に『洗い出す』「カワサキ ZZR600」リフレッシュ計画【第6話】

燃料系の問題か、急加速時の微妙な不調が持病のようなZZR600・2号機。
購入した中古バイクショップでは、タンクの錆取りをするとのことで納車まで時間がかかったのですが「時間をかけて燃料系もしっかり清掃してくれたのかな」なんて思っていたんですけど、もしかして、まだキャブの中など燃料系に汚れが残っている?
そこで第6回となる当記事では、キャブの分解点検に取りかかってみました。

クランクケース上で、ナゾの放置ネジ発見!

中古車で再び最高の自分仕様を!90年代の隠れ名車「カワサキ ZZR600」リフレッシュ計画【第1話】

当「カワサキ ZZR600シリーズ」では毎度おなじみの作業となりつつありますが(笑)、まずはシート、サイドカウルなどをはじめタンクやエアクリーナーボックスやらをそっくり外し、キャブまでたどり着きます。
エンジンと接続しているマニホールドも点検しつつ、キャブの底に付くアイシング対策の冷却水ホースもひっこ抜き、ようやくキャブがエンジンから外れます。
しかし、何回やっても時間のかかる作業ですね。外した部品類を踏んだりしないように離れた場所に移動させ、作業台の上で上下に分解しますが、まずはフロート室やドレーンの様子を見てみます。

すると、フロートチャンバー下側に錆の粉が凝固していました。各気筒ともにまあまあの量で錆の粉の固まりがありました。
これをピックツールで優しく、かつしつこく突ついて隅々の粉までを除去。一方で洗浄前にドレーンネジを外すと、3番キャブのドレーンの先端に錆が。交換すべきかもしれませんが、ジェットではなくドレーンなので錆部分の研磨除去でオーケーとしましょう。

そのほかでは、不思議なことに、外した覚えもない1、2番間のスロットル調整のネジが外れてクランクケース上で見つかるという怪奇現象(?)が発覚。見つかってよかったものの、これでは同調が狂っていてもおかしくない状況。
キャブの同調は4連のバキュームを使ってきちんと調整しないとダメな作業です。そこで、応急的に外れていたネジを、リンクに他と同じ程度に仮にねじ込んでおき、後日対処することにしました。
この作業で、不調解消へググッと前進できそうな気がしてきました。

キャブ内部の分解チェック&ジェット類の新調

キャブの下側とリンクまわりのチェック後は、上側=ダイヤフラムとスロットルバルブの点検です。ダイヤフラムに破れがないか、作動が正常なのか、上側の端にある小さな穴が詰まっていないかも点検しました。
ZZR600の吸気系は、キャブが負圧式でラムエア機構付きという複雑な構造ですから、負圧なり加圧のかかりそうな箇所がどこか詰まっていないかの確認は重要でしょう。

目視でチェックした限りでは、ダイヤフラムは大丈夫そう。ただし、1番のスライドバルブが荒れていたため、細かいペーパーで滑らかに上下するように修正&洗浄。次に、エンジン側へ混合気が向かう直前のバタフライバルブもチェック。ここもブローバイガスのせいか汚れていたので、キレイに清掃し磨きました(やや「過剰整備」かな?)。

ところでZZR600に限らずですが、仕向け地(輸出国)によってキャブに付くジェットの仕様が違うのが海外専用車らしさでもあります。
ここは、標準で135番と思われたメインジェットはそのままでしたが、新品で後年型の140番のジェットとメインノズルを注文していたので、それを組み込んでみました。
一方スロージェットは、おおむねどの仕向け地でも35番だったので、標準35番の新品に交換。ちなみにメインノズルに開く穴の数が変わっていましたが、ものは試し。
「メインジェットから吸い上げられたガソリンが、どんな感じでキャブの中に噴射されるんだろう? 」と興味が湧き、パーツクリーナーのノズルに接続してクリーナーの噴出する写真を実験がてら撮ってみました。面白い!

撮影しながら細かく掃除をしたりしていると、4連キャブの作業だけで2日くらいかかっちゃいました。
分解した内部には錆の粉や各部に傷みとかもありましたが、それを見ると「自分が手に入れる前まで、このバイクにも放置期間前には色々歴史があったんだろうなー」なんて思いましたね。
そして、キャブを一旦組んでみたものの、エンジンをかけての同調調整を住宅地の中でやるのはさすがに……と、かつて散々お世話になったショップの社長に作業を打診。ちなみにそのお店は四半世紀以上前(Z400GPやらZ750GPなどが新車販売されていた時代です)、10代後半だった私がザッパーで通ってはバイトをしていたときからの長~いお付き合い。社長さんは、筆者にとって「バイクの師匠」と言える存在です。

「もう引退に近い状態だし、常連さんの整備しかやってないよ~!」とのことでしたが、作業していただけました。やっぱり師匠の作業、勘所はすごかった!
こうした作業の結果、調子が一気に向上してゴキゲンだったんですが……別の問題も見付かったりしちゃって。

レース参戦用マフラーを手掛けてくれたビート本社へ、ZZR600に乗ってインタビューに!

ZZR600を新車購入し(それが「1号機」なのです)、1993年から『モーターサイクリスト誌』で最高速チェックに、カスタムに、レース参戦に──と様々な実験やチャレンジを連載ページとして展開していた筆者。
この「第10回」(納車から366日目、走行距離1万5500km時)では、レース参戦のためマフラー開発テストで大変お世話になったビート工業さん本社を訪問。
風洞実験室や、当時登場したばかりであろうベンダーなども見せてもらい、大いに勉強になりました。軽量化にも効くナサートRRマフラーを装着し、最高速実験やサーキット走行などをしたのを思い出すなぁ。 

レポート&写真●小見哲彦 編集●阪本一史

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

名神ICに直結! 「彦根お城トンネル」が12月開通 高速道路から市中心部へ一気にワープ
名神ICに直結! 「彦根お城トンネル」が12月開通 高速道路から市中心部へ一気にワープ
乗りものニュース
ホンダ斬新「オデッセイSUV!?」に大反響! 「V6ワゴン」から進化の“最上級クーペSUV”に「カッコイイ」「モダンな見た目」の声も! 13年ぶりの「アヴァンシア」がスゴイ!
ホンダ斬新「オデッセイSUV!?」に大反響! 「V6ワゴン」から進化の“最上級クーペSUV”に「カッコイイ」「モダンな見た目」の声も! 13年ぶりの「アヴァンシア」がスゴイ!
くるまのニュース
ロバート・クビサ、2025年も3台目のフェラーリ499Pをドライブへ。AFコルセ残留が決定
ロバート・クビサ、2025年も3台目のフェラーリ499Pをドライブへ。AFコルセ残留が決定
AUTOSPORT web
アルファ・ロメオ・トナーレでジュリエッタ乗りに出会う【新米編集長コラム#9】
アルファ・ロメオ・トナーレでジュリエッタ乗りに出会う【新米編集長コラム#9】
AUTOCAR JAPAN
ル・マン優勝のポルシェ「917K」がなんと550万円!? ホンダエンジンを搭載した子供向けジュニアカーの大きさは実車の7割…おもちゃにしては高すぎる!?
ル・マン優勝のポルシェ「917K」がなんと550万円!? ホンダエンジンを搭載した子供向けジュニアカーの大きさは実車の7割…おもちゃにしては高すぎる!?
Auto Messe Web
ライバルかつ僚友のトヨタWRC育成ふたりがラリージャパン初参戦。お互い「負けたくない」と意識
ライバルかつ僚友のトヨタWRC育成ふたりがラリージャパン初参戦。お互い「負けたくない」と意識
AUTOSPORT web
高性能4シーターオープン、メルセデスAMG『CLE 53カブリオレ』発売、価格は1400万円
高性能4シーターオープン、メルセデスAMG『CLE 53カブリオレ』発売、価格は1400万円
レスポンス
【特許画像リーク!】来年デビュー予定の新型「BMW iX3」のリーク画像を入手!コンセプトモデルのほぼそのまま量産される
【特許画像リーク!】来年デビュー予定の新型「BMW iX3」のリーク画像を入手!コンセプトモデルのほぼそのまま量産される
AutoBild Japan
【中国メーカー初受賞】BYDシール 「Euro Car Body 2024」車体構造デザイン部門で第3位
【中国メーカー初受賞】BYDシール 「Euro Car Body 2024」車体構造デザイン部門で第3位
AUTOCAR JAPAN
アルファロメオ『33ストラダーレ』新型、「ベスト・イン・クラシック2024」の最高賞を受賞
アルファロメオ『33ストラダーレ』新型、「ベスト・イン・クラシック2024」の最高賞を受賞
レスポンス
新車77万円! ホンダ革新的「コンパクトカー」に「安くて広くて最高!」の高評価! 全長3.7mで「フィット」より小さい“街乗り最強”モデルとは! デザイン&乗り心地も大満足
新車77万円! ホンダ革新的「コンパクトカー」に「安くて広くて最高!」の高評価! 全長3.7mで「フィット」より小さい“街乗り最強”モデルとは! デザイン&乗り心地も大満足
くるまのニュース
トヨタ新型「最小級SUV」登場か!? 「ヤリスクロス」より小さい“静音モデル”に「カッコいい!」と反響アリ! 「bZ1X」かもしれない新型車に期待大!
トヨタ新型「最小級SUV」登場か!? 「ヤリスクロス」より小さい“静音モデル”に「カッコいい!」と反響アリ! 「bZ1X」かもしれない新型車に期待大!
くるまのニュース
エバンスが0.7秒リードの接戦。トヨタ2台がパンク、ヌービルに“ノーパワー”トラブル/ラリージャパン デイ2午前
エバンスが0.7秒リードの接戦。トヨタ2台がパンク、ヌービルに“ノーパワー”トラブル/ラリージャパン デイ2午前
AUTOSPORT web
ええええぇついに最後か!? 鮮明なボディカラーに思わず見とれる!!!!!!!!! 爆速2Lターボのホットハッチ[AMG A45 S]の魅力度がマシマシ
ええええぇついに最後か!? 鮮明なボディカラーに思わず見とれる!!!!!!!!! 爆速2Lターボのホットハッチ[AMG A45 S]の魅力度がマシマシ
ベストカーWeb
なんちゃってセレブ、ヒョンデ新型「アイオニック5N」の「ファーストエディション」を激オススメ! 限定50台のうち22台が「マガリガワ クラブ」に集合!
なんちゃってセレブ、ヒョンデ新型「アイオニック5N」の「ファーストエディション」を激オススメ! 限定50台のうち22台が「マガリガワ クラブ」に集合!
Auto Messe Web
「ノーマルタイヤで立ち往生」に国交省ブチギレ!?「行政処分の対象です」2年連続で大量発生…「スタックの7割が夏用タイヤ」今年も緊急警告
「ノーマルタイヤで立ち往生」に国交省ブチギレ!?「行政処分の対象です」2年連続で大量発生…「スタックの7割が夏用タイヤ」今年も緊急警告
くるまのニュース
いやあ、クソ暑かったよ! ラスベガスF1初開催を知るエディ・チーバーに訊く。悪名高き“駐車場コース”でのレースは「悪い思い出ではない」
いやあ、クソ暑かったよ! ラスベガスF1初開催を知るエディ・チーバーに訊く。悪名高き“駐車場コース”でのレースは「悪い思い出ではない」
motorsport.com 日本版
「AI EV時代のトヨタ」めざすファラデー・フューチャー、新型EV『FX』最初の試作車が完成
「AI EV時代のトヨタ」めざすファラデー・フューチャー、新型EV『FX』最初の試作車が完成
レスポンス

みんなのコメント

5件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村