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ラッセル独走で今季2勝目。マクラーレンがコンストラクターズ戴冠【決勝レポート/F1第18戦】

掲載 更新 3
ラッセル独走で今季2勝目。マクラーレンがコンストラクターズ戴冠【決勝レポート/F1第18戦】

 10月5日、2025年F1第18戦シンガポールGPの決勝レースがマリーナベイ市街地サーキットで行われ、ジョージ・ラッセル(メルセデス)がポール・トゥ・ウインで自身通算5勝目/今季2勝目を飾った。

 2位にマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、3位にランド・ノリス(マクラーレン)が続いた。角田裕毅(レッドブル)は12位となった。

【ポイントランキング】2025年F1第18戦シンガポールGP終了時点

 なお、このシンガポールGP終了時点で650点を獲得したマクラーレンが、2年連続のコンストラクターズタイトル獲得を決めた。

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 スタート時刻は現地時間20時。ナイトレースとなる今季18戦目の舞台は、シンガポールの公道を使用し、F1ナイトレース発祥の地でもあるマリーナベイ市街地サーキットだ。

 なお、スタート時点で路面はドライコンディションとなるも、夕刻にわずかに雨粒が落ち、レコノサンスラップ(ピットガレージからダミーグリッドに向かう試走)の時点で、路面が滑りやすいと無線でコメントしたドライバーもいたが、スタートタイヤは全車がドライタイヤとなった。コンパウンドは、20台中14台がミディアムタイヤ(イエロー/C4)を装着。

 一方、2番グリッドのフェルスタッペン、8番グリッドのアイザック・ハジャー(レーシングブルズ)、10番グリッドのフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)、13番グリッドの角田、15番グリッドのランス・ストロール(アストンマーティン)、16番グリッドのフランコ・コラピント(アルピーヌ)の6台はソフトタイヤ(レッド/C5)をチョイスした。

 気温29度、路面温度33度、湿度81パーセントというコンディションで、62周のレースはスタートを迎えた。ポールシッターのジョージ・ラッセル(メルセデス)がターン1のホールショットを守り、そのままファステストラップを更新する走りを見せる。2番手のフェルスタッペンはソフトタイヤを履くも、ミディアムタイヤのラッセルとのギャップを縮められず、1周ごとに広がってしまう。

 その後方では、5番グリッドスタートのノリスが抜群のポジション取りを見せ、アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)をかわし3番手に浮上。

 なお、スタート直後のターン3にて、フェルスタッペンのリヤに接触しそうになったノリスが回避行動を取り、ノリスのアウト側にいたピアストリとわずかに接触してしまう。ノリスはフロントウイングに軽いダメージを負い、ポジションを下げたピアストリは無線でノリスに対する不満を口にした。

 なお、マクラーレンは『ドライバーのひとりがトップ3以内でフィニッシュすればシンガポールGP終了時点で2025年シーズンのF1コンストラクターズタイトル確定』という状況だけに、接触の瞬間は肝を冷やしたに違いない。

 一方、ウイリアムズ勢の予選失格により13番手スタートとなった角田はソフトタイヤに苦しんだか、1周目からミディアム勢4台に次々とかわされてしまい、3周目時点で17番手にまで後退する。16番手エステバン・オコン(ハース)を追いつつ、カルロス・サインツ(ウイリアムズ)に追われる展開となった。

 10周を迎える頃にはソフトタイヤ勢のペースが落ち、ラッセルとフェルスタッペンのギャップは5秒まで広がった。この日のラッセルは、他を寄せ付けないペースで後続を引き離し続ける。フェルスタッペンはダウンシフトに違和感を感じながらも、3番手ノリスを1秒以上引き離す。

 15周目、真っ先に17番手角田と15番手ガブリエル・ボルトレート(キック・ザウバー)がハードタイヤに交換。ボルトレートがフロントウイング交換を実施したことで、角田が前でコースに復帰。角田はハードタイヤで好ペースを刻み、オコンに対しアンダーカット仕掛ける展開に。

 3番手ノリスはフェルスタッペンの1秒後方をキープ。17周目ごろ、ノリス陣営は「フェルスタッペンをアンダーカットしよう」と無線でブラフをかけ、マクラーレンのメカニックがピット作業エリアにハードタイヤを並べる動作を見せるが、フェルスタッペン陣営は動じず。それを見たマクラーレンはタイヤをガレージに戻した。

 結局フェルスタッペンは20周目にハードタイヤに交換。この周でもマクラーレン陣営はピット作業の準備をするフリを見せ、コース外からフェルスタッペン陣営に揺さぶりをかける。

 前がクリアとなったノリスもは己ベストを更新するラップを刻むが、20周を越えたミディアムタイヤのデグラデーション(性能劣化)の影響もあり、徐々にペースダウン。タイヤを交換したフェルスタッペンは、ハードプッシュを見せファステストを更新し、フェルスタッペンが事実上の2番手を守ることに。

 フェルスタッペンが強烈なペースを刻み続けるなか、26周目にラッセルがハードタイヤに履き替え、フェルスタッペンの3.5秒前でコースに復帰。フェルスタッペンは一時8秒まで広がったギャップを大きく縮めることに成功した。

 一方のノリスは27周目に、ピアストリは28周目にハードタイヤに交換。この上位勢がタイヤ交換(1回目)を終えた29周目時点で首位ラッセル、3.7秒差の2番手フェルスタッペン、ラッセルから8.5秒差の3番手ノリス、ラッセルから18.4秒差の4番手ピアストリというトップ4となった。

 一方、31周目にオコンがタイヤを替えると、角田が16番手に浮上する。角田は15番手コラピントの背中を追いつつ、17番手ニコ・ヒュルケンベルグ(キック・ザウバー)が背後につく展開となった。

 レース後半に入るとラッセルはハードタイヤを温存してか、35周目時点でフェルスタッペンとのギャップが2.9秒まで縮まった。ただ、36周目にフェルスタッペンはターン14でブレーキをロックさせてしまい、37周目にはラッセルとのギャップが5秒差まで開いてしまう。

 これで3番手ノリスが一時はフェルスタッペンとのギャップを1.6秒まで縮めるが、フェルスタッペンはダウンシフトに違和感を抱えつつも、2番手の座を死守する。

 39周目にランス・ストロール(アストンマーティン)、43周目にアレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)がピットインすると、角田は14番手に浮上。さらに、43周目のターン7で角田がコランピントをかわし13番手に浮上する。

 続けて、角田はパワーユニット(PU)にトラブルが出ているという12番手アイザック・ハジャー(レーシングブルズ)を追う展開に。コラピント・トレインを脱した角田のペースはかなり好調で、ハジャーとのギャップを一気に縮めにかかる。

 50周目にリアム・ローソン(レーシングブルズ)、51周目にサインツがピットインすると、角田は11番手に浮上。つまり、ハジャーをかわせば、1点を獲得できる状況になった。

 しかし、その状況で3番手ノリスが2番手フェルスタッペンのDRS圏内に入る接近戦を展開し、ちょうど角田を周回遅れにさせようと、角田の背後についた。周回遅れとなる角田は、フェルスタッペンの邪魔にならないよう、フェルスタッペンとノリスを先行させた。

 ハジャーのDRS圏内に入っていた角田だったが、2台を先行させるタイミングでタイムロスが生じ、55周目時点でハジャーとのギャップが8.1秒差まで開いてしまう。56周目にハジャーがフェルスタッペンとノリスを先行させるも、角田とのギャップは3秒近く開いたままとなった。

 そして57周目には、50周目までミディアムタイヤで引っ張り、終盤にソフトタイヤでスパートをかけるサインツが角田をオーバーテイク。これで角田は12番手に後退する。なお、サインツは59周目にハジャーをパスし10番手に浮上する。

 60周目に6番手につけていたルイス・ハミルトン(フェラーリ)が突如「ブレーキを失った」と、無線を飛ばした。急激にペースを下げたハミルトンはルクレールに6番手の座を譲る。その背後には8番手フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)が接近するが、ハミルトンは0.4秒差で7位の座を守ることが叶った。

追記:その後、ハミルトンに対し5秒のタイムペナルティが下り、アロンソが7位に繰り上がり、ハミルトンは8位となった。

 ラッセル(メルセデス)が62周目を終え、ポールポジションから他を圧倒する走りを続け、自身通算5勝目/今季2勝目を飾った。5.430秒差の2位にフェルスタッペン。フェルスタッペンから0.636秒差の3位にノリス。そしてノリスから2.080秒差の4位にピアストリが続き、ダブル入賞を果たしたマクラーレンが2年連続となるF1コンストラクターズタイトル獲得を決めた。

 以下、5位アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)、6位シャルル・ルクレール(フェラーリ)、7位アロンソ、8位ハミルトン、9位オリバー・ベアマン(ハース)、10位サインツまでが入賞となった。

 角田はハジャーから1.934秒差の12位となり、スタートポジションから順位をひとつ上げるも、入賞には届かなかった。

 次戦となる2025年F1第19戦アメリカGPは10月17~19日に、テキサス州オースティンのサーキット・オブ・ジ・アメリカズで開催される。

[オートスポーツweb 2025年10月05日]

文:AUTOSPORT web
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みんなのコメント

3件
  • f43********
    サインツのように予選18番手から、決勝で鬼のスピードでごぼう抜きして10位になるような走りを角田選手にもやって欲しいのだが
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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