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フォーミュラE:渦中のアプトが動画で声明。替え玉は「ファンを楽しませるため」だったと主張

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フォーミュラE:渦中のアプトが動画で声明。替え玉は「ファンを楽しませるため」だったと主張

 フォーミュラEのバーチャルレース『レース・アット・ホーム』の第5戦で“替え玉”を使ったことで罰金処分などを受け、さらに所属するアウディからも契約を解除されたダニエル・アプトが自身のYouTubeチャンネルに約15分の声明動画を投稿。「あくまでファンを楽しませるためにやったこと」と事件について述べている。

 問題が起きたフォーミュラEのバーチャルレースであるレース・アット・ホームは新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大の影響で現実世界でのレースを開催できない現状を受けて行われているもの。

フォーミュラE:バーチャルで“替え玉”を使ったダニエル・アプトがアウディのシートを失う

 このレース・アット・ホームにはレーシングシミュレーターの『rFacotr2』が使用されており、現実のフォーミュラEに参戦しているドライバーたちが自宅から参戦している。また、このオンラインレースはユニセフの支援を受けて行われている。

 アウディスポーツ・アプト・シェフラー所属のアプトは、5月23日の第5戦でシミュレータードライバーを替え玉にしてレースに参加。3位フィニッシュを果たしたが、レース後の調査で替え玉が発覚し、当該レースでの失格処分やバーチャルレースで獲得してきたポイントの剥奪、慈善団体へ1万ユーロ(約117万円)の寄付を行うなどの裁定を受けた。

 また、この件を重く見たアウディはレース翌日の24日、「アウディスポーツは、アプトの起用をただちに停止することを決定した」としてアプトとの契約解除を発表している。

 渦中の人物であるアプトは26日、自身のYouTubeチャンネルに「Mein Statement zum Formel E Skandal | Daniel Abt(フォーミュラEスキャンダルについての声明)」と題した14分42秒の動画を投稿し、今回の件について真意を語っている。

「フォーミュラEが始めた『レース・アット・ホーム』は実世界でレースを開催できない期間、シリーズのファンを楽しませるために行われているものだと思っている」

「このレースはこれまでに5戦が行われており、全ドライバーが自宅からシミュレーターで参戦してきたが、現実の大会と違い賞金は出ない。あくまでファンを楽しませるものであり、ユニセフへの寄付を募るものだ」

「このレースはrFactor2というシミュレーターを使って行われているが、このシミュレーター内での挙動は現実のフォーミュラEカーとはかけ離れたもの。初戦を見ていたかたなら分かると思うが、現実では起こり得ないようなクラッシュが起きていた。もちろんシミュレーターならではのバグも存在する」

「第三者として、このイベントを観戦した時、これがプロフェッショナルなレーシングイベントではないことは誰の目にも明らかだと思う」

「それでも僕が参加を続けてきたのは、ひとえに自宅にいるファンを楽しませるためだった。このオンラインイベントでリザルトを意識したことはまったくない。オンラインレースでの結果なんて、僕にとってはまったく重要ではなく、ただファンを楽しませることだけが目的だった」

 アプトはレース・アット・ホームに参戦している様子を自身のSNSアカウントを通じてライブ配信しており、その視聴者数がフォーミュラE公式の配信よりも多かったとコメント。自身が運営するYouTubeのチャンネル登録者数が35万人以上となっていることも挙げ、配信を視聴するファンをさらに楽しませたいと考えたという。

 そして、レースに向けたトレーニング中に替え玉となったシムレーサーと交流。彼と話をしていくなかで「もしシムレーサーがプロドライバーと一緒に戦ったらどうなるのか、その模様をドキュメンタリー動画として公開しよう」という考えに至ったと明かした。

「もう一度強調しておきたいが、替え玉を使って好成績を収めたいと思ったわけではないし、替え玉を使ったことを隠しとおすつもりもなかった。このバーチャルレースのリザルトは僕のレースキャリアには一切影響しないものだからだ」

「また替え玉となったシムレーサーに金銭を渡してもいない。あくまで先のような実験とドキュメンタリー作成という意識を共有していただけなんだ。もちろんファンを騙すつもりもなかった。計画に関する話はライブ配信中も行っていて、1000人近い視聴者が聞いていたはずだからね」

「実際に土曜日のレース(問題となっている第5戦)を迎えるとほかのドライバーから不審に思われた。もちろん、彼らにも今回の件を隠すつもりはなかったからグループチャットを通じて、“ヒント”は出していた」

「ただレースで替え玉のシムレーサーが3位に入ったことで、彼のIPアドレスが調べられ、それがオーストリアのものであることが分かってしまった。僕たちは騙すつもりはなかったからVPN接続などもしていなかった」

「また3位のインタビューについても想定外だったんだ。この時点で今回の計画が僕の予想もしていなかった事態を招いてしまったことに気がついたんだ。替え玉を使っていたことが暴かれた時、フォーミュラEからは1万ドルを寄付するようにと裁定を受け、僕はそれを受け入れた」

「しかし、そのあと、この件がメディアで報じられることになった。彼らは僕に声明を発表する隙間も与えず、まるで僕がズルをしたかのように報じたんだ。そして今日、アウディからこれ以上一緒にフォーミュラEを戦うことはできないとの連絡を受けた」

「本当に苦しいし、今までの人生で味わったことのない痛みを感じている。この場を借りて僕の考えを世間に伝えたかったし、家族や友人、アウディ、個人パートナー、フォーミュラE、(バーチャルレースを支援する)ユニセフ、そしてなによりファンに謝罪したい」

「大きな過ちを犯してしまったし、その罰は甘んじて受け入れる。だからどうか許して欲しい」

「フォーミュラEに参戦してきた6年間は素晴らしい時間で、ドライバーとしてはもちろん、人としても成長することができた。特に直近3年間はアウディのワークスドライバーとして活躍できたことを心から誇りに思っている」

「人は生きていく中で少なからず過ちを犯すものだ。今回僕は大きな過ちを犯したが、それを受け入れ、また立ち上がる。今はこの件を受け入れ、自分の将来について考える時間が必要だけれど、今回の謝罪を受け入れてくれ、それでも応援し続けてくれるファンがいることを願っている」

 アプトが投稿した動画は5月27日13時の時点で33万5152回視聴され、4万件の高評価が付いている。動画内でアプトはドイツ語でコメントしているが、字幕機能を使えば英語翻訳を見ることは可能だ。


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みんなのコメント

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  • 彼はもう二度とサーキットに戻ることは無いだろうね。謝り続ければ拾ってくれるチームもあるだろうが、見苦しい言い訳なんか誰も見ないし。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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