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WRC第7戦、マシンブレーカーと呼ばれるタフなグラベルラリーが始まる【アクロポリス・ラリー・ギリシャ プレビュー】

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WRC第7戦、マシンブレーカーと呼ばれるタフなグラベルラリーが始まる【アクロポリス・ラリー・ギリシャ プレビュー】

2025年6月26日~29日(現地時間)、WRC世界ラリー選手権第7戦アクロポリス・ラリー・ギリシャがギリシャ中部のラミアを起点としたグラベル(未舗装路)で開催される。山岳地帯の路面は全体的にサルディニア以上に荒れていることが多く、気温も非常に高くなるため、クルマとタイヤに非常に厳しいラリーとして知られている。

トヨタのリードでシーズン中盤戦に突入
前戦第6戦ラリー・イタリア・サルディーニャでは、序盤からアクシデントやトラブル連発の大波乱となったが、トヨタのセバスチャン・オジェが難しい状況に冷静に対応して、連勝で今季3勝目をあげた。

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これでトヨタは、開幕戦でオジェ、第2/3戦でエルフィン・エバンス、第4戦ではカッレ・ロバンペラ、第5/6戦では再びオジェが優勝し、開幕からついに6連勝を達成。マニュファクチャラー選手権で2位のヒョンデに69ポイント差をつけて首位に立ち、ドライバー選手権でもエバンスが首位、それを19ポイント差で2位オジェが、20ポイント差でロバンペラが追うなど、トヨタのドライバーがランキングトップ3を占めている。

ヒョンデにとってはアクシデントやトラブルに悩まされる厳しい状況が続いているが、前戦ラリー・イタリア・サルディーニャでも、オイット・タナックがオジェと一騎討ちの優勝争いを繰り広げているように、グラベルラリーでの速さが注目されている。

2025年 WRC第6戦ラリー・イタリア・サルディーニャ 結果
1位:S.オジェ(トヨタ GRヤリス ラリー1)3h34m24.5s
2位:O.タナック(ヒョンデ i20N ラリー1)+7.9s
3位:K.ロバンペラ(トヨタ GRヤリス ラリー1)+50.5s
4位:E.エバンス(トヨタ GRヤリス ラリー1)+5m05.7s
5位:勝田貴元(トヨタ GRヤリス ラリー2)+7m29.6s
6位:O.ソルベルグ(トヨタ GRヤリス ラリー2)+8m32.9s
7位:S.パヤリ(トヨタ GRヤリス ラリー1) +10m29.0s
8位:N.グリヤジン(シュコダ・ファビアRS ラリー2)+10m58.7s
9位:R.ダプラ(シュコダ・ファビアRS ラリー2) +12m15.3
10位:K.カエタノビッチ(トヨタ GRヤリス ラリー2)+12m21.1s

2025年 WRCドライバーズランキング(第6戦終了時)
1位 E.エバンス(トヨタ)133
2位 S.オジェ(トヨタ)114
3位 K.ロバンペラ(トヨタ)113
4位 O.タナック(ヒョンデ)108
5位 T.ヌーヴィル(ヒョンデ)83
6位勝田貴元(トヨタ )63
7位 A.フルモー(ヒョンデ)44

2025年 WRCマニュファクチャラーズランキング(第6戦終了時)
1位 トヨタ 312
2位 ヒョンデ 243
3位 Mスポーツ・フォード 87

乾けば砂埃に包まれ、雨が降ればぬかるむ、タフなグラベルラリー
アクロポリス・ラリーは、1951年に初めて開催され、WRC初年度の1973年からシリーズの一戦に組み込まれた伝統的なグラベル(未舗装路)イベント。

2021年にWRCのカレンダーに復帰して以降、9月の開催が定着していたが、今年は開催時期が気温の高い6月に移動。大きな石が転がる「悪路」で知られるアクロポリス・ラリーは、晴れれば気温が上昇し路面には乾いた砂が浮き、雨が降れば路面が泥に覆われて滑りやすいコンディションとなる。

そこに例年以上の高温となれば、クルマ、タイヤにとっても過酷なサバイバルラリーとなることが予想される。南ヨーロッパで3戦続いたラフグラベル(荒れた未舗装路)ラリーの最後を飾るに相応しい激しい戦いとなりそうだ。

ただ、近年はラフな路面だけでなく、比較的スムースな路面も多くあり、またツイスティな低中速コーナーだけでなく、ハイスピードなコーナーも多く含まれるコース設定となった結果、総合力が求められるようになってきている。

最終のSS17「タルザン2」は「パワーステージ」に設定
今年はラリーのスタートが首都アテネへと戻り、26日木曜日の夜はアテネ中心部でのセレモニアルスタートに続き、オープニングのスーパーSSが市街地で行われる。

その後、ラリーはアテネから西に約80km移動し、グラベルステージでの本格的な戦いは27日金曜日のデイ2から始まり、シーサイドリゾートのルートラキを起点に、サービスパークが置かれるラミアを目指しながら6本のステージを走行。この日同じステージを2回走行するのはSS2/4のみ、残る4ステージは1回しか走らないため、出走順が早いドライバーたちにとっては非常に難しい一日となる。

競技3日目、28日土曜日のデイ3は中央ギリシャのラミアに置かれるサービスパークを中心に行なわれ、ラミアの南側で3本のステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走行。6本のステージの合計距離は123.44kmと長く、4日間で最長の一日となる。

ラリー最終日となる29日日曜日のデイ4は、ラミアの北西エリアで2本のステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走行。そのうちSS14/16「スモコヴォ」は新ステージで、SS15の再走ステージとなる最終のSS17「タルザン2」は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に設定されている。

ラリーは4日間で17本のステージを走行し、その合計距離は345.76km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1422.04kmが予定されている。

昨年のアクロポリス・ラリーではヒョンデが1-2-3フィニッシュを達成
トヨタはエルフィン・エバンス、セバスチャン・オジェ、カッレ・ロバンペラ、勝田貴元に、TGR-WRT2からのエントリーとなるサミ・パヤリを加えた、合計5台のGRヤリス ラリー1で参戦。シーズン開幕戦からの7戦連続優勝に挑戦する。

一方のヒョンデはティエリー・ヌーヴィル、オイット・タナック、エイドリアン・フルモーの3台で参戦。昨年のアクロポリス・ラリー・ギリシャでは、ヌーヴィルが優勝。2位にダニ・ソルド、3位にタナックが入り、ヒョンデが1-2-3フィニッシュを達成しており、今週末はその再現を狙う。

【参考】2024年 WRC第10戦アクロポリス・ラリー・ギリシャ 結果
1位:T.ヌーヴィル(ヒョンデ i20N ラリー1ハイブリッド)3h38m04.2s
2位:D.ソルド(ヒョンデ i20N ラリー1ハイブリッド)+1m36.8s
3位:O.タナック(ヒョンデ i20N ラリー1ハイブリッド)+2m57.3s
4位:S.パエリ(トヨタ GRヤリス ラリー2)+7m01.1s
5位:R.ヴィルベス(シュコダ ファビアRS ラリー2)+7m01.1s(同タイム)
6位:Y.ロッセル(シトロエン C3 ラリー2) +7m31.9s
7位:K.カエタノビッチ(シュコダ ファビアRS ラリー2)+9m54.0s
8位:F.サルディヴァー(シュコダ ファビアRS ラリー2) +11m27.9s
9位:J.マクリーン(シュコダ ファビアRS ラリー2)+12m27.2s
10位:R.グギリエルメッティ(シュコダ ファビアRS ラリー2) +13m44.9s
────────
16位:S.オジェ(トヨタ GRヤリス ラリー1ハイブリッド)+23m44.5s
18位:E.エバンス (トヨタ GRヤリス ラリー1 ハイブリッド)+24m45.5s
30位:勝田貴元 (トヨタ GRヤリス ラリー1 ハイブリッド)+41m22.2s

[ アルバム : 2024年 WRC第7戦アクロポリス・ラリー・ギリシャ プレビュー はオリジナルサイトでご覧ください ]

文:Webモーターマガジン Webモーターマガジン編集部
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