OEM車(他社向けに作られる車両)といえば、本家の影に隠れて地味なイメージを抱いてしまいがち。しかし、人気や知名度の差が影響し、中古車でお得に出回っているものもある。今回は、そんな買い得感満点のOEM車を紹介。グレードや走行距離などで変わる部分もあるが、少しでも中古車選びの参考にしていただけたら幸いだ。(2026年3月末日の情報です)
文:木内一行/写真:スズキ、ダイハツ、トヨタ、マツダ、三菱自動車
「圧倒的な空間を手に入れたスーパートール」 トヨタ・ピクシス メガ
ピクシスシリーズの第4弾としてデビューしたピクシス メガ。一見して分かるようにダイハツ・ウェイクのOEMモデルである。
本家の約8カ月遅れでデビューしたピクシス メガは、トヨタ初の軽トールワゴン。「視界の良さ」「広々とした室内空間」をキーワードに開発され、ミニバン並みのアイポイントで見晴らしの良さを実現するとともに、軽自動車トップレベルの室内高(1455mm)や前後乗員間隔(1120mm)も確保した。
その広いキャビンは利便性が高く、多彩なシートアレンジとともに大容量ラゲッジアンダートランクを活用することで、圧倒的な積載力と変幻自在の収納力を実現。デイリーユースからレジャーまで、さまざまなシーンで力を発揮してくれるはずだ。
この広大な室内空間が魅力のピクシス メガだが、ウェイクの生産終了に合わせて2022年9月に販売終了となっている。
しかし、その圧倒的な室内空間を求める声は今でも少なくない。そうしたユーザーは中古車で手に入れるしか方法はないのだが、市場での相場はウェイクよりもピクシス メガのほうがやや手頃だったりする。
2026年3月現在では、2021年式を例に挙げると、下は70万円台から上は約170万円まであり、豊富なのは120~130万円台。
一方ウェイクになると、下は同じく70万円台からあるが上は190万円台と価格バンドが広がるとともにボリュームゾーンも120~150万円台に上がっている。
OEM車といってもそれなりの物件数はあるし、狙い目十分だ。
「SUVテイストを注入したクロスオーバー軽」 マツダ・フレアクロスオーバー
スズキからOEM供給を受けるフレアシリーズだが、そのなかでハスラーをベースにしているのがフレアクロスオーバー。
2020年にモデルチェンジした2代目は、初代のキャラクターを継承しつつよりタフで力強いスタイルに進化。延長されたホイールベースと最小化されたエンジンルームにより、いっそうゆとりある室内空間も手に入れた。
本家ハスラーとの違いはエンブレム程度で、あとはグレード構成やカラーバリエーションが異なる程度。
搭載される新開発の自然吸気エンジンR06DおよびターボエンジンのR06Aにはマイルドハイブリッドが組み合わされ、ミッションは全車CVTを採用。4WD車にはスノーモードやグリップコントロールが備わるなどのメカニズム面も変わりはない。
また、デュアルカメラブレーキサポートや誤発進抑制機能、車線逸脱警報&抑制機能といった安全装備も基本的には同じだ。
そんなフレアクロスオーバーだが、中古車市場では本家よりも狙いやすい相場となっている。
2026年3月現在においては、ハスラーの場合2021年式のボリュームゾーンが130~140万円台なのに対し、フレアクロスオーバーは120~130万円台がボリュームゾーン。
2024年式になると、ハスラーは150~170万円台だが、フレアクロスオーバーは130~150万円台と、総じて10~20万円程度安いのだ。
ハスラーよりも流通量は圧倒的に少ないが、それでも探すのに苦労するほどではないのでご安心を。
「デリカを名乗るコンパクトハイトワゴン」 三菱自動車・デリカD:2
超ロングセラーのD:5や「デリ丸。」効果が上乗せされて好評のデリカミニと、話題に事欠かないデリカシリーズ。その三男坊にあたるのがD:2だ。
ご存じのとおりD:2はスズキ・ソリオのOEM車で、3代目となる現行モデルは2020年にデビュー。先代よりも全長を延ばし、ラゲッジルームを拡大するとともに後席の居住性もアップ。全席で快適な室内空間を実現した。
デザインはソリオと基本的に一緒。標準車はメッキガーニッシュなどを採用して質感を高め、ドレスアップ仕様のカスタム(ソリオはバンディット)は立体感のあるグリルや2段ライトで個性を表現。後者は2025年の一部改良でよりアグレッシブなデザインとなった。
また、インテリアでも両者に大きな違いはない。
ただしエンジンは少々異なる。ソリオはマイルドハイブリッドをメインに据え、当初はガソリン車を用意したり一時期はストロングハイブリッドも設定していたが、D:2は一貫してマイルドハイブリッドのみのラインナップだ。なお、2025年の一部改良ではパワートレインが一式刷新された。
現在の中古車市場を見ると、両者にそれほど大差はない。しかし、少しでも割安にというのであればD:2がお薦め。
2026年3月現在においては、2024年式ではD:2は170~180万円に集中しているが、ソリオのボリュームゾーンは180~220万円台と広く、バンディットに絞ると200万円以上になってしまう。
なお、D:2は全体の約7割が標準車のため相場が安くなっているとも判断できるが、この差は決して小さくないだろう。
「実力者の血を引くMサイズミニバン」 スズキ・ランディ(先代)
ノア/ヴォクシー、ステップワゴンらとともにMサイズミニバン御三家として長年にわたり活躍してきたセレナ。人気モデルゆえ中古車市場でもなかなか値崩れしないが、OEM車のランディならハードルが下がる。
ランディは、もともとは軽自動車エブリイの登録車版「エブリイ ランディ」として販売されていたが、2007年に日産からセレナのOEM供給を受けてMサイズミニバンとして生まれ変わった。
狙い目は2016年に登場した先代(3代目)だ。この先代、セレナと違いハイウェイスターやe-POWERは未設定だし、プロパイロットも搭載されない。
しかし、5ナンバーサイズながらクラスナンバー1の室内長と室内幅を確保し、2列目ロングスライドに加えて3列目にもスライド機構を採用することでより多彩なシートアレンジを可能とするなどの利便性は本家譲り。
さらに、エマージェンシーブレーキや踏み間違い衝突防止アシストなどの安全装備は全車標準装備だし、S-HYBRIDが4WD車にも拡大採用されたこともセレナと同じだ。
それでいて、中古車相場が安いのだから魅力的。
サンプルが少ないためあくまでも参考程度だが、2026年3月現在においては2020年式2.0Xでも150万円程度から狙える。セレナの同等グレードの相場と比べると20万円ほど安い。ただし、流通量が圧倒的に少ないので見つけたらラッキーぐらいに考えたほうがいいかもしれない。
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みんなのコメント
加えてスバルの軽も狙い目かも。